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Cervelle de canut[Opus1]  セルビル ド カニュ

美味しいもの食べたいなぁ。じゃ作ってみよう。レシピ検索してみよう。
眩いばかりの美しい写真と美味しそうなレシピ達。でもそれ通りに料理出来るかというと理想と現実の違いがまざまざと‥。

いくらレシピ通りに作っても調理器具、加熱器具、調理経験によっても出来上がりは違うし、そもそも人の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚)は違うもの‥。
写真と同じ物はなかなか出来上がらない。
写真の中の味なんて分かるはずもない。

味覚や嗅覚に関して言えば‥
例えばコリアンダー(パクチー)は嗅覚受容体の遺伝子に突然変異がある人にとってはその芳香成分が苦手なのだ。食べず嫌いではなく、遺伝子レベルで無理なのです。
そしてトリュフの香りは男性の方が感じにくいと言われている。「君が何を食べているか言ってみたまえ。君が何者か言い当ててみせよう。」で有名な、ブリア=サヴァラン『美味礼讃』の中でも「料理のダイヤモンド」、「官能的な香り」として紹介されているのにその香りを感じられずとは、グルマンには残念なことです。

あなたの味覚と私の味覚もきっと違う。今までの経験によっても美味しさの感じ方って違うよね。いつも子供の頃のお弁当に入ってた、砂糖がたっぷりでちょっぴり焦げた卵焼きが美味しいと思う人もいれば、卵焼きと言えば塩でしょ、出汁でしょ、という人もいるわけで。同じ物を食べたとしたって感じ方は様々。

なので私の持論はレシピは黄金比でありフィボナッチ数列。割り切れることなく永遠と数字が続いていくのです。とても美しい比率ではあるけれど最終結果に行きつかない。誰かがここだ!とストップをかけてとりあえずこんなもんかなぁと決着するのです。
そして探求していく人はずっとずっと追い求めて旅していくのです。

頭の中を黄金比のフィボナッチ数列の渦巻きがぐるぐるしているところで
「絹織り職人の脳みそ」という意味の『セルビルドカニュ』フランスリヨン地方のお料理のお話し。リヨンの産業である絹織物の職人達が食べていたとか。

以前に『シーンを味わう』というイベントでアペタイザーに加えた一品です。
本からのインスピレーションでメニューを考え、料理してお客様に召し上がっていただくイベントで、私の役目はもちろんメニュー構成と料理。
プロフェッショナルのソムリエ資格を持つ酒屋さんがワインを選びサーブする。
アナウンサーが朗読し、選書をした本屋さんが本の内容について解説する。
デザイナーがポスター、チラシ、メニューのデザインも。
関わるスタッフ全員が期日までに本を読み切り、内容に因んだ、料理、ワインを提供。本の内容について噛み締めながら味わっていく、文化レベルの高い、
崇高な会なのです。
もちろんほとんどのお客様は本を読んでくるし、かなり昔に読んだ方は再読されていらっしゃるのだ。こちらも気が抜けない。

この時の選書はサン=テグジュベリ『星の王子さま』Le Petit Prince。
熱烈な星の王子様ファンがいらっしゃる事をこのイベントを通して知ることに。。。
哲学的な内容は心をうつ。

作家であり、パイロットであるサン=テグジュベリはフランス、リヨン出身。地中海上空で星となる。
星の王子さまの文中にあるように『大切なものは、目に見えない。』
だからこそ原点に帰り、生まれ故郷のリヨン地方の料理をお出しした。

簡単に出来て病みつきになるこのお味。自宅でもリピート回数多く、経営する飲食店FourHeartsCafeでもたまにお出ししている。
本当はフロマージュブランを使うのだけれど、その辺のご近所でも手に入る食材にアレンジしています‥。ゆるい感じのレシピですが、料理はフィボナッチですので是非ご自身に合ったお味を見つけてください。
そして勝手に合わせたいワインも‥。


『新しい星を発見するよりも新しい料理を発見するほうが人間を幸せにするものだ。』Jean Anthelme Brillat-Savarin

セルビルドカニュのレシピと勝手に合わせたい日本のワインは‥‥↓


Recipe

セルビルドカニュ


胡桃‥15~30g
ポロ葱(青ねぎ)‥ 5~15g
レーズン‥30g
酢‥小さじ2
S‥小さじ1弱
BP‥適量
ディルウィード‥ 4つまみ
クリームチーズ‥ 1p(200g)
バケットスライスやクラッカーなど‥ 適量 パンにオリーブオイルを塗っても‥

刻んで混ぜるだけ。お好みで材量も、多少、多かったり少なかったりは全く問題なし。美味しいと思える着地点を見つけてくださいね。
先に青ネギとレーズンに酢や塩を混ぜておいた方がネギの辛味も和らぎ、レーズンもふやけて良い感じになると思います。

いつもレシピを書くときは下の絵みたいに描きあげるのが常。パッと見で分かりやすいので、ご参考まで。
青ネギの分量を変えてあった。葉の先っちょの軽いところなら、5gくらいだし、根に近い部分の白いところだったら35gくらい入れても良いかなって感じです。
ナッツもアーモンド、ピスタチオ、ひまわりの種やカシューナッツなどお好みのものを混ぜてください。

クラッカーやバッケットの薄切りに乗せて食べても良いし、トマトとの相性も良いので一緒にサンドウィッチにしても美味しいです。

Wine

勝手に合わせたい日本のワイン

KIZAN WINE 白 甲州種100%  
ワイナリーより引用
中庸の麦藁色、赤灰色がかったエッジ。グレープフルーツやレモンのようなアロマと、香ばしいカシュナッツの香り。辛口のミディアムボディー。シトラスやフレッシュなリンゴのような果実味に加えて軽いはちみつのようなフレーバーも加わり、なめらかで口中にまとわりつくような口触りを感じます。切れの良い酸味と甲州種特有の渋さが口中にドライな味わいを感じさせ、余韻が長く続きます。

軽く冷やして…。

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