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【映画】ファンには堪らない!最高のスピンオフ~「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」

思いっきり個人的エピソードですが、「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」も封切初日に観ました。大混雑の中初日の初回を観て、感動しすぎてそのまま別の映画館でもう一回観たという・・・笑。そして今回の「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」もまた偶然ですが封切日に観ることができました。いやいや、なんだか運命じみているような(無理矢理?)。今回の内容も「二つの塔」の舞台でもあるローハン国。なんだか当時がオーバーラップするような気持ちになりながら至福の2時間を過ごすことが出来ました。ということで今回はヲタ度満載の鑑賞報告になります。

ちなみにネタバレを相当含みますので、お読みになる際にはご注意下さい!


まずはストーリーの確認から

J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描く長編アニメーション。小説「指輪物語 追補編」に書かれた騎士の国ローハン最強のヘルム王についての記述をふくらませたオリジナルストーリーで、実写版3部作の183年前に起こった伝説の戦いを描く。誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラは国民の未来を守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。

映画.comより抜粋

ということで実はオリジナルストーリーなんですね、今回は。とはいえ、トールキンの原作「指輪物語」の追補編に触れられている短いエピソードから着想してストーリーが作られているので、当然世界観はそのまま。そして何より、あの映画版「ロード・オブ・ザ・リング」と「ホビット」の世界観が再びスクリーンに帰って来るというのがファンとしては何よりも嬉しいわけです。

ナレーションはエオウィン!

もうガンガンネタバレいきますけど、映画のナレーションを担当するのは「ロード・オブ・ザ・リング」でローハン王セオデンの姪エオウィン役のミランダ・オットー。なんとなく雰囲気がガラドリエル役のケイト・ブランシェット風の落ち着きを払った気品あるナレーションでした。それにエオウィンの祖先であり敬愛している(であろう)「盾の乙女ヘラ」のストーリーを「二つの塔」と「王の帰還」で盾の乙女として活躍するエオウィンが語るというのがいいですよね、正直、このナレーションを聞きたくて字幕版にしたといっても過言ではありません(笑)。

あちこちのアングルが映画版へのオマージュ満載!

当然といってしまえばそこまでなのですが、とにかく全編映画版へのオマージュで溢れています。ローハンの首都「エドラス」であり、「ヘルム峡谷」の角笛城もすべて映画版のアニメバージョンになっているようでした。あのローハン国に形を変えてもう一度出会えるとは!映画版でも素晴らしい出来だったエドラスのシーンをより深く楽しめました。

そして角笛城も良かったですね、何より嬉しかったのが、「二つの塔」で触れられていた「脱出口」について、本作で語られていたことです。私も「二つの塔」鑑賞当時から「なんでローハンの人たちは、脱出口があるのに、行きたがらないのか?そこはどうなっているんだろう?」と思っていたのですが、今回の映画で納得。なるほど、そうなっていたのかーという新しい発見ができました。そしてヘルム王のラストシーン!映画版のあのシーンにつながるのか!と膝を打ちたくなる気分でした。

ちなみに音楽もハワード・ショアの「ロード・オブ・ザ・リング」で使われた楽曲も使われており、世界観をしっかり引き継いでいました。あの音楽がかかるだけでテンションが上がるんですよね。

オリファント(ムマキル)や水の番人も登場!

そして南方人たちやオリファント(映画版よりも荒々しかったです!)も出てきますし、「旅の仲間」に出てくる水の番人が場所を変えて登場します。どちらもアニメーションの方が恐ろしさが強調されていたように感じました。実は私は森の中のシーンではエントでも出てくるのかな?と思ったら、いやいやビックリの水の番人でした。

アニメーションであることの違和感は没頭するにつれ薄れていました

正直、映画版が大好きすぎるので、アニメーションになるといって不安も多かったんです。映画版ではキャストも素晴らしかったので、やっぱり彼らあってのロード・オブ・ザ・リングだろう、と思っていたのですが、まずは前述の通り、実写と見間違えるほどのリアルに作り込まれた映像と、豊かな人物像によって、違和感なく楽しむことが出来ました。また、私個人的にですが、アニメーションだからこその若干の実写よりも大仰な展開も表現できたのかな、とか思いました(後半のヘルム王のラストにつながるシーンなど)。

惜しむらくは人間描写をもう少し深掘りしても・・・

全然良かったんですけど、もう少しだけ主人公ヘラと本作ではヒール役となるウルフの友情シーンや、ヘルム王と息子たち(+ヘラ)のシーンなどがあっても良かったかな、と思いました。また、なぜ部族たちの何名かがヘルム王を裏切ったのか?このあたりの説明があまりないので、もう少し詳しく背景を知りたかったな、と思いました。あと角笛城を40年間守ってきたというお婆さん。なぜにあんなにヘラたちに否定的なのか?ちなみにちょっと「天空の城ラピュタ」のドーラおばさんに似てました、余談ですが。


ラストはいろいろな意味で「圧巻」でした!

そして角笛城でのラストシーン。ここがまた「二つの塔」ファンには堪らないサービスショットが満載でした。映画版のコメンタリーでピーター・ジャクソン監督が「黒澤映画を意識した」と語った名シーンが再び、今回はなんとアニメーションとして復活。頭の中では映画版と目の前のアニメ版が重なり、最早なんとも言えない状態になっていました(笑)。

サルマン登場!しかも台詞はなんと・・・!

そして恐らくまだダークサイドに堕ちる前の賢人としてサルマンもワンシーン出演。なんと映画版でもサルマンを演じたクリストファー・リーの声を聞くことが出来るというファンには嬉しすぎる演出!

ヘラが会いに行く相手は・・・なんと!

さらにはヘラがオルウィンと共に旅立つラスト。向かう先で会う予定の人物はなんとガンダルフ!これって「ホビット 決戦の行方」のラストでレゴラスがアラゴルンに会いに行くというシーンと重なりません?こういうリンクもまたファンとしては嬉しいんですよね。

神山監督はじめ日本人クリエイターたちに感謝!

エンドロールでは日本人クリエイターの名前がずらり。なんだか誇らしかったです。映画史に残る不朽の名作トリロジーのスピンオフに日本の監督が抜擢され、日本のプロダクション、そしてクリエイターたちがずらり。日本のアニメーションが世界でも指折りのクオリティであることを本場ハリウッドが認めている証拠ですよね、いいじゃないですか!

セオデン王への敬意も忘れていません!

・・・と、ダラダラ引っ張っていますが、私が嬉しかったのは、先日惜しくもこの世を去った映画版でセオデン王を演じたバーナード・ヒル氏へのメッセージがエンドロールで流れたことです。今回のヘルム王はセオデン王の祖先にあたりますし、ヘルム王の台詞のいくつかは映画版でセオデン王が発したものとリンクするものも多々みられました。そういうところからも映画版へのオマージュを感じましたね。

ただし・・・悲しいことも(涙)

エンドロールを見ていて、ロットとシャンクというキャラクターにはなんと「ロード・オブ・ザ・リング」でメリーとピピンを演じた、ビリー・ボイドとドミニク・モナハンが声の担当をしていたとのこと。しかし、恥ずかしながら本編を見ていても誰がロットとシャンクなのか気づかなかったという大失態をしてしまいました・・・涙。これはもう一回見るしかないですかね(笑)。どなたかご存じですか?ホームページ見ても載っていないし、悲しいです。




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