「3パターンの大腿骨内旋」を抑制するための考え方と股関節機能に対する運動療法!
臨床的に、大腿骨が内旋することで起きる問題は様々あります。
大腿骨が内旋することで、股関節のインピンジメント症候群であったり、体幹機能の弱化、膝関節の回旋ストレスなどにも繋がります。
この大腿骨内旋に対しても、大腿骨内旋が起きている機序によっては同じように大腿骨が内旋しているように見えていたとしてもアプローチをする方向性が変わってきますのでその辺りを踏まえて解説していければと思います。
大腿骨内旋の捉え方について
大腿骨内旋の捉え方ですが、大腿骨に限らずですが骨は絶対的な位置関係ではなく相対的な位置関係でその骨がどの方向に動きたくなっているのか、関節としてはどういった影響を与えているのかを考える必要性があります。
大腿骨は骨盤と構成されて股関節になりますし
大腿骨は脛骨と構成されて膝関節になります
そのため、骨盤のポジションや下腿のポジションによって大腿骨が外旋してにるように見えても相対的な位置関係を見たら内旋していたりすることもあります。
今回は、骨盤帯からの影響からみた大腿骨の動きについて考えていければと思います。股関節は自由度が高い関節になってきますので、骨盤のポジションによっては大腿骨が内旋していたり外旋していたり相対的に捉え方が変わってきます。
3パターンの大腿骨内旋
大腿骨内旋のパターン1
大腿骨内旋のパターンの1つ目としては
骨盤の前傾と前方回旋を伴った大腿骨内旋パターンです
骨盤前傾や前方回旋が生じると運動連鎖として、大腿骨も内側かつ内旋方向に倒れやすくなり、膝関節には外反される様なストレスが生じてきます。
この場合であれば、大腿骨が内旋しているから大腿骨を外旋する様なクラムシェルや外転+外旋系のエクササイズをしたとしても、そもそも前方向に大腿骨を押し出そうをしている骨盤のポジションを変えなければ大腿骨を外旋させる機能を高めたとしても歩行や姿勢における適切な股関節機能は獲得することはできないです。
骨盤が前傾や前方回旋をしやすくなっている状態になっている方は、Knee-in toe-outの様な接地になりやすくなりますので、大腿骨内旋方向に可動しやすくなりますが、実際に可動域検査などで大腿骨外旋の可動域を評価すると外旋可動域に制限がないケースも非常に多いです。
そもそも骨盤が前傾や前方回旋をすると、大腿骨が仮に安定している場合であれば安定している大腿骨の上で骨盤が前方に回旋するわけなので股関節は相対的に外旋する様な運動方向になってきますので、骨盤としては外旋方向に動かそうとしている股関節機能になっていますので、そこに大腿骨が内旋している様に見えるから大腿骨外旋のエクササイズを行うと余計に股関節の不安定性に繋がる可能性が高いです。
そのため、運動療法やエクササイズとしては、大腿骨が内旋しているように見えますが骨盤が前方回旋や前傾した連鎖として、大腿骨が内旋方向に稼働しやすくなっているため上記の画像の様な支持側に向けて骨盤が回旋できるような股関節機能が必要になってくることが考えられます。
骨盤が前傾したり前方回旋した状態における大腿骨の内旋は、大腿筋膜張筋や腸脛靭帯などがタイトネスになっていることが非常に多くあり、大腿筋膜張筋を使った股関節内旋を抑制したいため、骨盤の後傾や後方回旋(骨盤の同側回旋)を促通することは重要になってきます。
大腿骨自体を意識的に外旋させているわけではないですが、ポジション的に股関節内旋ポジションになっていた大腿骨を外旋方向に修正することが可能になってきます。
大腿骨内旋のパターン2
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