【児童書おすすめ】「差別ってなんだろう?」(全3巻)_思いやりでは防げないからこそ、まずは知るところから
みなさま
こんにちは。
新日本出版社です。
こちらのページでは、今年4月に刊行されました「差別ってなんだろう?」(全3巻)の紹介をしていきます。
このシリーズは、児童書では類書の少ない「差別」をテーマにして書かれた調べ学習用の資料です。主に、小学校高学年~中学生を読者対象としてイメージした本造りになっています。
公共図書館や学校図書館、また家庭での学習などに、ご利用いただけますと幸いです。
また、「児童書」ではありつつも、大人の方が読んでも、新しい発見や学びがあるのではないかなと思います。
・ジェンダーイメージはどのように生まれ、社会やわたしたちにどんな影響をあたえているの?
・日本にいる、外国にルーツをもつ人ってどんな人?
・障がいってどんなもの?
さまざまな問いに向き合いながら、差別の実態やその構造を考えます。
シリーズ全体を通して意識したことは、人権や差別に関する歴史的出来事やたたかい、近年の知見を概観しながら、それぞれの差別事象を、読み手の日常生活に引きつけたいということです。具体的には、「共感」や「優しさ」「思いやり」というアプローチではなく、むしろそうしたアプローチの限界や危険性をふまえた上で、基本的人権や社会構造、支配的文化への理解を足がかりにして差別を考える構成にしています。さらに「制度的差別」だけでなく、わたしたちにより身近な先入観や、属性の捉え方と差別の関わりなども見ていきます。
思い込みや偏見についても考えを巡らせる内容だからこそ、イラストレーターさんにも、人物の髪や肌の色、服装や障がいのあり方、ルーツの構成などを多様に描いていただき、同時に属性へのステレオタイプを強化しないような表現を意識していただきました。
差別は歴史的、構造的、社会的に生まれるもので、だれもが差別と無縁ではいられません。同時に、だれもが唯一無二の社会の一員だからこそ、差別には声を上げて良いし、まただれもが差別をなくしていく力をもっています。差別をしない個人、差別を許さない社会をつくるための実践方法を、本シリーズも通してみなさんと模索できれば嬉しいです。ぜひお近くの図書館などでお手に取ってご覧ください。