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抱き癖はつけた方がいいって本当?

「抱き癖はつけた方がいい」って聞いたことありますか?これが子育ての新常識 !とまで言われるようになっているんだとか。

抱っこしないとサイレントベイビーになる、コミュニケーション能力が低くなる、という結果ばかり強調されますが、大切なのはそのプロセス。

愛着という基礎を知らないと意味がありません !

その理由について解説します。


「愛着」って何?

愛着とは、子どもと親の信頼関係のこと(Bowlby, 1969)。長年研究されてきたものなので、聞いたことある!という人も多いのでは?

なんでこれが大切なのかというと、乳幼児期の愛着形成がそのあとの人生にまで影響が出ることがわかってきたからです。おそろしいですよね !

有名なのはアメリカのミネソタ大学のおよそ30年間にもわたる追跡調査。この調査によると、1歳児の時点で愛着がうまくできていた子どもたちは、そうでない子どもたちよりも、思いやりがあって、集中できて、好奇心があって、粘り強くて、高校卒業率も高かったそうです(Sroufe et al., 2005)。

愛着の大切さはそのあとも多くの教育学研究から明らかになってきました。

論文69本(N=5947)というデータのメタ分析でも、愛着がうまくできなかった子どもは問題行動を抱える確率が高くなると報告されています(Fearon et al., 2010)。

裏を返すと、親と子どもの信頼関係は自然とできあがるものじゃなく、親が築きあげていくべき!という認識に変わったんです。

このような背景もあって、愛着の大切さが知られるようになりました。


抱き癖はつけた方がいいは嘘?

この愛着の大切さが間違って伝えられることがよくあります。「抱き癖はつけた方がいい」というのもそのひとつです。

もともとは、抱き癖を心配すると愛着形成ができなくなるのでは?という意味なんです。これが大げさに伝わっていると思いませんか?

抱っこはそこまで重要じゃないんです !

本当に重要なのは、子どもが愛情を感じられているか、そして結果として愛着形成ができているか、という点です。

これを知らないと、極端な例ですが、抱き癖がついているのに愛着形成はできなかった、ということが起きてしまうかも。

それでは意味ないですよね?

そして同様に、子どもがたっぷりと愛情を感じられているんだったら無理に抱っこしなくてもいいんです。

子どもからの拒否反応に気付かず「抱っこしなきゃ !」と無理矢理してしまうと逆効果になってしまうかもしれません。


その他の愛情表現

抱っこ以外に何があるの?という人のためにいくつかまとめてみました。

◎ 膝の上に乗せる
別に抱きかかえなくても大丈夫なんです。
腰をいたわってください!

◎ 目線を合わせる
はいはいミルクね!と作業みたいになってませんか?言葉がまだわからない赤ちゃんにとって、アイコンタクトはわかりやすい愛情表現です。

◎ 声をかける
疲れてくると口数が減ってしまいますよね。だけどそれが癖になるのはまずいかも!言葉の意味はわからなくても声は聞きわけています。ちょっと休憩したら声をかけてあげてください。


最後に

抱っこはあくまで愛情表現のひとつです。

大切なのは、抱っこすることではなく、子どもとの信頼関係ができているかどうか。この基礎を知らずに「抱き癖はつけた方がいい」を取り入れても意味がありません。

ありふれた言葉かもしれませんが、子どもが愛情をたっぷり感じられる子育てが大切ってことなんです。無理に抱っこしなくても大丈夫!自然体でいいんですよ!

この記事を読んで少しでも気が楽になったという人がいたら嬉しいです。

ではまたっ

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