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素敵なぼっちめし
僕はかなりの内向的人間だ。
一般的には理解されないだろうが、僕はなるべく知り合いと会いたくない。仲のいい友達であってもできれば会いたくない。
例えば、街中で知り合いを一目見ただけでもドキッとする。そして一目散に逃げていく。極度の内向的人間とはそういうものなのだ。
だから会社は出社するだけで結構地獄だ。せめて、お昼だけは落ち着きたいから、1人で会社からちょっと離れたご飯屋に昼ごはんを食べに行く。知らない人たちしかいない環境がいつも僕を安心させてくれるのだ。
すぐには会社に戻りたくないから、その辺の椅子に座ってスマホをいじる。
今日から8月。お昼の気温は、外で座っているにはちょっときつい。
しかし、建物の中の椅子はどこも満席。会社にすぐに戻りたいわけでもない。どこにも居場所はなく、外に座るしかないのだ。
周りを見渡せば、知らないおっちゃんが汗をかきながら弁当を食べている。
隣の隣の椅子に僕も座って、アイスコーヒーを飲む。
他にもこの炎天下の中、わざわざ外に出てくる人達が何人かいて、ポツポツと距離を開けて座っていく。
たしかに、知り合いにはあまり会いたくない。しかし、寂しくないわけではないのだ。
何かを話すわけでもないけれど、一定間隔で座っている人たちがいてよかったと思った。
このどうしようもなく矛盾した感情が少しだけ和らぐから。
気温は高いけど、風は強くそこまで暑くはない。
8月の生ぬるい空気が、会社のひんやりした空気よりもいくぶん爽やかに感じた。