1年間、食べた納豆を記録してみてわかった「好きなこと」の見つけ方
1年くらい前から毎日食べている納豆の記録をつけ始めたんですが、じつはこれがけっこうすごいことなんじゃないかと感じはじめてて、今回はそのことについて書いてみます。
たぶん10年くらい毎朝、朝食は納豆です。
ご飯にかけて食べるわけではなく、納豆だけを食べています。
だいたいいつも決まった納豆を食べ続けていたんですが、1年くらい前にスーパーの納豆売り場でふと思ったんです。
「あれ、納豆ってどのくらい種類があるんだろう?」
同じスーパーでもだいたい5、6種類くらいは違う納豆を売っている。
別のスーパーに行くと別の納豆を売っている。
納豆、どのくらいあるもんなんだろう?
それを知りたくて、その日から、できるだけ違う納豆を買って食べる生活が始まった。
食べてもすぐ忘れそうなので、食べた納豆を記録することにした。
最初に記録した納豆は、これだった。
2021年12月14日
「今半のすき焼きわりしたで味わう平家納豆」
こんなふうに納豆の記録を始めてから1年以上経った。
この13ヶ月の間に食べた納豆は130種類ほど。
近所で買える納豆は食べ尽くしたと思ったら、昨日行ったことのなかった店で、またかなりの数の納豆を発見して興奮した。
大まかに言って納豆の違いは「大粒」「小粒」「極小粒」など豆の大きさの違いに「ひきわり」「あらびき」など形状の違い、それからミツカン、あずまなどメーカー別でかなりの数がある。また大手の手がける納豆はタレの種類やトッピングの違いなどでかなりのバリエーションがあり、それだけでもかなりの数がある。それにプラスして、デパートやオーガニック系の店では産地直送のこだわりご当地系納豆が売られていたりもするから、家の近所だけでもなかなか食べ尽くせない量が売られている。
最近はタレやトッピングに特徴のあるものが多くてそれが面白い。
記録を始めるきかっけになった「今半のすき焼きわりしたで味わう平家納豆」も、すき焼きのあとに納豆ご飯食べたら美味しいのでは?ってアイデアから生まれたものだろう。
ほかにも「ミツカンバターしょうゆタレ」のような変わりタレのものや、「あずま梅おろしだれ納豆」のように3月〜8月の間だけ売られている季節限定商品も存在する。
日々新しい納豆を探し歩く生活を1年続けたのだけど、そのことで何が変わったかということを書いてみる。
1 毎日が少し楽しくなった
まず買い物に行く楽しみが増えた。
どのスーパーにどの納豆を売っているか、それをすごく意識するようになった。
そしてどこか出かけるとスーパーに入って納豆を探すようになった。
新しい納豆を発見するとそれだけで嬉しい。
些細なことだけど、これはとても大きな発見だった。
2 記録することでさらに楽しくなった
食べてもすぐ忘れる。
なので記録することにしたのだけど、これが意外に楽しいと気づいた。
毎日機械的に食べていた納豆だけど、それを記録するだけで、納豆自体が楽しい娯楽に変わった。
書いているポイントは─
・どこで買ったか
・何個入りか
・どんな付属品がついているか
・粘り気や臭い、そして味の特徴
まず豆だけを食べて、その後タレを入れて混ぜて食べる
記録することでパッケージや入っているタレなどを観察する癖がついた。
例えば7月に食べたこの納豆。
パッケージをよく見るとフタ部分に北海道の地図が刻印されていたりする。
こういうこだわりがある納豆はやはりきちんと納豆も美味しい。
粘りが強く、柔らかさも、臭いは強めで味はまろやかでとても美味しい納豆だった。
ほかにはカルシウムを骨に変えるVK2が前面に打ち出されているパッケージ。
あれ?これは初めて見る納豆なんて思ったら、中身は定番の「ほね元気」。
どうやら最近パッケージがリニューアルされたらしい。
こういう変化にも気がつくようになった。
3 そして納豆が深まった
いちばん変わったこと。
納豆が深まった。
もう、ほんとにこれだ。
これに尽きる。
1年前に納豆について何か話そうと思ったら、
「納豆、毎日食べてますよ、健康に良さそうじゃないですか、美味しいですよね」
これで終わっていたと思う。
1年後の今は違う。
例えば、最近食べた納豆で一番インパクトの強かった納豆。
「あずまの本わさび納豆 信州安曇野産」
納豆には「カラシ」じゃなくて「わさび」が正解ではないか?とさえ思わせるこの納豆のインパクト。考え抜かれた醤油の味に、ねぎ香るわさびのバランス、フィルムを排した食べやすいパッケージ、この納豆の何がすごいかということを、今のわたしはひたすら語ることができる。
納豆についての本を読むことでさらに納豆は深まった。
この2冊で納豆の常識がことごとく覆された。
納豆が日本独自文化ではないことを知り、さらにはもともと水戸に納豆の文化はなかったなど、日本の納豆文化における思い込みも外されるすごい本だった。
先日も飲み屋で永遠と納豆の話をしていた(迷惑)。
いまわたしは納豆が好きだし、納豆を楽しんでいる。
つまり納豆愛が深まったのだ。
これはひとつの趣味の獲得だ。
いま「趣味は何ですか?」と聞かれたら、「納豆ですね」と答えると思う。
どうでもいいことのように思えるかもしれないが、たったこれだけのことで、もしかしたら人生だって変わるかもしれない。
今ならものすごい熱量で納豆を語ることができる。
そしてどこのスーパーでどんな納豆を扱っているか。
それぞれのメーカーの納豆の商品作りの特徴。
どんなパッケージの納豆が美味しそうに見えるか。
そんなのことだって話すことができる。
例えばわたしが食品業界への転職を考えていたとして、これは大きな武器になるはずだ。
「そうか、好きなことを武器にするってこういうことか」
いまいち実感として分かっていなかったけど、そいうことなのかと気がついた。
たった1年、ただ「記録」をしただけなのに、じつはとんでもなく大きなものを手に入れたのではないかと思う。
これは「好きなことで生きる」「好きなことを武器にする」そう聞いて、いまいちピンとこない人に朗報かもしれない。
ただ、毎日記録すること。
それだけで「好きなこと」って意外に簡単に手に入れることができるかもしれないってことだ。
少なくともわたしは「毎日、納豆を記録する」ことで、新しい「好き」を手に入れた。
べつにそれが何の役にたたなくても、楽しいからべつにいい。
さ、今週も新しい納豆を探すぞ!
おしまい。
おまけ:2022年に食べて印象に残った納豆20選
納豆をつらつら全部紹介してもしょうがないので、2022年に食べた納豆のうち、純粋に美味しかった納豆や、変だけど印象に残った納豆をいくつか紹介します。
鈴乙女納豆
副将軍納豆
有機認定小粒
平家納豆
おろしだれ納豆
もち麦納豆
とろっ豆
青じそ風味
丹精
あおさのりたれ
納豆職人 熟成二段仕込み北海道
うまい納豆
おいしい麦入り納豆
粢(しとぎ)
おろしだれしょうが納豆
うま辛ごま坦々
美味ぽん納豆
バターしょうゆたれ
だしたっぷり納豆 ひきわり
雪誉
粢(しとぎ)
すずかおり
本わさび納豆
鈴丸