「足るを知る」の心で、親子関係がもっと穏やかになる!
自分の捉え方のクセを変えると、見える景色が変わる
「自分の捉え方のクセを知ることで、自分を変えることができます」とお話すると、多くの方が「自分の捉え方のクセなんて意識したことがない」とおっしゃいます。普段、自分の考え方や感じ方を意識することはあまりありませんよね。けれど、実は私たちの反応や言葉には、無意識のクセが隠れていることが多いのです。
例えば、よくコップの中の水を例に出して説明される話があります。同じ量の水を見ても、「半分しか入っていない」と思うのか、「半分も入っている」と思うのか。この違いが、自分の心の在り方に大きな影響を与えるのです。
捉え方を変えた親御さんのエピソード
ある親御さんから、こんな相談をいただきました。
不登校だった娘さんが高校生になり、楽しそうに通学するようになりました。登校する際の服装は自由だそうで「短いスカートを履いていくんです。高校生なのに、お化粧までして」と困っているとのこと。
私は「学校には楽しそうに通っていますよね?」とお尋ねしました。すると、「はい、不登校だったことが嘘のように学生生活を楽しんでいます」とおっしゃいます。そこで、「あなたが初めてOmimiに来たときは、お子さんの不登校を悩まれていました。今は、楽しく学生生活をエンジョイしているのなら、何を困ることがあるのでしょう?」とお伝えすると、ハッと気づかれた表情に変わり、「そうですね、あの頃は笑顔が見たかっただけでした。人生を楽しく過ごして欲しいと心から願っていました。」と話してくださいました。
また、別の方は、不登校だったお子さんが成人になりアルバイトを始めたことについて、「週3日、一日5時間しか働いていない」と心配していました。
そこで私は、「5時間も働いているんですね!ずっと家に引きこもっていたのに、外に出て5時間も頑張れるなんて、本当に素晴らしいですね」と伝えました。この瞬間、「そうですね、そう思えばすごい成長です」と気づかれたのです。
足るを知る心
仏教の教えに「足るを知る」という言葉があります。「足るを知る」とは、現状に満足し、感謝の気持ちを持つことです。紹介した親御さんたちも、最初は「子どもが元気になってほしい」「笑顔で過ごしてほしい」と願っていました。その願いが叶うと、次には「もっとこうしてほしい」という新たな心配や不満が生まれます。
しかし、無限に膨らむ欲望を追い続けると、心が休まることはありません。大切なのは、自分の意識を変え、物事の捉え方を見直すことです。そうすることで、心に余裕が生まれ、日々の生活に感謝の気持ちが湧いてきます。
捉え方を変えると、見える世界が変わる
ある親御さんは、不登校だったお子さんが高校に進学し、駅まで迎えに行くたびに「娘が駅の階段から降りてくる姿を見ると、毎回涙が出るんです」と話してくださいました。「あんなに外に出ることを怖がっていたのに、本当にうれしい」と。これもまた、捉え方が変わり、日々の何気ない瞬間に幸せを感じられるようになった例です。
あなたも、自分の捉え方を見つめ直してみませんか?「お子さんを変えたい」と思う前に、「自分の心のクセ」を知ることが、より良い親子関係の第一歩になると思います。