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小さな三代目企業の職人軍団教科書なきイノベーション戦記

今日も読後感想文です。

本の目次
・すべての思い込みに「ノー」を!
・女性を3倍速でスター職人に育成
・国宝級のダイバーシティ
・自衛隊の駐屯地に「金の卵」を求めて突入
・リンゴ農家のおばあちゃんに学ぶ
・粗利が業界標準の2倍に
・京都の清水寺で入社式
・お母さんたちを動かした渾身のプレゼン
・「1000人に1人」になる思考法
・できることから始めてみる
・スマホとロボットで生産性のジレンマを突破

奥さんの実家である塗装会社 竹延に入社、後継者として社内の改革を行う話でした。メールすらない中小企業で、最初は当たり前のことを当たり前に改善していくことから始まり、職人の成長を3倍速に、女性や外国人の採用、自衛隊の退役隊員を採用、など次々とイノベーションを起こしていく姿が印象的で、半日で読み切ってしまいました。

いまでこそダイバシティの実現とよく言われますが、障害者雇用や女性幹部適用など数値目標が立てられ形だけのダイバシティが横行していると思います。この会社は言葉の意味を知らずして、閉鎖的な建築業界にも関わらず、必然的に女性や外国人の雇用を行ってきたとのことで、新しい視点や思考で既存の仕事を見直すことで新たな発見が生まれるという好循環が得られているそうです。

ふとすると同じ属性の人間で周りを固めてしまうことはよくあるかもしれません。楽かもしれませんが、化学反応は起きません。このような多様性の重要さを今一度感じることが出来ました。

また、スリラーイノベーションというキーワードが印象的でした。塗装の代わりに磁器タイルにて高級感を出すことがあるそうですが、タイルを貼る作業が危険、地震が起こると落下事故が起こる、建築基準法の改定により10年に1度の打診などの調査が義務付けれられるなど巨額の費用がかかるそうです。その代わりとして、塗装によってタイルの見た目を実現するKEPTという製品、これは休眠特許を活用して実現したとのことです。国内の有効特許の5割はビジネス上使用されていない休眠特許といわれており、活用されることで所有者・利用者お互いにWin-Winとなるものであると思います。

最近は職人の技能の継承のため、職人ノウハウの伝承アプリや塗装ロボットの開発などを手掛けているそうです。ともすればロボットに職が奪われるという議論に発展、現場からは否定されそうですが、職人は最終仕上げなどれ以上の付加価値の高い作業に集中できるなど、必ずメリットがあるはずです。まだ「はじめの一歩」とのことですが、根気よく続けて未来を創造してほしいと強く思いました。

それでは。また覗いてください!

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