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【美術館博物館】TOHAKU茶館@東京国立博物館

期間限定で応挙館でお食事やお茶ができるということで、今回足を運んでみた。「TOHAKU茶館」として営業をしているのだが、ホームページやSNSを確認しても、なんだかよく分からなかったので、興味がある人に向けての参考になればと書き留めておく。

応挙館外観

応挙館は上野の東京国立博物館の庭園に移築されている。
建物前の説明板には「名古屋市郊外の明限院の書院として寛保2年(1742)に建てられ、後に東京品川の益田孝邸内に移築され、昭和8年(1933)に寄贈された。室内の障壁画が、天明4年(1784)に円山応挙が描いたものであることから、「応挙館」と呼ばれている。」と書いてある。

私にとっては、佐竹本三十六歌仙絵巻が切断された場所であり、いろいろと感慨深い場所でもある。今までは外観のみ見学できていたが、まさかそこに入り、食事までできるとは。

HPからの基本情報は以下の通り(一部抜粋)。
https://chakan-tokyo.com/ja

TOHAKU茶館(TOHAKU CHAKAN)
Japanese Authentic TEA CAFÉ
【期 間】
2023年7月14日(⾦)~2024 年1月28日(⽇)
【定 休 日】
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、12月23日〜1月1日、ほか休業日あり。
【営業時間】
10:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
※TOHAKU茶館会場の入場には東京国立博物館の観覧料が必要です。
(大人1,000円/1人、大学生500円/1人)
・英語による接客対応 
・FreeWifiの使用可能

茶道体験や着付け体験などの文化体験のプログラムを用意していて、
食事も含め予約を受け付けているようだけれども、
特に予約なしでも、食事やお茶をすることはできる。
その際は入口から並んで待つかたち。
最近よくある店頭での順番待ちのタブレット等はなく、ウェイティングリストすらなく、店員さんからの事前の人数の確認もなく、ただひたすら並んで待っている。
土曜日の午後に行って、先頭は4人組、次に親子、私は3組目。出てくるお客がいても、店員が案内する気配は一切ないまま、30分くらい待たされた。
10月に入ってだいぶ涼しくなったというのに、かなり蚊がいて、建物の外で数カ所刺された。痒みが強く、赤みも広がり、野性味ある蚊だったようだ。

入口

案内され、靴を脱いで下足箱にいれて建物内に入る。床の間のある座敷とその控えの間の二間に、それぞれ円卓が置かれている。縁側にも二人用の席が用意されていた。座敷と縁側のどちらが良いかと尋ねられて、座敷をお願いする。床の間の正面に向かう席で、「応挙館の中にいる自分」をしみじみと味わう。

案内されたお座敷

メニューは以下の通り。

冷たい稲庭うどんと甘味セット(素材にこだわった小さなお菓子2種)
2,800円

冷たい茶そばと甘味セット(素材にこだわった小さなお菓子2種)
2,800円

本日のお稲荷さんと、野菜たっぷりお味噌汁セット
お味噌汁は京都本田味噌の西京白味噌椀または赤味噌椀から選ぶ。
2,500円

本日のおにぎりと、野菜たっぷりお味噌汁セット
お味噌汁は京都本田味噌の西京白味噌椀または赤味噌椀から選ぶ。
2,500円

以上のセットには、飲み物が以下から選べる。
ビールorお煎茶/和紅茶(HOTorICE)orほうじ茶(HOTのみ)
(煎茶:京都一保堂)(ほうじ茶:献上加賀棒茶)

単品メニュー
本日のおにぎり2貫 800円
本日のお稲荷3貫 900円
本日の具だくさん白みそ椀 900円
本日の具だくさん赤だし椀 900円

甘味メニュー
おまかせスイーツ4種盛 お抹茶セット 3,200円
おまかせスイーツ2種盛 お抹茶セット 2,400円
・お抹茶(京都一保堂)他の飲み物は食事のセットと同じ
・和菓子は京都菓匠たにぐち
できたてのわらび餅お茶セット 1,600円 単品1,000円
※黒みつと白みつ、お好みをお選びください。
お抹茶と和菓子のセット(和菓子1つ) 1,700円
お抹茶単品 1,100円
和菓子単品 700円

ドリンクメニュー
抹茶ラテ 1,200円
ほうじ茶ラテ 1,200円
飲むわらび餅(抹茶味)黒蜜付き 1,600円 
飲むわらび餅(ほうじ茶味)黒蜜付き 1,500円
飲むわらび餅と手作りの抹茶とホワイトチョコのワッフルセット +400円
柚子のシャーベット 800円

飲むわらび餅(ほうじ茶味)

メニューの書き方に統一がないのが気になる。

その他、
K&K缶つまが単品600円~セットで2,200円など。
ソフトドリンクでコーヒーやリンゴジュースなど800円~900円。
天然水、スパークリング天然水200円。
アルコールもいろいろ。
新政がグラス1,500円~。
チョーヤ梅酒、よなよなエールが800円。
COEDO(瓶ビール)は900円。
白ワイン(グラス)1,200円、赤ワイン(グラス)1,000円。
イチローズモルツもシングル1,000円~。
日本酒やワインはボトルもある。

店員さんは控えめでおとなしい印象の人が数人。
空いた座席がなかなか片付かなかったり、
注文を聞きに来なかったり、声をかけても気づかなかったり、
お会計の後に「ありがとうございます」もなかったり、
接客はかなりいまいち。

食事はちゃぶ台のような円卓の上に、
グラスの飲み物はコースターもなく置かれるし、
セットの食事もお皿が直接置かれる。
なんとなく、運んできたお膳のまま出してくれた方が、
気持ちよく食べられる気がするが、
そのあたりもとても雑で残念な印象。

飲むわらび餅は氷が多く、味は普通。
おにぎりセットの漬物は京都の打田のお漬物とのこと。
私が頼んだおにぎりの具はじゃこと柴漬け。
食事代が全体的に高いのは、
建物に入る入場料込みかなと思うことに。

客層は半分くらいは外国の方。日本人の年齢層は高め。
私が案内された床の間のお座敷は5卓ほど、次の間は6卓ほど置かれていた。縁側の2人用の席も5席くらい。

縁側の席

障壁画については、「墨画は保存上の理由から収蔵庫で保管されていますが、最新のデジタル画像処理技術と印刷技術を駆使した複製の障壁画が設置され、応挙揮毫当時の絵画空間が応挙館に再現されました。」とあり、いわゆるコピーされたもので迫力には欠けたけれども、それはもうしょうがない。空気洗浄機や扇風機やキッチンペーパーなどが無造作に置かれているのは、もう少しなんとかならないものか。書院や欄間などの意匠は絵巻が切断された当時のものと同じなのだろうか。

とにもかくにも、まずは「応挙館」の中に入り、ゆっくりと過ごすことができる、というのが素晴らしい。歴史的な建築物がどういうかたちで活かされていくのか、そのひとつの答えにはなっているのだろうと思う。
贅沢をいえば、もう少し品格ある空間になってほしかったが、外国人観光客をターゲットしている時点で、それもなかなか難しい話なのだろう。
私のような市井の民が休憩できるありがたさを感じながら、籤引きでお坊さんがあたって不機嫌になってしまった益田鈍翁のことなどに思いを馳せてすごしてみる、なんとも楽しい時間であった。

2023年10月7日訪問

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