献血の前に


30回以上献血をしている。
献血前に採血してデータを取るのだが、5、6回に1回くらい「あー血が薄いわコレ、人にあげてる場合じゃない、今日は受けちゃダメ」と言われる。もっとていねいな言い方ですけど。

先日ひさしぶりに血が薄くて献血を断られ「ちゃんと食べてますか?」と採血してくれた看護師さんに訊かれた。
「先月の数値はよかったのに今回下がってますよ。どうしたんですか」と。


献血したい意思をねぎらう参加賞的チョコレート(献血してもしなくてもいただける)をもらって帰る。おいしいです。
ほんとは私がおすそ分けしたかったのにすみません。
採血検査してくれた看護師さんにお手間をかけました。


5、6回に1回くらい断られるたびに思う。
人の役にたちたい欲求は自分の体を機能させてこそだなと。


たとえば飛行機に乗っていて、異常事態発生。
天井から酸素マスクがいっせいに降りてきた、隣には子ども。
そんなシチュエーションにおいて「我が子より真っ先に親が酸素マスクを装着しなければならない」と本で読んだことがある。
他者の命を助けようとするとき、自分自身の命をまず生かすのが大前提。


私は私の命を生かしながら「健康であること」で誰かの役に立とうとしている。
「不健全な自己犠牲にはまらないようにね」と血液データに教えてもらう。

利他の精神は大切だけど、利他の心(たましい)が宿るのはこの体。
なのに血が薄いってよ。
命のおすそ分けするためにも血を濃く体調を整えて、暖かくなる前にまた献血にいこう。
エゴどうの役立ちたい欲求どうのを満たしたいならなおさら守ったほうがいい順番だ。命を助けるシンプルな順番。

肉と魚と納豆とごはんとみそ汁食べよう。水を飲もう。眠ろう。





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