【悪役が輝いてる作品は面白い!】映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』感想
殺し屋が一般社会に当たり前に存在する世界を舞台に2人の殺し屋の仕事と日常を描いた人気シリーズの3作目『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』。
今現在、ドラマも放映されておりノリに乗っている本作。9月27日から公開ということで少し遅くなりましたが、ようやく観に行くことができました。
今作の舞台は宮崎。出張で仕事にきていたちさととまひろは簡単な仕事を終えて観光を楽しむつもりだった。だがターゲットのもとに向かった2人はある殺し屋と遭遇する。男の名前は冬村かえで、150人殺し達成を目指す野良の殺し屋だった…というあらすじ。
面白い。
ロケーションにアクション、全てが前2作からスケールアップしている。冒頭の宮崎の海岸からして美しい。青のコントラストに引き込まれる。
アクションもただ増えただけじゃない。
前2作もバリエーションこそ豊かだったものの大きい建物でチェイスするシーンなんてこれまでのシリーズにはなかった。当たり前かもしれないけどアクションの範囲が拡がるだけで映画自体もスケールアップしていくんだな。
今回、阪元監督のトークイベント付き上映で観たので製作話を聞くことができたのだけど、実際、制作費はカツカツで現場は大変だったらしい。それでも前2作に比べて画面が派手になったと思う場面は多かった。
そんな本作で特筆すべきは池松壮亮演じる冬村かえで。
SNSでファンアートをよく見かけてたから人気があるだろうと思っていたけど観て納得。めちゃくちゃ強いのにコミュ障で情緒不安定。このギャップは確かに人気が出る。
失礼な話、今作の敵役として池松壮亮が発表された時はどうなんだろうって思ってた。アクションのイメージはなかったし『ベイビーわるきゅーれ』のカラーっぽくもない。(あくまで個人的な意見として)
だけど蓋を開けてみたら身体は引き締まってるしアクションのキレも凄まじい。キャラクター像も『ベイビーわるきゅーれ』に合ってる。俳優としての池松壮亮の凄さを実感させられた。
冬村かえでって要はまひろと対になっているキャラクターなんだろう。
どちらも強いのに社会に上手く馴染めない。
そして冬村かえでは「ちさとがいなかった世界線のまひろ」でもあると思った。
バットマンにおけるジョーカー、ドラゴンボールにおけるフリーザ、ラピュタにおけるムスカなど悪役の存在感が凄いキャラクターの映画って名作が多いんだけど冬村かえでもまさにそんな存在。
冬村かえでばかりに触れてたけど、入鹿みなみを演じた前田敦子も良かった。灰原哀のエピソード、凄い好きなんだけど本当にあった話を元にしてたとは。
今回、製作話を聞いて阪元監督って我を押し通すタイプというより周囲の意見を柔軟に取り入れてく人なんだろうと感じた。そこが結果的に作品の良さに繋がってるかもしれない。
しかし『ベイビーわるきゅーれ』って本当にファンが熱い。トークイベント内の観客からのQ&Aのコーナー、ここまで手が挙がる会場は始めて見たかも。
しかも質問内容もけっこうマニアック。(国岡の話とか阪元監督の他作品を観てないと知らない質問もあった)ファンに熱く愛されてるシリーズであることを実感したよ。これからもシリーズは続いていくんだろうけど、次はどんな展開が待っているのか楽しみだ。
※今現在、テレビ東京で放映中の『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』1話がYoutubeで無料公開されてます。『ベイビーわるきゅーれ』知らないけど興味があるという人はこちらからチェックするのもあり。
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