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歩きスマホはしない

スマホ(スマートフォン)の扱いにかなり気を使うようになりました。

スマホは「ながら」が得意です。
歩きながら音楽を聴く、歩きながら地図を確認する、note を書きながら音楽を聴く、歩きながらチャットの通知に目を通す、etc...。

そして「ながら」をするためにスマホに目を向けると色んな通知が入ってきています。するとそれまで行っていたことを忘れてその通知にアテンション(注意)を奪われたりします。SNSやチャット、ニュースサイトの通知などに誘われてタスクが中断されたことは数えきれない程あります。

「ながら」をフックにして、アテンションを自分に向けさせる。スマホはそういう奴です。

もちろん非常に有用な面もたくさんあり、スマホで助かっている部分も多々ありますが、弊害が徐々に見過ごせなくなってきました。

いま、ここに集中していない。スマホの弊害は端的に表現すればこうなります。

・目の前にいる人との会話よりスマホの向う側にいる人とのコミュニケーションを優先させる。
・歩くことに集中していない。ので、人とぶつかったり、危険を察知して避けたり、困っている人のサインを見逃したりする。
・音楽もラジオも聞いているようで聞いていないし、味わえていない。
・SNS に写真をアップすることを優先して、目の前のリアルな感動を味わっていない(すぐに食べるのが最も美味しい料理を食べる時間が遅くなるとか、雄大な風景を自分の目で見ずにスマホのファインダー越しで見るとか)。
・何かの作業中に SNS が気になって確認する。チャットが割り込んでくる。
・etc...

要するに気が散っているのです、四六時中。これでまともにタスクをこなせるわけがありません(不思議なのは、集中の重要さをよく知っているエンジニアが、電話や同僚の割り込みには不快感を示すのに、スマホや SNS、チャットの割り込みには寛容であったりすることです)。

これは何度か言っていますが、人間はマルチタスクができるように設計されていません。やれているように見えるのは単に切り替えが多発しているだけです。タスクスイッチャーなのです。そして切り替えのコストはゼロではありませんから、必ずシングルタスクで進めるよりもコストがかかり、品質は下がるのです。

犬の散歩をするとよくわかるのですが、音楽やラジオを聴きながら散歩をすると、ヒヤッとする場面の遭遇率が上がります。たとえ片耳だけで聞いていてもそうなのです。片耳だけで聞いている場合、情報量としては増えているわけですが(聴覚を含めた5感+音楽やラジオの情報)、危険回避、危険察知能力は低下します。散歩という行動に対する集中が落ちるからです。このことを自覚してから散歩中は何も聴かなくなりました。

犬がいない人は、例えば、お店のレジで片耳はイヤホンで何かを聴きながら会計をするとお店の人の話もイヤホンで聞いている内容もどちらもよくわからないという経験をしたことはないでしょうか?注意が分散して集中が途切れるとこういう現象は簡単に起こるのです。

歩きスマホをする人は、自分は見えているし、気配を感じ取れるから、人とぶつかったりしないと思っているでしょう。しかし、注意が分散している状態がいかにあてにならないパフォーマンスに私達を劣化させるかをわかっていれば危険性がよくわかります。注意が分散していると反応が一瞬遅れます。そして、その一瞬が命とりのこともままあるのです

ということで、私はスマホを最近以下のように運用しています。

・アプリの通知は必要最小限にして、なるべくきる
・歩きながら音楽やラジオを聴かない
・食事しながら音楽やラジオを聴かない
・読書をしながら( Kindle 含む)音楽やラジオを聴かない
・スマホの操作(地図で道を調べる時とか)は止まって行う
・他者と食事を取るときはスマホの電源をOffにするか、持っていかない
・チャットや SNS は必要な時しか立ち上げない

歩きスマホをしてしまう人。あなたがこれまで人とぶつかったり、事故を起こさなかったのは単に運がよかっただけです。または、周りの人が避けてくれていただけです。続けていればいつかその日がきてしまうでしょう。

自分は大丈夫、と思わず。スマホを触るときは立ち止まってください。

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