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【元学習塾室長の独り言】堀江さんの「正論」や「高校教育無償化」を考えてみた

当初、このnoteは元学習塾室長勤務時にいろいろと格闘する中で、運営のヒントとして参考にしてきた書籍や先輩方の教え、さらには著名人の「言葉」などを振り返るをテーマにしていましたが、いつの間にやら映画感想やスポーツ観戦感想、その他旅行記など雑多な内容もあれこれ詰め込んでおりますが、とにかくポイントとしてはそのとき自分が感じたことを発表しています。今回は原点に帰って、と申しますか、今一番ホットな話題の一つであり、なおかつ自分が長く携わった業界とも深い関わりのある内容を扱ってみたいと思います。もちろんあくまでも一個人の感想ですので、その辺りはご了承下さい。


堀江さんの「正論」

まず、堀江さんの「正論」というのは、ホリエモンこと堀江貴文さんがYouTubeやXで発信されていた内容になります。要は最早、高校や大学で学ぶという考えそのものが「古い」と仰っていました。今は動画でも学べるし、オンライン授業による学校(N高など)もある、そういったところで効率よく学んだ方がいいのではないか、と。確かにその通りだと思います。これは私も集団形式の学習塾に勤務をしておりましたが、コロナ禍を経て、オンラインによる形態がある程度普及した際に、感じていたことでもあります。

コロナ禍で痛感したオンラインとの差別化

「オンラインに勝る、対面ならではの魅力・強みって何だろう?」当時、本当にいろいろ考えました。もちろん指導する側からすると、ライブ形式の対面授業は運営効率も良く、ライブならではの距離の近さ等もあり、それに何よりも従来この形式で行ってきましたから、とにかくやりやすいという利点があります。しかし、一方でユーザー側の立場になると、毎週固定の時間に2時間、3時間と授業を受ける、さらに通学を考えると前後1時間程度は追加で時間が掛かる、それに何より、本当にその2時間、3時間フルで集中して学習していたのか?という点では疑問が残りますよね。

学習塾や予備校ですら、このような状況ですから、そういう意味では堀江さんが仰るとおり、もはや集団形式の学校は「不要」!とバッサリと切り捨てるのも一つの考え方だと思います。

ただ、一方で「集団式」が適している場合も

一方で、このように自分から積極的に物事を学べるというのは、堀江さんのようなトップ層の学力のある方々なのかな、という気もしています。このように意識が高く、さらに能力のある方であれば、塾や予備校など必要なく、自分の力だけで物事を吸収し、志望されている学校だったり試験等に容易く合格できるのだと思います。しかし、世の中にはそうしたトップ層だけではありませんので、やはり中間層にとっては、従来通り、ライブ形式の対面授業が今のところは指導には適しているのかな、と思います。チーム力、集団力学、切磋琢磨・・・やっぱり集団ならではの良さもまたあるのかな、と。

結局、私は「守旧派」なのかもしれません・・・(笑)

さらに当時は「面倒だな」と思っていましたが、学校の行事関係、集団行動云々というのは、やっぱり実社会に出る前には、一度はやっておく必要があるのかな、とも思います。やはり社会に出れば集団行動が必須ですからね、そういったことを学生であるうちに経験しておくことも重要かな、と。あとは学園祭、体育祭とかもそうですよね、部活動もあれこれ言われていますが、なきゃないでそれも寂しいかな・・・と。ということで、こう書いてみると自分が結構「守旧派」なんだな、と思いましたね(笑)。

公教育に変化は必要!ただし・・・

ただ、公教育が現状のままでいいのか、というと、そうでもないと思います。かつて大失敗に終わった「ゆとり教育」という名の壮大な実験によって指導内容が大幅に削減され、その後、復活したわけですが、一度失われたものはなかなか元に戻せていませんよね。このようにあれこれ新しい形式(教科書改訂)だったり、教科・科目(高校の「情報」)等を教えたり、デジタル教材を取り入れるなど、と取り組んでいるようですが、そういう「トレンド」に乗るような上っ面な改革ではない本当の意味で日本の学力向上を目指した取り組みをしてほしいものです。

皆さんは「高校教育無償化」に賛成・反対?

さて、もう一つの話題「高校教育無償化」ですが、結局、先行実施している大阪と東京では上手くいったのでしょうか?報道によると、どちらも公立高校の定員割れが増加したとか。そりゃ、設備の整った私立高校に行きたいですよね、制服もかわいかったり・・・と特色がある高校に実質無料で行けるなら。ま、「無償化」はその実、「税金化」ですけどね、高校の3年間だけは恩恵を受けますが、その後はひたすら未来の高校生たちのために税金を支払うわけで、それはそれでもっと議論して欲しいと思いますけどね(さらにはもっと文科省の指導内容等にも声を上げていきたいですよね、我々の税金がより一層ジャブジャブとつぎ込まれるわけですから!)。

天才!高橋洋一氏の革新的提言

これは数量経済学者の高橋洋一さんが「高校無償化をするなら公立高校に限定し、さらに水産、農業、工業、高専など専門分野を学ぶ学校に手厚い支援をするのが良いのでは」という内容を仰っていたのですが、これには大賛成です!(ま、私が個人的に高橋先生ファンだということも大きいのかもしれませんが・・・笑)今、こうした専門分野の学べる高校を志望する生徒さんが少なくなっているそうですが、かつての師範学校や戦前の海軍・陸軍師範学校のように通うだけで給付が貰える、などの特典や例えばその後の大学だったり、高校を卒業した後の就職が100%になるなど、「めちゃくちゃお得じゃん!」となれば、志望者も増え、国としてもそうした分野でのスペシャリストを大量に育てることが出来れば未来も安泰ですよね。


ということで、コタツ記者として最近の話題に乗っかってみました(笑)。とはいえ、実際にこの業界に携わり、現在も関わりのある人間としては見過ごせないテーマであることは事実です。なんだか早急にいろいろなことを決定し、なおかつ、その先のことについてあまり考えられていないような気もしており、心配な面も否めません。未来の日本を支える大切な人材育成に関わる大問題ですので、今後も注視していきたいと思っています。

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