本屋さんの「手描きポップ」の力に誘われて。
こんにちは。桜小路いをりです。
私は、本屋さんが大好きです。
それは、四方を本に囲まれた幸せ空間だから……というだけでなく、純粋に、本と読者の橋渡しをしてくれる「本屋さん」という場所が、すごく好き。
そういった意味では、ネットの書店やAmazonで「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」というおすすめを眺めるのも好きです。
あのシステム、新しい本に出会えるのは嬉しいし楽しいけれど、積ん読が増えるのが少しジレンマだったりします。
私が、本以外で、本屋さんでよく見るもの。
それは、「店員さんの手描きポップ」です。
出版社さんのオシャレなものも好きなのですが。
素朴な手描きのものは、整然と印刷された文字が並ぶ空間の中で、特に目を引きます。それが、すごく好きです。
しかも、そのポップが本への愛情に溢れる素敵なものだったら、チョロい私はすぐにその本を持ってレジに足を向けてしまうことも。
(お財布の都合によっては、書名だけ控えて古本屋さんや図書館に頼るときもありますが……)
最近、そんなふうに出会った本のひとつといえば、服部まゆみさんの『この闇と光』。
ご近所の本屋さんにポップが置いてあって、そのあまりの熱量に手に取ってしまいました。
表紙からして、既にダークでぞっとするような耽美な雰囲気。
ぞくぞくするような、人間そのものの怖さを扱ったお話、これまで見えていた世界をひっくり返されるような読書体験がお好きな方におすすめです。
目の見えない主人公「レイア」の視点で展開していく物語は、視覚に頼らない描写だからこそ、独特の闇を感じます。
久しぶりに軽やかに騙されて、ストーリーの構成に「なるほどっ!」となって、私は大満足な1冊でした。
それもこれも、あの手描きポップがなければ出会えなかった世界であり体験です。
この場を借りて、「あのポップを描いてくださった書店員さん、ありがとうございます!」お伝えしたい。
本屋さんって、「出会い」が詰まった場所だと思います。
本との出会い、本に綴られた物語や言葉との出会い、知らなかったモノ、コトとの出会いなどなど。
そんな、「出会い」が溢れる場所だから。
ご縁を結んで、必要な「出会い」の橋渡しをしてくれる場所だから。
私は、本屋さんが大好きです。
これからも、出会い溢れる本屋さんにたくさん通って、大切なご縁をそっと抱きしめていたいなと思います。