【可愛いは最強だ!!】映画『リトル・ワンダーズ』感想
可愛い、とにかく可愛い、ひたすら可愛い。
『可愛いは最強』ということを思い知らされる映画だった。
映画『リトル・ワンダーズ』は子供が主人公の映画だ。
舞台はアメリカ西部のワイオミング州。山で暮らす3人の悪ガキは病気になった母親の頼みでブルーベリーパイを買いに行く。
お店が休みだったため自分たちでパイを作ろうとするものの、材料の卵を巡って「魔法の剣一味」という謎の集団の企みに巻き込まれていくことになる…というあらすじ。
監督・脚本をつとめるのは、本作が長編デビューとなるウェストン・ラズーリ。『きみといた2日間』、『ラブ・アゲイン』のリオ・ティプトンも出演している。
ビジュアルが本当に良い。
16㎜フィルムのざらついた映像はアナログな雰囲気を思わせ、森林の緑と青空が良く映える。
主人公たちの服装や小道具ひとつひとつが凝っており、サブカル好きのハートを狙い撃ちしたかのよう。(冒頭に登場する「OTOMO」というゲーム名も由来は大友克洋からきている)
世界観がとにかく可愛いのだ。
劇中に「可愛いは最強なんだせ」という台詞もあるけど、作り手側も「ほら、最強だろ?」って確信犯的に作ってると思う。
正直、この映像を見ているだけで満足なんだけど物語も面白い。
まず子供たちの横暴っぷりが楽しい。主人公はとんでもない悪ガキたち、子供がハチャメチャしまくる作品が好きな人にはたまらない。
物語の全体的な雰囲気は児童文学や童話のよう。
本作は「夏休み映画」でもあるんだけど、物語自体は子供たちの冒険心(ここではイタズラの延長)が大きな騒動になっていく…という子供映画の王道パターンとなっている。
劇場でも親子連れのお客さんがいたし子供が観ても楽しめることだろう。
ファンタジー要素は予想してたよりは薄め。
現実と地続きの中に少しの不思議があるという感じでまさにリトルワンダー(ちなみに原題は『Riddle of Fire』)。
劇中に登場する2人の母親が子供たちにかける台詞が印象的だった。
「世界中が遊び場よ」
「1人でもたくましく生きていって欲しい」
全く異なる言葉だが、どちらも子供を思っての言葉だし結果的にこの言葉通りに子供たちが行動しているのも面白い。
正直、主人公たちの行っていることが犯罪だったりペタルの今後とか、倫理的に気になる部分も多い。ここは人によっては好き嫌い分かれる部分かもしれない。自分は主人公が子供&創作だからこそ成立するものだと受け止めた。そういう意味では子供時代って無敵だよね。これ主人公が大人じゃどう描いたって言い訳のしようがないもん。
ということで『リトル・ワンダーズ』、自分はかなり好きな映画だった!ビジュアルで興味を持った人は是非ともチェックしてみて欲しい。