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第2回 2020/11/21(土) 新刊 『性暴力救援マニュアル』 オンラインシンポジウム開催!


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もしも身近な人から性被害の相談を受けたら、
正しい対応できますか?


魂の殺人といわれる性暴力の被害者にとって正しい対応と必要な支援を実践に即してまとめたポケットブック。

医療者のみならず、当事者、家族、学校関係者、職場関係者、保健関係者など、幅広い読者を対象にわかりやすく解説しました。

性暴力支援に真摯に取り組む、医療者、弁護士、支援者など、それぞれの領域におけるリーダーが集結して執筆した力強い参考書!

本書の出版を記念して、オンラインシンポジウムを開催します!
PART1       11/7(土)   10:00AM〜12:30 ←終了しました
PART2      11/21(土) 10:00AM〜12:30

性暴力被害者のための医療支援を行っている執筆陣による骨太のシンポジウム。どなたでも参加可能、一緒に考えませんか?


本書の執筆陣が本に書ききれなかったこと、
性暴力被害者への支援のポイントなどをわかりやすくレクチャーします。

支援の第一歩は自らが動くこと。
支援が大切だと認めるだけでなく、一緒に一歩を踏み出そう!

PART❶  11/7(土)←終了しました。ご参加の皆さま、ありがとうございました

PART❷  11/21(土)詳細とお申し込みはコチラから↓


以下に本書の序文をご紹介いたします!

序文
性暴力を「なかったこと」にしないために


筆者は産婦人科医として30年,女性を診る医療現場で,
声にならない声に向き合ってきました。
予期せぬ妊娠が性暴力の結果であるにもかかわらず,
産まない選択をした女性が「ごめんなさい」と呟き,自身を責める一方で,
加害者には何の制裁も加えられない。
湧き上がった震えるほどの怒りは,今も心に刻まれています。

性暴力は個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であるにもかかわらず,
司法の場で犯罪として認められ加害者に処罰が与えられるまでの道のりは長く,
容易ではありません。

 2017年,制定から110年を経て刑法強姦罪が改正され,
非親告罪化や構成要件の見直しなどが行われました。

 2018年,被害を受けた人々が回復への一歩を踏み出しやすくするために,
「性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」
が全国47都道府県すべてに設置されました。
 
性犯罪への対応が,歴史的な転換点を迎えたことは確かです。
 
しかし,全国どこでも質の高い対応が受けられるという状況にはまだ遠く,
残念ながら,ワンストップ支援センターでの対応を担う
医師の確保すら十分とはいえません。

女性に対する暴力は公衆衛生上の重大な課題であるにもかかわらず,
医学教育にはその医療対応や被害者の支援に関する教育が一切なく,
女性を診るプロフェッショナルであるはずの産婦人科の診療ガイドラインでも,
性暴力被害への対応を取り扱い始めたのは,わずか数年前のことです。
 
性暴力被害を心身の非常事態として客観的に捉え,
回復への選択肢を示すことができる立場にある
「医療」の果たす役割は大きいと思います。


医療に携わるすべての者は,
健康を取り戻すための選択肢を求めて医療機関を訪れた被害者に対して,
適切な医療を提供するのみならず,
公正な司法判断を導くための材料を見落とすことなく保全する
医学的知識と技術を持つべきであろうと考えます。
 
本書では,性暴力被害を受けた人々に寄り添ってきた
医師や支援者の皆様に,
臨床ですぐに役立つ知識を中心にご執筆いただきました。

裁判を見据えた初動対応や医学的評価,
心身への影響や回復への支援などはもちろん,
支援者に必要な視点や知っておくべき課題も織り交ぜて構成しました。

渾身の思いを込めてご執筆頂いた皆様に,心より感謝申し上げます。
 
臨床の現場での対応マニュアルとして,
これから性暴力被害者の救援に携わろうとする
医療者の皆様のスタートアップとして,
そして性暴力を許さない社会を作り上げたいと願う
すべての皆様との課題共有の材料としてご活用いただき,
「あったこと」を「なかったこと」にしないために
医療ができることを考え,実践し,
性暴力の根絶に向けてともに歩むための一助
となることを心から願っております。  

編者 種部恭子

ただいま、発売中↓


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