乳幼児期に伸ばしたい3つの能力
我ながらありきたりなタイトル(笑)
乳幼児期に伸ばしたい能力はコレ!なんてよく聞きますけど、種類が多すぎてわからなくなってきませんか?人によって言ってることもバラバラだし、まとまりのない情報ばかり。
ここではそれを網羅してみました!
乳幼児期に重要なのは、
認知能力
非認知能力
知識・技能
を伸ばしてあげること。たったこれだけ。
ただし、どれが欠けてもいけません 。
現代教育の目標というのは、国は違えどほとんどがこれらの分類に当てはまります。フィンランド、ニュージーランド、スウェーデンなど、教育先進国と呼ばれるような国々でも同様です(e.g., Finnish NAfE,2018; New Zealand MoE, 2017; Swedish NAfE, 2019)。
それぞれ簡単にまとめてみました。
認知能力とは?
認知能力(Cognitive Abilities)とは、いわゆる頭の良さのこと。知能(Intelligence)と呼ばれることもあります。日本でも知られている知能指数(IQ)は基準のひとつ。
認知能力は、
言語理解(わかること)
知覚推理(考えること)
短期記憶(憶えること)
などにわけられます。
ほとんど遺伝じゃないの?と思うかもしれませんが、子どもであれば伸ばすことができます。しかし!乳幼児期に伸ばしてあげるのが理想(Kautz et al., 2014; Knudsen et al., 2006)
非認知能力とは?
いくら頭が良くても、使いこなせなかったら意味ないですよね ! これを決めるのが、非認知能力(Non-cognitive Abilities)。いわゆる性格のようなもの。場合によっては、性格特性(Personality Traits)や学びの構え(Learning Dispositions)と呼ばれることもあります。
非認知能力は、
忍耐力(継続する力)
社会性(協力する力)
創造力(発想する力)
などにわけられます。
認知能力の重要性は昔から知られていた一方、非認知能力の重要性が知られるようになってきたのはここ最近のようです(Campbell et al., 2014; Heckman et al., 2010b)。
これも認知能力と同じように、乳幼児期に伸びやすいと言われています(Campbell et al., 2014; Heckman et al., 2010b)
知識と技能とは?
認知能力と非認知能力が合わさって生まれてくるのが、知識(Knowledge)と技能(Skills)です。定義によって様々ですが、どちらも「学び」を通して獲得されるという点では共通しています。学力(Academic Achievement)は基準のひとつ。日本保育で言うところの「気づき」もここにつながります。
それぞれ、
知識=知っているもの
技能=身についたもの
という点で区別されます。
言語習得においても同様。語彙や文法などの「知識」と、それを言葉として発音したり書いたりする「技能」の両方が必要となります。極端な例だと、運動によって発達した筋肉も「技能」に分類されます。
現代では学力のような基準は古いと言われたりもしますが、知識と技能そのものが必要なくなったわけではありません。学力自体も人生を左右してしまうような指標にはなります(de Brey et al., 2021)。
知っているもの身についたものが増えれば生活がより豊かになっていく、というのは至極当然かもしれませんね。「学び」に年齢制限はありませんが、乳幼児期に強要するのは良くありません。
どれも大事!
ここまでに解説した「認知能力」「非認知能力」「知識・技能」それぞれを育ててあげることで子どもの可能性が広がります。
車の運転に例えるなら、
認知能力=車体
非認知能力=運転手
知識・技術=走行距離
と言ったところでしょうか。
どれだけ優れた車体であっても、運転手に根気がなければ走行距離は伸びません。反対にどれだけ根気のある運転手でも車体が壊れてしまったら、思っていたように走行距離が伸びずにあきらめてしまうかもしれません。走行距離に何の意味があるのかは人それぞれですが、目的地があるのならそこに向かって走らなければいけません。
もちろん不確定要素(家庭環境、遺伝子、国の文化など)もたくさんあるので、子どもひとりひとりに合わせてあげられるのが理想。
保育園や学校だけでなく、家庭でもできることはいくらでもあります!
具体的にどうやって伸ばしてあげたらいいのか、については別の記事にまとめたので読んでもらえれたら嬉しいです。
ではまたっ