ブックレビュー「4 Focus 〜脳が冴えわたる4つの集中〜」/青砥瑞人
この本は青砥瑞人さんのファンなので買いましたw
本のテーマは「集中」。
脳神経科学からみた集中とはどんなものなのか!?
構成
本の構成は、
序章 不可能を可能にする「想像的な集中」
1章 「集中できる脳」が人生を豊かにする
2章 なぜ私たちは集中が続かないのか?
3章 脳神経科学から見る「4つの集中」
4章 最高の集中を生むエナジーシステム
となってます。
概観
一番多くページが割かれているのが、タイトルにもなっている3章の「4つの集中」の部分です。
脳神経科学の観点からみた集中は興味深く印象に残る部分でした!
全体的に、専門的な用語や難しい話はそんなに多くなく、日常で取り組める方法や対処法などが書かれているので読みやすいと思います!
知識を得て終わるのではなく、実践して会得してもらおうという内容になってます!
著者について
青砥瑞人さんは、スポーツで挫折し高校中退、フリーターからアメリカのUCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)に入学という飛躍的な経歴の持ち主です。
卒業後、自身が代表のDAncingEinsteinを立ち上げ、教育関連や企業とのコラボ、アート、健康、スポーツ、文化づくりなど、神経科学の知見を応用して垣根を超えた多様な活動をされています。
他著書には「BRAIN DRIVEN」「HAPPY STRESS ストレスがあなたの脳を進化させる」「最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方 」があります。
青砥さんは、脳のことを話している時とにかく楽しいそうで活き活きとしてますw
本人も「脳ヲタク」と言っていますが、本当に好きなのが見ていても伝わってきます!
序章 不可能を可能にする「想像的な集中」
序章は、野球一筋だった青砥さんが挫折して野球を辞め、高校も中退しフリーターになり、そこからカルフォルニア大学ロサンゼルス校の入学にまで至った経緯などの自己紹介的・自伝的な内容になっています。
挫折し、人生の目的を失った状況から脳にのめり込む事になった原体験やそこからの驚異的な学びの経緯は、本のテーマである「集中」の重要性や何かに取り組む姿勢の下地となるマインドセットの説得力になってます。
1章 「集中できる脳」が人生を豊かにする
この章では、脳の性質や特性、原則や仕組みといった、脳神経科学的な内容が書かれています。
脳の性質や仕組みの理解によって、集中や集中力への理解が深まって、色んなことに応用できる内容になってます!
2章 なぜ私たちは集中が続かないのか?
この章では、集中・集中力の仕組みと対処法が書かれています。
中でも重要なのは、脳の「心理的安全状態」だと云います。
集中をするには「心理的安全状態」が前提になるので、「心理的危険状態」に気づき回避・対処する必要があるとのこと。
気づきを得る方法や呼吸法といった対処法が書かれています!
3章 脳神経科学から見る「4つの集中」
青砥さんは、脳神経科学的に集中は4つに分類できると言います!
それを、
入門集中
記銘集中
自在集中
俯瞰集中
と名付けています。
それら4つの集中は意識の向いている状態が、
「外」or「内」か?
「狭く」or「広く」?
で分類しています!
一般的に言う集中は入門集中に当たり、集中をその1つだけで捉えていたのでは脳のポテンシャルを活かせないので勿体ないと云います!
入門集中
入門集中とは、「外に、狭い」集中を指します。
仕事や勉強など外側の特定の対象に向むけた集中で、一般的に集中を言う時にイメージする集中です。
何か新しい情報を取り込もうとしている時の集中状態を表わしたものです!
入門集中は、単純作業や情報処理作業などの明確な対象を次々こなしたり、人や授業など話を深く理解する時に役立ちます。
記銘集中
記銘集中とは、「内に、狭い」集中です。
考え事や悩み事、アイデア出しなどで目を瞑って考えている時や過去の記憶を思い出したりしている時を指します。
自分の内側に注意や意識を向けて思考している状態を云います。
脳神経科学的には記銘集中は、新しく取り込んだ情報や記憶の浅いものを深く記憶定着させていくのに役立つそうです!
自在集中
自在集中とは、「内に、広い」集中です。
ながら状態のような何かを無意識的にしている時や、ぼんやりしているような状態の時を指します。
ぼーっとしているとも言える状態の脳は、たくさんの脳部位が活動しているらしく、それも集中状態と言えるとのこと!
散歩してる時や頭を洗っている時、皿洗いをしている時など、何かしている時にふとアイデアが閃いたなんて時が自在集中で、クリエティブなパフォーマンスを導く集中になります!
俯瞰集中
俯瞰集中とは、「外に、広い」集中です。
広く全体に注意を向けながら、複数のタスクを行っている状態を指します。
自転車に乗るのに初めは、乗ることに意識や注意の殆どが向けていたけど、乗れるようになると運転しながら周りを見たり考え事をしたりしている時の状態を云います。
俯瞰集中状態になるには、入門集中や記銘集中で記憶の積み重ねが必要になります。
深い記憶定着の末に意識せずとも身体が勝手に動いてくれて、他の事に意識が向けられたり、身体を動かすことが出来るということです!
4章 最高の集中を生むエナジーシステム
この章では、「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「ベータ・エンドルフィン」という3つの神経伝達物質ついて書かれています!
好奇心や興味から集中が駆動する「ドーパミン」
納期や期限などの制約、プレッシャーなど、軽度のストレスから集中が駆動する「ノルアドレナリン」
脳のストレスを軽減させ集中状態を持続させる「ベータ・エンドルフィン」
それら3つの神経伝達物質の特徴を理解することで、集中への導入の仕方や集中の質向上、持続力の高め方を知ることができます!
おわり
集中という捉え所がなく抽象的なものへの理解が深まって、具体的なイメージを得ることが出来るようになるのがこの本の素晴らしいところだと思います!
「集中」への理解は、学びや遊びなど、人生のパフォーマンス向上になるということですね!!
このブログがお役に立てたなら幸いです。
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