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【本】「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」再読④

少し期間があいてしまいましたが、勝手に自分のライフワーク(?)でもある、過去に読んだビジネス書を振り返るシリーズを久々に再開したいと思います。いろいろなことを日々アップデートしているわけですが、時にこうやって「振り返る時間」はとても貴重です。ああ、あの時これを考えていれば・・・ということも少なくないのですが、まあ、それはまた別の話なわけでして。職場も職種も変わった今、私自身にとっては今後の役に立つように、そしてもし、これに目を留めて下さった読者の皆さまにおかれましては、「あ、なるほどね」など、何かの参考にして頂ければ幸いです。



■ゴールを決めて、拙速で行け

仕事のゴールを見定めたら、少しでも早くそこに到達するために、うまく手を抜く=余計な作業は略す。たとえばコピーして分かりやすくまとめればいいような社内資料をわざわざ自分の文章でまとめようとしたり、見栄え良く仕上げるために手間をかけるのは時間の無駄である。仕事は「重要なことと、そうでもないこと」を考えてみる。いわば「事の軽重」を考えてみることが不可欠なのだ。また、疑問や不安があれば、積極的に人に相談するということも、拙速で事を運ぶコツの一つである。

自分で考えても分からない、自力ではできそうにないと判断したら、一人で抱え込まず、周囲に知恵を求める。思い切って人を頼った方が、最短コースで質の高い仕事ができることもあるということを、部下にもきちんと教えておくといいだろう。もちろん、端から何も考えずに人に頼りっぱなしというのはダメだが、他人の力をうまく借りるのも、時間の無駄を省くには大変有効である。

「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」佐々木常夫著より

これは反省しきり。というのも、30代の仕事ペースに固執しすぎていた感が否めません。年齢と共にパフォーマンスは低下しますし、なにより、「その仕事(作業)は自分がやるべきなのか?」という点を見過ごしていたように思います。「これは自分がやった方が早い」「自分がやった方が見栄えが良い」など、勝手に言い訳して、本来、私がやらなくてもいい(つまりは、自分よりも若いメンバーでもできるということ)のに、ついついやってしまう・・・そして、自分がすべき業務の時間が疎かになる・・・なんて状況だったように思います。

ゴールは何かと言うことに拘るべき

当たり前ですが、仕事は「結果」。要は誰が担当したか否かではなく、「最高の結果が出せたのか」が重要なんですよね。だとしたら、自分が出来ること(なおかつ、若いメンバーでもできること)は、どんどん若手に任せて、自分はもっと別の業務をすることで、チーム自体がレベルアップする・・・なんていう好循環をもっと生むことが出来たのかな、と今更ながら反省しました。前職の晩年期は、なかなか思うようなチームにならず(←もちろん自分の責任も大きいのですが・・・)、結果として早出&終電ギリギリまで働く・・・という典型的な「悪循環」になっていました。そりゃ、心も身体も壊しますよね。

■「自己流」にこだわるな

何もかも自己流でやろうとせず、よいお手本を見つけてマネするのも、時間の無駄を省く効果的な方法である。いい仕事をしようと思ったら、いい仕事をしている人のマネから入るのが基本。そうしたほうがいちいち自分で考える手間が省けて、仕事がはかどる。会社の仕事というのは雑務の塊だ。雑務をこなすのに、自分のオリジナルにこだわるなんて無意味である。できる人を見つけて、観察して、その人のやり方をマネさせてもらうので充分。「自分に合わない」、「どうもうまくいかない」と思ったら、自分らしくアレンジすればいいだけの話。

マネするというのは雑務だけではない。上司から指示された仕事について、活用できそうなフォーマットやレポートがないか探し出し、有効に使わせてもらうとよいだろう。もちろんそのまま用いるのではなく、最新のデータにアップデートしたり、自分の知恵を付け加えるなど工夫は必要だが、すべて自力でやるより、ずっと早く仕事を完成できるだろう。

会社の仕事の大半は、同じことの繰り返し。自分の知恵もたかが知れている。ならば一から自己流でやるより、先達の知恵を拝借する方が、よほど効率的である。プアなイノベーションより、優れたイミテーション。優れたイミテーションを重ねることは、時間を節約できるだけでなく、優れたイノベーションをもたらしてくれるのである。

