アーセナルの下部組織で活躍した選手の現在
プレミアリーグの強豪の1つであるアーセナル。若い選手が中心となっているチームであり、日本人のファンも多い。特にイングランド代表のブカヨ・サカは22歳ながらチームの中心として活躍している。
現在大活躍のブカヨ・サカをはじめ、トニー・アダムス、マーティン・キーオン、アシュリー・コール、セルジュ・ニャブリ、ヴォイツェフ・シュチェスニなどなど多くの名選手を輩出してきたのがアーセナルの下部組織だ。
どのクラブのサポーターもそうだが、下部組織出身の選手の活躍をファンは熱望している。特にアーセナルのような人気のあるクラブは尚更で、待ちきれないファンのために、都度都度、有望な若手選手にスポットライトを当てた記事が量産されている。
今回は2018年のこちらの記事で紹介されていた期待の若手の現在を確認していこうと思う。
1.ステフィー・マヴィディディ
イングランド出身で前線での活躍を紹介されていた同選手。記事からわずか4ヶ月後にユベントスの下部組織(セリエC所属)に移籍し、ユベントスのトップチームにもデビューしている。その後、ディジョン(リーグアン)を経てモンペリエ(リーグアン)で活躍し、今季はレスター(チャンピオンシップ)に加入。5年ぶりにイングランドに帰ってきた。
アーセナルでのトップチームデビューは出来なかったが、来季アーセナルの強敵になる可能性の高い選手だ。
2.ジョアン・ヴィルジーニャ
記事によれば16歳にしてリオ・オリンピックポルトガル代表に選ばれたGK。2018年夏にエヴァートン(プレミアリーグ)に移籍し、レディング(チャンピオンシップ)のレンタルを経て2020年にトップチームに昇格した。その後はセカンド・ゴールキーパーとして定着し、2021年のバーンリー戦でプレミアデビューを果たす。2021年夏にはスポルティング(プリメイラ)に、2022年にはカンブール(エールディビジ)にレンタル移籍した。
今季のアーセナル戦ではベンチに座っていた。
3.ケレチ・ヌワカリ
U17ワールドカップの活躍より、2016年にアーセナルに加入した同選手。オランダのMVVやVVV、ポルトBのレンタルを経て、2019年にウエスカ(当時セグンダ)に完全移籍した。ウエスカでは29試合の出場が確認できた他、スペイン2部のアルコンコンにレンタルしていたようだ。2022年はスペイン2部のポンフェルラディーナに遺跡し、36試合出場した。
今季はポルトガル1部のシャヴェスに所属している。
4.ヴラド・ドラゴミール
トップ下で躍動するU19ルーマニア代表として紹介された彼は、他のこういった類の記事でもちょくちょく名前を見かけたと思う。なにせ、ガーディアン紙に1999年生まれの最も優秀な若手選手60人にも選ばれていたのだから。アーセナル在籍時はそのプレイスタイルはヴェンゲル監督がウィルシャーに例えるほどだった。
2015年に地元ルーマニアのチームから引き抜かれ、アーセナルの下部組織でそれなりに出場するも、2018年に契約終了となった。
2018年からはセリエBのペルージャに所属するも、2020年にチームの降格に伴ってか、2021年からは当時セリエBのヴィルトゥス・エンテッラに移籍した。
2021年からはキプロス1部リーグに所属するパフォスFCに移籍し、2023年現在も同チームで活躍している。
5.ジョルディ・オセイ=トゥトゥ
2015年にレディングのアカデミーから引き抜かれた右サイドバックで、ヨーロッパリーグにも帯同した。
2019年にブンデスリーガ2部のボーフムに武者修行し、親善試合で人種差別を受けるも、21試合5得点という結構な活躍をした。
翌年、アーセナルは彼をチャンピオンシップのカーディフ・シティにレンタルさせるも、加入早々、ハムストリングに重傷を負ってしまう。
2021年には当時チャンピオンシップのノッティンガムフォレストにレンタルされるも再び怪我で離脱してしまう。
2022年はイングランド3部のロザラム・ユナイテッドにレンタル移籍し、シーズン終了まで活動した。
