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シャルル七世時代の芸術展:プレスリリースを翻訳
3月12日から始まる、シャルル七世時代のフランスの芸術展(LES ARTS EN FRANCE SOUS CHARLES VII)
昨年12月に発表されたプレスリリースを日本語に翻訳しました。
プレスリリース(報道資料)原文:https://www.musee-moyenage.fr/media/documents-pdf/communiques-de-presse/cp-les-arts-en-france-sous-charles-vii.pdf
シャルル七世時代におけるフランスの芸術
LES ARTS EN FRANCE SOUS CHARLES VII (1422-1461)
シャルル七世の治世において、芸術は驚異的な復興を遂げた。
2024年3月12日から6月16日まで、クリュニー美術館(国立中世美術館)で開催される「シャルル七世時代(1422~1461)のフランス芸術」展は、この芸術史上きわめて重要な時期に焦点を当てたものである。
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百年戦争中の1420年代から、フランス王国は政治的にも芸術的にも大きな変化を遂げた。イングランドとブルゴーニュに占領された王国北部では、芸術の拠点が数多く誕生した。
王太子シャルルが、特にジャンヌ・ダルクのおかげで王位を回復し、王国を取り戻したときに再興の条件は整った。ジャック・クールのような主要な後援者が、新しい世代の芸術家たちを呼び寄せた。
これらの芸術家たちは、特にヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)によって花開いたアルス・ノヴァとして知られるフランドル派の写実主義を取り入れる一方、イタリアの影響を受けて、フィリッポ・ブルネレスキ(Filippo Brunelleschi)、ドナテッロ(Donatello)、ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)といった芸術家たちが発展させた古代の遺産に傾倒した。
芸術創造は国際的なゴシック様式から徐々に脱却し、ルネサンスの始まりである現実的な新しいビジョンへ向かっていった。
最初のセクションで歴史的背景を説明した後、展示会では、主要な地理的位置における芸術の多様性を示し、しばしば主要な後援者に関連している。
3つ目のセクションでは、ブルゴーニュ・フランドル派のアルス・ノーヴァ(ars nova、新芸術)とイタリアのイノベーション(innovation、革新)の中間に位置するフランスの芸術の特殊性について探っていく。
また、南方のプロヴァンスと、画家バーテルミー・デック(Barthélemy d’Eyck)を含む北方芸術の後援者で紹介者だったルネ・ダンジューの役割について、重要なセクションが割かれている。
本展では、シャルル七世の治世下における芸術の多様性を紹介する。
名高い彩色写本、絵画、彫刻、金銀細工、ステンドグラス、タペストリーなどが一堂に会する。コレクションには、シャルル七世の天蓋(ルーヴル美術館所蔵)、ロアン大紀行の写本(フランス国立図書館所蔵)、ルネ・ダンジュー公爵に仕えた画家で『トーナメント本(Livre des tournois)』を彩色したバーテルミー・デックの『エクス(エクス=アン=プロヴァンス)の受胎告知』(フランス国立図書館所蔵)など、貴重な作品も含まれる。
また、アンドレ・ディプレ(André d’Ypres)による『キリストの受難と復活』を描いたパリの三連画(ルーヴル美術館、ゲティ美術館、ファーブル美術館所蔵)の全貌を初めて再現する。
最後に、15世紀フランスでもっとも偉大な画家の一人、ジャン・フーケ(Jean Fouquet)のコーナーが設けられる。天才的な光彩画家であるフーケは、本展で大きく取り上げられるシャルル七世の有名な肖像画(ルーヴル美術館所蔵)を手がけた。
クリュニー美術館で3月12日から開催する「シャルル七世時代のフランスの芸術(LES ARTS EN FRANCE SOUS CHARLES VII)」
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) March 4, 2024
今、プレスリリースを見てるんですが
トリスタン・ル・ルーに登場するエティエンヌくん(Étienne Chevalier)実在してた。しかも死んでない! https://t.co/sfvpYNo8z5
web小説『7番目のシャルル』シリーズ
自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
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