「誠に申し訳ありません」問題(清水勝彦研究室ブログ)

あるスーパーの入り口で驚いた。数量限定販売の商品が売り切れたといって謝っているのである。限定300個が200個になったのならわかる。ありがとうございました、というのも分かる。謝るのはなぜ?

「習い性」という奴だろう。「申し訳ありません」と言えば何とかなるという経験から無意識のうちに謝ってしまうのだと思われる。そういえば、クラスの発言でも、まず「すみません」から始める学生がいる。

小さなことかもしれない。しかし、そうした(無意識の)姿勢の積み重ねを文化と言い、その文化がカスハラ、モンスターペアレンツを生む土壌を作っているのではないだろうか(最近では病院でも多いらしい)?正しいことを正しいと言わない(言えない?)結果、勘違いする人たちが生まれてくる。

最近ではなんでもスマホを向けて脅す人もいるらしい(怖いからスマホを向ける人もいるそうだ)。言葉や画像の切り取りはかねてから問題になっているが、実はブランドが傷つくとは一部の心無い人によってではなく、正論を言えなくなった上司を見た部下の落胆によってであることを今一度思い返した方がいいように思われる。

故三波春夫氏の「お客様は神様です」という言葉が曲解されて伝わっていることをオフィシャルサイトが伝えている。社員の誇りこそがブランドではないのだろうか。

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