こうして様々なチームをレンタルで回ったオセイ=トゥトゥだったが、2022年にアーセナルとの契約を終了すると、フリートランスファーで文ですリーガ1部に昇格していたボーフムに返り咲き、20試合に出場。ボーフムは日本代表の浅野拓磨が所属しており、浅野はかつてアーセナルに所属していたことからかつての同僚との再会となった(お互い、レンタル組だったこともあり、アーセナル時代に面識があったとは思えないが)
6.ベン・シーフ
2014年にウェストハムからアーセナルのユースに加入したシーフは例のごとくヴェンゲル監督からも称賛を受けていた。そして、上記の記事にあるように、ヨーロッパリーグのレッドスター戦では89分から投入され、トップチームのデビューを果たすなど、その期待度は相当高かったことだろう。
2018年、イングランド4部のスティヴネイジにレンタル移籍され、10試合に出場した。
2019年はイングランド3部のドンカスター・ローバーズにローンに出され、翌年はチャンピオンシップのコヴェントリー・シティに移籍するなど、順調に武者修行を重ねていた。
もっとも、2020年の移籍は買取オプション付きであり、アーセナルの構想からは外れていたのだろう。結局、2021年からコヴェントリー・シティに完全移籍した。
もっとも、2020年以降、コヴェントリー・シティでは30試合以上に出場している。仮に、コヴェントリー・シティがプレミアリーグに昇格すれば強敵としてアーセナルに立ちはだかってくれるだろう。
7.ジョー・ウィロック
ここにきて知名度の高い選手の登場だ。2018年の時点でトップチームの契約を結んでいた時点で上記選手たちとは一線を画していたように見えるが。
2019年には29試合に出場し、2020年にレンタルで加入したニューカッスルで月間最優秀選手に選ばれ、そのまま完全移籍すると、現在までプレミアリーグで活躍し続けている。
8.エミール・スミス=ロウ
説明不要だろう。
2018年、17歳にしてトップチームに帯同するとヨーロッパリーグで得点を決めるなど、超新星として期待が高かった時期に書かれたのが上記記事だろう。もっとも、ライプツィヒにレンタルされるも怪我に苦しむなど、決して順風満帆といかなかったのも事実だ。
2020年以降はトップチームで活躍し、特に2021年は飛躍の年となった。
2023年はけがの治療に専念していたが、今後はどうなるか。
9.リース・ネルソン
2007年にアーセナルの下部組織で注目され続けたリース・ネルソン。
上記記事で紹介されてから4か月後にホッフェンハイム(ブンデスリーガ)にレンタル移籍して7得点を挙げたのを記憶してる人も多いのではなかろうか。
もっとも、その後は怪我に悩まされフェイノールドにレンタルするも十分に活躍できず、毎年、移籍の時期になると放出候補として名前が挙げられるようになってしまった。
ただし、2023年は契約を延長して試合に出れば活躍してくれる印象だ。
10.エディ・エンケティア
こちらも現在、トップチームで活躍している選手だ。
2019年にチャンピオンシップのリーズ・ユナイテッドにレンタルで出された以外はトップチームで一定の出場機会を得ており、現在のアーセナルにとって必要不可欠な選手だ。
まとめ
そもそも、この記事が出た時点では、後半のウィロック、スミス=ロウ、ネルソン、エンケティアはトップチームでも出場機会を得ており、若手の中でも知名度は高い部類であった。そして、この4名は出場機会に差こそあれ、プレミアリーグにおいてコンスタントに出場できており、その活躍は現在も知られているところでる。
一方で、それ以外の6名は結果としてアーセナルのトップチームでポジション争いに関われなかったといえる。しかしながら、マヴィディディやオセイ=トゥトゥは今となっては意外なところで活躍しているし、エヴァートンのセカンドゴールキーパーがアーセナルの有望株だったことも興味深い。
大成とまではいわなくても、全員が比較的、サッカー選手として成功していることは、サポーターとして非常に喜ばしいことである。
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