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読み聞かせは○○がないと無意味!

子どもには絵本を読み聞かせるのが良い!なんてよく聞きますが、その方法についてはあまり広まっていませんよね。

抑揚をつけたり、感情を込めたり、逆に淡々と読み進めたり、いろんな情報が出回っているような気がしませんか?しかもどれが昔の間違った知識なのかも曖昧だったりします。

最近の教育学研究によると、読み聞かせにおいて何が重要なのか段々とわかってきました。

結論から言うと、重要なのは会話です。

これを意識しないと、まったく効果のない読み聞かせになってるかも。

ポイントをまとめました。


なんで絵本なのか

そもそも絵本じゃないといけないのか、気になったことありませんか?

なんで動画じゃダメなのか。

なんで音声教材じゃダメなのか。

これにはちゃんと理由があります !

絵本はきっかけ

こちらの記事でも解説しましたが、子どもの脳を育てるのは日常会話です。

読み聞かせも同じこと !

絵本はただのきっかけなんです。

本当に大切なのは、絵本を通して子どもと会話すること。

読み聞かせを調べた脳科学研究でも、大人との会話が多かった子どものブローカ野(言語に関わる部位)が活発だったことがわかっています(Romeo et al., 2018)。

裏を返せば、会話を意識した読み聞かせをすると言語能力を鍛えられるということ !これを気にしないで機械的に読み聞かせているだけでは、ただテレビを観ているのと大して変わりません !

それではもったいないですよね。

絵は必要なのか?

絵にもちゃんと理由があるんです !

◎ 子どもが集中できる
絵があるだけで物語を理解しやすくなりますよね。その結果、子どもが退屈することも少なくなります。

◎ 会話がしやすい
動画だと極度に集中してしまいますし、音声だけだと退屈してしまいます。そもそも動画や音声教材を流しながら会話するのって大変ですよね。

◎ 話題に困らない
子どもと会話が続かないって人でも絵があると話題に困ることはありません!そういう意味でも絵本はおすすめです。

要するに、絵本がちょうどいいってこと !


読み聞かせテクニック

基礎になるのは、サーブとリターン(Serve and Return)なので、こちらの記事をまずは読んでみてください !

この基礎がある前提ですが、読み聞かせのポイントをまとめました。

世界各国25,000人以上の言語療法士を抱える慈善団体ハネンセンターが2007年から改善を重ねてきたテクニックを参考にしています(Girolametto et al., 2012; The Hanen Centre, 2024; Weitzman & Greenberg, 2010)。

具体例は『三匹の子ぶた』を想定しています。

1.まずは会話に集中

絵本の内容は要ではありません。

大切なのはあくまで会話です。

読み切らなくてもいいんです。集中力が続かなかったり、そもそも興味が薄れてしまったりするもの。時間が経てばそのうち気になって読みにくるはず!それまで待ってもいいかもしれません。

2.説明してみる

これもちょっとしたコツがあります。

  1. 言葉を強調する

  2. 絵を指さす or ジェスチャー

  3. 短い言葉で説明する

  4. 子どもの経験を引き出す

  5. もう1回言う

具体例としては、

「ワラ」ってこれね !このパサパサに乾いた草のこと !ほら、そこの田んぼに生えてる緑色の草があるでしょ?あれをお日様で乾かしたら茶色くなって「ワラ」になるんだよ。

といった感じ。

これと合わせて発音や文字などを話題に出してみてもいいかも !レベルに合わせて工夫してみてください。

3.オープン・クエスチョン

選択肢に限界がない質問のこと。

「なんで〜?」「〜と思う?」「〜ことある?」など、想像力や感情をかき立てる質問を意識しましょう !

具体例としては、

  • なんで小ブタさんは逃げたの?

  • 次のお家は何でできてると思う?

  • 最近なんか驚いたことある?

ちなみに対象年齢は3歳以上。

言葉が出てきてからで大丈夫です。

4.コメントしてみる

いつも質問してると疲れますよね。

コメントだけでも大丈夫 !

そのあとは子どもの反応を待ちましょう。これもコミュニケーションです。

口数の少ない子の場合や言葉がまだ出てきてないときは、質問よりもコメントを意識するといいかもしれません。

具体例としては、

  • オオカミさんは何してるんだろう !

  • 小ブタさんはどこに行くんだろう !

  • 大きい鍋だね !何に使うんだろう !

5.レベルアップ!

子どもが成長してくると絵本の内容が物足りなくなってきますよね !そう感じてきたら、絵本に出てくる言葉をレベルアップさせてみましょう。

具体例としては、

  • 二匹の子ブタ ▶︎ 長男と次男

  • 逃げました ▶︎ 避難しました

ここらへんの手加減が難しいですが、少なくとも「家畜どもが他国に亡命することになりました」のような不自然な表現にならないように気を付けてください(笑)

慣れてくるまではポストイットなどにメモしておくのがおすすめ。

絵本の使い回しができるようになるので節約にもなります!


最後に

読み聞かせの醍醐味は会話 !!

私自身これを意識するようになって、読み聞かせのプレッシャーが減って子どもたちとの会話をもっと楽しめるようになりました。

読み聞かせのテクニックはちょっと難しいかもしませんが、数ヶ月もするとできるようになってきます。ストレスにならない程度に少しずつ取り入れてみてくださいね。

ということで参考までに。

ではまたっ

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