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邪魔神(怪談投稿者)※無断転載禁止しています。朗読フリーの作品もあります。
2024年10月12日 02:30
「その祠を壊してはならない」祖父のセリフに俺は思わず、内心で笑い声をあげた。 随分とありきたりなことを言う。 言われなくたって、そんな古めかしい祠に興味なんてない。 俺は毎年、田舎に行くがそもそも近づいたことだって一度もない。そうして俺は成人し、いつの間にか言われなくなった。ある日、仏間の前を通りかかると中から声が聞こえた。「その祠を壊してはならない。絶対に」なんかセリフが
2023年6月15日 21:55
※怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第三回目にて「ゲスト賞」として読んで頂きました。私の家には一本の傘があります。祖父の遺品である特注品の和傘。生前の祖父がそれはそれは大事にしていたものでした。木造家屋の平屋に住み、和装を好んだ祖父でしたが、なにより好んだのは雨の日の散歩でした。多くの人には陰鬱になる鈍色(にびいろ)の空も、空気を重たくするそのじめじめとした雰囲気でさえ、祖父は趣き深く感