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となりの富士山
富士山を見に行きたいなと思って。
無性に雄大な自然を感じたい時ってあるでしょう。
ええ、ありますよね。まさにそれでした。
日本一高い山ならば、それはそれは雄大だろうと。
ホテルも目の前に富士山が見えるところを取って、
ワクワクしながら向かったはいいものの、天気は曇り。
富士山の白い部分に見事に雲がかかっていました。
たまに雲がよけて、富士山の頭が見えると、
観光客は嬉しそうに写真を撮ってました。
それに並んで自分も嬉しそうに写真を撮りました。
しかし、時々ひょっこり顔をのぞかせる富士山に見向きもしないで、スタスタ歩いていく人たちもいて。
きっと地元の人なのでしょう。
「いいよね、ここに住んでいる人たちは、いつでもきれいな富士山が見られて。」
そう思いましたが、地元の人にとって富士山はもはやあって当たり前の存在なのでしょう。
誰かにとっての日常は、自分にとっての非日常。
僕の人生も誰かにとってはめちゃくちゃ羨ましがられる毎日を過ごしているのかもしれません。
未だに、僕は「広島に原爆ドームを見に行くんだ」と言う人たちにちょっとした違和感を感じてしまいます。
なぜなら、僕の小学校の通学路には原爆ドームがあって、原爆ドームは近所のスーパーと同じくらいのあって当たり前の建物でしたから。
あなたの当たり前の景色は、誰かにとってはお金を払っても見たいものかもしれないのです。
私の会社は観光地のとなりにあります。
かつて観光で来たはずだった会社付近の夜景も、あの時ほどの輝きは無いように見えます。
日常の背景となってしまった景色を、もう一度観光気分で眺めてみるのもいいかもしれません。