
【墓を暴いて謎を解け】映画『破墓/パミョ』感想
ある資産家の一族に不幸が起こる。
巫堂(ムーダン)に見てもらったところ、原因は先祖の墓にあるという。風水師などの協力を得て墓を暴こうとするのだが、そこにはとんでもない闇が隠されており…
映画『破墓/パミョ』は韓国で1200万人の観客を動員するなど大ヒットを記録したオカルトミステリー映画だ。
とても面白かった!
内容はサスペンススリラーというよりオカルトミステリーという印象を抱いた。
怖くもあるが、怪しいものに触れていくような感覚がたまらない。
特に序盤の改葬をするまでの空気感が最高。薄暗い雲、野生動物、あり得ない場所に埋められたお墓…不穏な雰囲気にゾクゾクさせられる。
この作品、配給がKADOKAWAなのだが、それこそ角川ホラー文庫でもありそうな内容、「死ぬほど洒落にならない怖い話」や「禍話」などが好きな人も好きなんじゃないだろうか。

「韓国のお墓」という題材からして興味深い。
日本だとお寺があって檀家があって…というイメージだったので、風水の場所を決めたり山の中に1人だけお墓を建てたりとか文化の違いを感じて面白かった。
日本だと沖縄のユタやイタコに近いのであろう、巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)という職業も珍しい。

何よりも4人の主人公たちが本当に良いキャラクター。
巫堂のコンビも良いし(特にビジュアル!)、くたびれた感のある中年コンビも良い味を出してる。必要以上に慣れ合わないけど、全員がプロフェッショナルとして自分のできることをしているのも良い。

そんな本作だけど中盤からは予想外な展開が待っている。
その展開が来た時「あ、そういう話だったの!?」って意表を突かれた。
この展開は正直、人によって好き嫌いが分かれそうな部分なのだが物語の核心を突く部分でもあるので、内容については触れないことにする(一番下にネタバレありの感想も述べています)。
自分は冷静になってしまった部分もある反面、ユニバース的で面白いとも思った。
ということで『破墓/パミョ』、肝心な部分で賛否が分かれそうなので、こればっかりは自身の目で確かめて欲しいとしか言いようがないのだが、じんわりした怖さを味わいたい人、怪しいウンチクなどに惹かれる人は一見の価値ありかと。
※これより以下は具体的な内容に触れています。未見の方はご注意下さい。
日本が題材となっているだけ、妙に冷めて観てしまった部分もあった。
それは、日本が良い描かれ方をしていないというよりは、日本文化に対する解像度がどんなものかという視点で観てしまったからだ。
またこの映画を「反日だから残念」という感想も見かけたが、個人的には反日だとは感じなかった。
監督のインタビューを読むとそれよりは日本と韓国のオカルトを融合させようと意図が強いのかなとも思った。
ネットでも賛否あるこの部分、観た人の感想も聞かせて欲しい。
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