トレーニングの中で、ペナルティを与える必要性はあるのか
こんにちは、守屋です。
あるジュニア年代のスクールを見学する機会があり、様子を見ていると指導者のこんな声が聞こえてきました。
「5グループに分かれてコーンまで走って戻ってくる。を5往復。ビリ2組はペナルティ。」
そんな指導者の指示と共に子供からは悲鳴が聞こえ、
「だったら全力で負けないように走れよ!いいな!」
と笛が鳴り走り始めていました。
子供の競争意識を奮い立たせるためのペナルティは、本当に効果があるのか
自分も子供の頃、試合に負ければ走らされることやトレーニング中に競争するシーンではビリのグループがペナルティとして走らされる、筋トレなど多くさせられるということがありました。
当時は確かにペナルティがあるということを指示されれば、競争心から絶対に勝ってやろうと思う自分がいたのもまた事実です。
ですが、多くの子供にとってはペナルティは競争心に火がつくものではなく単純に「嫌なもの」と受け止めるのが一般的ではないでしょうか。
褒める指導より、ペナルティというプチパワハラを与えることが蔓延している組織
「褒める」は簡単そうで難しいものです。なぜならちゃんと子供を見ていなければ、
「この部分が良かった。」
「〇〇の時の身体の動かし方は良かった。」
という風に具体的に伝えることが出来ないからです。
逆にペナルティを与えるというのは、子供をちゃんと見ていなかったとしても実行することが出来ます。
「なんで走らされているか自分で考えろ。」
「俺の言うことを聞かないから走るはめになるんだぞ。」
など、パワハラに近い形で明確な答えを伝えることもなく子供を制圧することが可能となります。その結果として子供は、
「指導者のご機嫌が一番大事。」
「自分の考えを主張するよりコーチのいうことに従うほうが身の安全を確保できる。」
「楽しくやるより、コーチに気に入られなければレギュラーにはなれないしペナルティが待っている。」
という思考が構築され始め、大人になったときにはイエスマンとして社会に登場することになります。
現場にはそれぞれの事情があり、口で言うのは簡単だということも理解しています。ですがやはり、ペナルティを与えるような指導の現場には大人のエゴが隠されているように感じてしまいます。
ぜひ、子供にとって少なくとも「空気を読んで大人のイエスマンとなる」ような環境だけは、今後増やしてはいけないのではないでしょうか。
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