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空手から学ぶ④「範を示す」

いつのまにかシリーズとなってしまいました空手から学ぶ。今回は「範を示す」についてお届けしたいと思います。

先にお話ししたとおり、私が空手を始めたのは息子の躾ということがきっかけだったのですが、今や私自身がハマってしまい、挙句の果てには空手からビジネスの要諦まで学んでいる始末です。なんとも奥の深い話ではありますが、皆様の日常を考えるきっかけになれば幸いです。

さて、空手も始めること3年、息子もわたしも上から2番目の級(帯色は紫)となり、ようやく黒帯が見えてきました。とはいいつつ、稽古ではもはや息子になんとかついて行くのが精一杯で、やはり歳には敵わないと思う次第であります。

ある時、息子が師範からこんなことを言われました。

もう紫、後ろの子が見ているから、手本を見せて!

道場では帯順に分かれて稽古をすることから、紫はだいたいいつも1番前で鏡を見ながら稽古をします。なので当然意識は鏡に映る自分に行きがちなのですが、この言葉を聞いて思わず、たしかにもう見られる立場なんだなと改めて実感したことを覚えています。

そして、ここで言う”お手本”とは技もさることながら、挨拶、道着の乱れを正す、一つ一つの動作のメリハリをつける等、身だしなみ、礼儀作法等の基本をしっかりと行ってくださいと言う意味で使われています。

”見られている”ということで、本人の意識、行動ははもちろん変わるのですが、不思議なことに下の子たち(正確には帯の色が下である大人も含め)も自然と真似するようになるんですね。そしてら道場自体の空気が引き締まります。そして、緊張感があるからこそ怪我をすることも少なくなります。

範を示すとは自分を律すること

このことは人材育成の基本でもあります。私が受け持つことが多い管理職クラスのトレーニングでは、よく部下育成に悩まれている間力の方々から、「何かいいやり方はありませんか?」と言う質問を多く受けます。ですが、実際の所、そんな魔法のような方法はあるわけなく、お恥ずかしい話、私自身ももし良い方法があれば、教えて欲しいくらいでして(笑)

長年、管理職、経営者として、そして人材育成に携わるものとして思うことは、人材育成の基本はやはり、

範を示す

このことに尽きると考えております。つまり、自らが”手本をみせること”。そのためは、しんどいことではありますが、自分を律して行動するしかないかと考えます。

・時間を守ってもらいたいなら、自分が守る
・挨拶をしてもらいたいなら、自分から挨拶をする
・メリハリのある組織にしたいなら、自分がメリハリをつける

といったように、すべては自分から。そうすることで緊張感もありつつ、いきいきと仕事ができる環境も作ることができるのではないでしょうか。緊張感のない職場では、必ずといっていいほど事故が起こります。それを未然に防ぐのもやはり自分。

このことは、ビジネスに限らず、子育てにおいても同様のことが言えるのではないでしょうか?二人の子供を育てる父親としてあらためて思うことでもあります。

わたしにとって、この言葉は自分自身への戒めの言葉ではありますが、皆さんにあえて、

範を示せていますか?

何かみなさんのビジネス、人生においてのヒントになれば幸いです。

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