岩屋まんじゅう

和菓子3.0

「若者の〇〇離れ」
もちろん和菓子も例外ではない。
若者にもっと興味を持って貰おうと、
和菓子イベントや体験教室を開催したり、
見た目に鮮やかなインスタ映えする
新しい和菓子を開発したりと、
業界を盛り上げようと
頻繁に情報発信するようになった。

その中心は現在30代〜50代の若旦那だ。
「いちご大福」という菓子が生まれたのが30年前。
その次の世代の若旦那がまたひとつの流れを作ろうとしている。
現代においては、和スイーツやネオ和菓子などと呼ばれるものだ。
インターネットが普及し、なめらかに情報が流れる現代は、既存のものの掛け合わせでハイブリットなスイーツが生まれやすい状態だ。
instagramや雑誌などのメディアが店舗となり、
ECとしての機能を備えるため、この流れは更に加速している。

筆者は平成4年生まれのミレニアル世代。
先に述べた今の流れを作っている世代の一つ下に当たる世代だ。
我々が支えていくのはその次の流れ、
和菓子3.0の世界だと考えている。
自分なりにその定義を考えてみた。

和菓子1.0 和菓子の定義
果子の時代〜菓子の時代〜明治
明治時代に「洋菓子」の対義語として生まれた「和菓子」という言葉が、
それまで「変化・昇華を続けてきた伝統」ではなく、
それまでの日本の菓子文化の歴史を「和菓子」と定義した。

和菓子2.0 菓子の多様化
菓子の時代〜少し先の未来
この時代に求められていたのは、
顧客の嗜好に合わせる「柔軟性」と「わかりやすさ」
時代ごとに他国の文化の影響を受けて、自国の文化の中にうまく吸収し、
菓子文化を変化・昇華させていた。
明治に「和菓子」と定義された後も、
和スイーツやネオ和菓子等の言葉を当てはめ、その伝統をつないできた。

和菓子3.0 菓子屋の多様化
少し先の未来〜
アイデアがコモディティ化し、同質化したお菓子が溢れる時代。
菓子屋のあり方が多様化し、顧客の好みも多様化する。
ハイコンテクストな伝統文化の昇華か、
流行りを追いかけるファッション和菓子の2極化か、
もしくは新しい日本の菓子文化の到来か。

和菓子のみならず小売においても体験が求められる時代。
友人を自宅に招き、一つの羊羹を切り分け、
憩いのひとときを過ごす。
旅行の帰りにお土産として買ったお菓子の、
パッケージやしおりから情報を得て、
旅の追体験をする。
本来和菓子が得意としている領域だ。

和菓子3.0時代には
今までは見えづらかった全国各地に散らばる
和菓子コミュニティを可視化し、繋げる必要がある。
他の日本の伝統産業のコミュニティともなめらかに繋がり、コンテクストが共有された強固なコミュニティネットワークを
作ることが日本文化再興のための鍵となる。

明日は和菓子3.0時代のコミュニティについて考察したいと思う。

まずは和菓子2.0時代を生き抜くための
可視化された和菓子コミュニティを作ろうと思っている。
その先に進むには多くの仲間が必要だ。
日本文化全体の昇華
目指すべきはそこだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!