【作品解説】symbiosis02&近況
篠原愛が毎回ひとつの自分の作品について、解説をしていきます。
今回はこちらの作品です↓
This is an oil painting I made for my solo exhibition in May of the year I graduated from university.
After my first solo exhibition, the owner of the gallery exhibited this work at an art fair in New York and sold it there, but after that it was put up for auction and has since gone missing in the world.
So if anyone knows the owner or whereabouts of this piece, please contact me! !
☆自分の作品の話☆
□絵の内容紹介
・下着姿の女の子がうつ伏せに寝転がっていて、その背中から朝顔が生え、その間にピンクのバラが群生していて、よくみたらそのバラの中からフラミンゴの頭がのぞいている。
・シュルレアリスム的な表現。現実にはありえない世界。
□絵の制作に関する話
・大学学部を卒業した年の、5月の個展用に描いた油彩。大学の時に借りてた小さいアパートで描きました。
・1月に卒業制作を提出して、そこから描き始めたから、制作期間は1~2ヶ月くらい?この時は完全に昼夜逆転の生活をしていて、あまり健康的ではなかったですけど。よく頑張って描いたなぁと思います。
・当時「どうしてこういう絵を描くんですか?」と聞かれた時に、「写実的に写真のように描くことは誰でもできる。絵じゃないとできない表現をしないと、絵にする意味はないんじゃないかと思うのでこういう表現で描いてます」と答えた覚えがあります。
・この絵の白眉は、女の子の背中から植物の根が生えているところだと自分では思っているのですが、これは大友克洋さん(AKIRAとか童夢とか描いた漫画家)の有機物の描き方から影響を受けています。
・「なぜフラミンゴなの?」と質問されたのですが、「ピンクのバラからメタモルフォーゼするわけだから、ピンクの鳥がいいよね、じゃフラミンゴだ!!」みたいな感じで。
今はモチーフや世界観に意味を含ませたりするけど、初期の頃はモチーフ選びも結構適当でした。若かった。
・この作品は初個展で展示をしたあと、そのギャラリーのオーナーがNYのアートフェアに展示してくれてそこで売れたのですが、その後オークションに出されてしまい、世界で行方不明になってしまいました。
なのでこの作品の持ち主や行方を知っている方がいたら私に連絡をください。
一つの作品をつくるのに時間がかかる人、そのため作品数が多くない人、作品の所在をきちんと把握しておきたい人は、そこを理解してくれるギャラリーやプロデューサーを見極めて付き合うのが大事かもしれません。
☆最近みに行った展示の話☆
□アートフェア東京 東京国際フォーラム
・海外からのお客さんが増えて、活気があってよかった。
・私はいつも見る順序が決まっていて、いつも現代アート、現存作家の作品をみてから最後に物故作家、古典絵画とか壺とか印籠とか根付とかみるんですけど。そこが楽しくて。古いの好きだから。今回は渡辺省亭とか葛飾北斎の美人画がみれて嬉しかったです。
□森美術館の六本木クロッシング2023
・日曜日なのと会期がもうすぐ終わるので、若いお客さんが多かった。
・感想→私はストレートでわかりやすくて、外の世界ときちんとリンクしていて自分の内省的な世界で終わっていない作品が好きだなと思いました。
※この記事は、3/13に行ったスペース配信の内容をもとに書きました。
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