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ラボックの伝記より:幼い息子が語ったある独創的な美しい言葉

ジョン・ラボックの著書を翻訳した『十九世紀の異端化科学者はかく語る』を刊行しました。

\✨拡散希望✨/


ラボックの伝記

前回の続きです。

翻訳するまでの過程と、KDP(Amazonの出版部門)の審査のためにいろいろ調べていたら、おもしろい新発見がふたつありました。

おもしろい新発見ふたつめは…

著者ジョン・ラボックの没後一周忌に刊行された伝記を見つけました。

エッセイが「ラボック視点の意見」だとしたら、伝記はラボックを取り巻く環境や関係者などの客観的なエピソードの宝庫!

やることあるのに、つい我慢できずに読み始めて子供時代〜結婚した辺りまで読了しました。先が長くてキリがないので一時中断。

なにせ、ページ数換算でトリスタンの倍近くある超大作なのです!

伝記では、イートン校時代の成績、家族・友人との手紙、奥さんにプロポーズした日の日記までバラされています。なお、ラボックの一番古い記憶は「ある建物の窓辺からヴィクトリア女王の戴冠式を見たこと」だそうで、時期を調べたら3歳っぽい。

幼い息子が語ったある独創的な美しい言葉

先日(5月27日)にリリースした『十九世紀の異端科学者はかく語る』の訳者序文では、この伝記で知った情報——ラボックの母が日記に書き残した「幼い息子が語ったある独創的な美しい言葉」について引用・紹介しています。

私たちは悪魔の誘惑に抵抗することについて話していました。
ジョンは『ママ、悪魔を憎むのは正しいことだと思う? 僕はそう思わない。僕たちは誰も憎んではいけないと思う』と言い、私が『そうね。悪魔は罪の擬人化で、私たちは罪を憎まなければならない』と答えました。するとジョンは『その通りだよ、ママ。でも悪魔は昔は天使だったんだから、憎むのではなく、いつかまた善良になるように願うべきだと思うんだ』と。
この言葉のあまりの美しさと独創性に、私はこれまで子供が言ったどんな言葉よりも心を打たれました。

作家が伝記執筆のために、ラボックの知り合いにこの話をすると「それは、彼がずっとやってきたことだ!」といって喜んだとか。
これはラボックの本質的な気性であり、エッセイ全体に通底している思考の根源だと感じ、訳者序文で引用しました。

著書について

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボックのエッセイ『The Pleasures of Life』第一部を書籍化しました。
訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろしています。

カクヨム版『19世紀の異端科学者はかく語る』は、Kindle版リリースにともない、序文を残して削除。
代わりに、新章「訳者の感想文」を各話ごとに掲載しています。
翻訳者だって、ひとりの読者として感想書きたい! そんな主旨です。



既刊:アレクサンドル・デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。


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しんの(C.Clarté)
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