同上

TTP(Tettei Tekini Pakuru)
トリンプ・インターナショナルの吉越浩一郎さんが「TTP」という言葉を提唱していました。これは「徹底的にパクる(Tettei Tekini Pakuru)」ということ。これは「なるほどな」と思いましたね、そして佐々木さんの名言「プアなイノベーションより、優れたイミテーション」。やっぱり結果を出すビジネスパーソンは「本質」をしっかり抑えていらっしゃるんですね。

TTPで先輩もきっと嬉しくなるはず
そしてパクられる先輩も、断りを入れるなどしっかり仁義を果たしていれば、恐らく嫌な気持ちはしないはず。いや、むしろ嬉しいんじゃないでしょうか。私も先輩方に即質問したり、資料等で参考になる場合は、即許可をもらって資料を頂いていました。こういうのって先輩からすると「かわいいヤツ」という感じじゃないでしょうかね(もちろん、これを狙ってやっているわけじゃないですが・・・)。実力のある方ほど、こういうことには非常におおらかだったりしたように記憶しています。

■「長い会議」は異常である

管理職になると、会議の数が増える。しかし長時間の会議は、はっきり言って異常だ。たしかに1時間より2時間議論したほうが、問題点や解決策を見出しやすくなるかもしれないが、時間を倍にしたからと言って、倍の効果が得られるわけではない。倍の効果が得られないのに、時間だけ長くとっても、気力体力が無駄に消費されて結局ロスが増えるだけだ。決して効率が良いとは言えない。会議が不要、とまではいわないが、効率の悪い長い会議や意味のない会議はできるだけ略すのがいいに決まっている。

同上

前職時代は本当に会議が多く、それも「2時間」と固定で決められていたので、とにかく「苦痛」でした。どんなに議題が早く済んでも、「2時間制」だから、それまでは会議が続けられるという、なんともいえない空しさ。しかも、あれこれ討議するというより、「全員で顔を合わせました」「みんなで(議題を)揉みました」というアリバイ作り的なものが多く、繰り返しますが本当に「無意味」だったように思います。以下に面白い記事があったので、紹介したいと思います。

20人で2時間=100000円の人件費!!!

500万円の1.2倍とするなら、600万円。 年間の勤務日数を240日とすれば、 一日当たり2.5万円ということになります。 残業含め、一日10時間働くとするなら、 時給換算で2500円 。 つまり、年収500万円の人が20人集まって、 2時間の会議を行うと、それだけで 2500円×20人×2時間= 100000円のコスト

「自立型ビジネスマン育成術」より「会議のコスト計算法を知り、仕事の生産性向上へ」

すごくないですか?毎週、それだけのお金を掛けて、成果や方針が定まって会社の役に立てばいいのですが、前述のように「会議は踊る」状態というか、全員の顔を合わせることが目的であるようでは、本当にもったいない。今ならZOOMなどでのオンラインでもいいでしょうし、議題や資料を先に全員に配布し、会議では即討議や挙手による決定に入る・・・みたいなスピード感がほしいですよね、多分、そういうところの方が当たり前なんだと思うのですが、自分の会社はそうではなかったですね・・・涙

■情報は「何を略すか」を考える

限られた時間を有効に使うためには、情報管理のコツとして「しない」というのがある。「余計な会議に出ない」、「余計な人に会わない」、「余計な書類は読まない」・・・このように、「しない」を決めれば不要な情報が遮断され、貴重な時間を奪われるのを防ぐことが出来る。ビジネスにおける情報収集は、たくさん集めたからいいわけでもない。情報は収集するより、いかに「切る」かが重要なのである。

同上

これも要は「何が大事なのか」ということを明確にするということですよね。有限である時間を効率よく活用するためには、「すること」ではなく「しないこと」から決めてしまう。これも出来てなかったですね・・・当時。なんだかんだで、あれこれ「やらなきゃいけないこと」に追われて、あれもこれもと雑務をこなしていくうちに、時間があっという間に過ぎて・・・という感じだったように思います。逆に「これはやらない!」と最初から選別してしまうというのも一つの手段ですよね、人間一日24時間しかないわけですから。


ということで、今回もやっぱり「ためになる」内容ばかりでした。アフターコロナに入って久しいですが、こうしてコロナ前、しかもまだまだ「ワーク・ライフ・バランス」云々がこれほど定着する以前でしたが、佐々木さんの場合、ご自身の事情により、こうした取り組みをせざるを得ない状況であり、結果的に時代を先取りした形で見事「働き方改革」をされたわけですが、今読み直して見ても全く色あせない、いや、今こそ読むべき一冊であるように思います。

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