国際派遣レポート③チェンジマネジメント(チェンマネ)の実施段階、結語
皆様
こんにちは!オピニオンリーダーのKT(佐藤慧)です!
レポート②では、チェンマネを形作る四要素について触れ、実際に各社の言葉も引用しながらご紹介をいたしました。本レポートでは、各社発表からの気づきとしてチェンマネの実施段階に関する洞察を得たのでそのご紹介をします。
本投稿のアジェンダは下記となっておりますので、気になるところから読み進めていただけますと幸いです。
―1.導入/背景
―2.Employee Experience(EX)の重要性
―3.Employee Experience(EX)が向上する構造
―4.チェンジマネジメント(チェンマネ)の四要素
―5.チェンジマネジメント(チェンマネ)の実施段階
―6.結語
導入/背景、Employee Experience (EX)の重要性、Employee Experience (EX)が向上する構造についての記事はこちら👇
チェンジマネジメント(チェンマネ)の四要素についての記事はこちら👇
5.チェンジマネジメント(チェンマネ)の実施段階
各社のコメントを受けて、チェンマネには下記図の通り、いくつかのフェーズがあるように感じられました(各社のコメントを受けて筆者作成)。
まず、対応時点としては、現在(Now)と稼働後(Post Go Live)のタイミングがあり対応の内容としては従来との変更点に対するチェンマネ、Go Live直後に既存の問題解決にあたるハイパーケア、そして、継続的な浸透のためのチェンマネと、棚上げしていたものの新規追加/変更分に対してのチェンマネがあると整理をしました。
中でも、図内にて赤字で示している、「継続的な浸透のためのチェンマネ」と、「棚上げしていたものの新規追加/変更分に対してのチェンマネ」は我々がしばしば忘れがちなことではないかと思います。
そもそも、プロジェクトの性質上、アジャイルやMVP的な進め方に沿い、最低限のスコープで素早くプロジェクトを推進する傾向にあり、必然的にGo Live以降に検討対象が棚上げされる点は、チェンマネにおいては意外と盲点になりうると考えています。
Go Liveまでの検討リソースには制限があることを踏まえても、後の追加対応を考えると全体計画やプロジェクト内での検討対象に変更が発生したり、後回しにする案件が増えたりした場合には、併せてチェンマネの行動計画見直しを行うことが無難な動きになりそうです。
また、システムのGo Liveを迎えてプロジェクトが完遂するわけではなく、継続的な浸透のためのチェンマネ・コミュニケーションが必要であるという点も、しばしばチェンマネの観点では盲点になると考えられます。
この点も、Go Liveを迎えた多くの企業から指摘されていた点で、現在検討を進めている企業にも参考になる点かと思います。
継続的な対応の重要性に触れていた点として、
といったような印象的なフレーズが出ていました。
一貫したメッセージを何度も伝える必要があることから、どうしても途中で機械的なメッセージングになりがちなことを揶揄してのフレーズですが、皆様の中にも思い当たる節はないでしょうか。
一回大きな説明会を開催して、理解してもらえた!と思うのは、やはり傲慢なのでしょう。
プロジェクトの成功に直結するユーザーの理解向上については、現在時点だけではなく、フェーズ毎に区切りながら、不断の改善を心がけ、泥臭く着実にコミュニケーションを実践することが重要であると考えられます。
6.結語
今回触れたチェンマネに関しては、既にご存じの方も多いかなと思いつつ、SF導入の経験に基づいた体系的な話は従前明らかにされてこなかったように思います。
一見当然のことのようにみえる要素からも改めての気づきを持ち帰っていただけましたら本望です。
また、今回の大きなポイントとして、既にSF稼働を迎えている多くのグローバル企業が口をそろえて持続的なコミュニケーションの重要性を主張していたという事実からも、改めてチェンマネの重要性を知ると共に、まだ検討を進めている会社ではなかなか気づくことが難しい盲点もさらいながら、俯瞰して検討を進めることができるきっかけになるのではと考えています。
是非皆様の経験や実践知についてもご共有ください!
KT(佐藤慧)
[1] ゲシュタンプ・オートモシオン(スペイン語: Gestamp Automoción)は、スペインのマドリードに本社を置く自動車プレス部品メーカー。
[2] ダノン(仏: Danone S.A.)はフランスの多国籍食品企業。パリに本社を置き、ユーロネクスト・パリに上場している。ヨーグルトやミネラルウォーター、シリアル食品やビスケットなどの製品を世界的に製造・販売している。