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夏休みの宿題という観点から意志の力を考える

8月も終盤に近づいてきました。私が勤めている塾の生徒の中には、夏休みの宿題を終わらせる人たちが出てきています。ただ、それは少数の生徒に限られています。
大体はまだ期限があるからと、1つ2つ残している生徒がほとんどです。夏休みの終わりギリギリになって、やっとエンジンがかかるのでしょう。自分にも身に覚えのあることなので、彼らの気持ちはよく分かります。
ただ、夏休みの課題を終わらせることができた人とできない人の間には、明確な意志の力があると思いました。
そこで、今回は夏休みの宿題という観点から、意志の力について書いてみたいと思います。

意志の力とは?

意志の力とはなにかと考えてみると「目標や計画を決め、それを実現しようとする力」のことです。
なにかを達成したいというときには、必ずこの意志の力が大切になります。
スポーツ選手になりたい、良い高校(大学)に入りたい、お金持ちになりたい、お金持ちになりたい等……遺伝的な要素もあるでしょうが、達成する人としない人とでは、意志の力が大きく関わってきます。
好きなことをやりたいや、サボりたいという目の前の気持ちに流され、自分で自分を目標の実現から遠ざけることになってしまいます。
それを抑え込むには、意志の力が大切になるのです。

意志の力を使うには、注ぎ込む対象を考えなければならない

そして、意志の力には、なにを選択し、どこに重点を置くかが、非常に大切になってきます。
つまり、行動するものを決断し、そこに行動を注ぎ込むということです。
では、始めに言ったように、夏休みの宿題という観点で考えてみます。
夏休みの宿題は、流そうと思えば流せます。
(そうすると、大抵、必死に仕上げてくれるのは親御さんです……)
提出さえすれば、一応は提出したという評価はもらえます。
ですが、意志を持ってやった人と、持たないでやった人とでは成果は変わってきます。
意志の力を発揮することは、自分の成長と未来に大きく関わってくるからです。
もちろん学校の宿題より、強い意志の力を持ってやるものがあるのなら別に良いのです(その場合は、そちらにリソースを注ぎ込むために、学校の宿題はさっさと終わらせるという選択が最適なのですが)。
楽したいからおざなりにするという姿勢がダメなのです。学校に通う皆に出されている課題なので、やるべきことであることは明確なはずです。
ですが、目の前の娯楽に流れ、先を見ない無計画な日常を過ごしてると、達成すべき事柄が分からない、または、分かっていても無視してしまうことになります。人間の行動には意志の力が働いているわけですから、意志の力を無駄に垂れ流している状態になってしまうのです。
無駄な垂れ流しを防止するためにも、自分はなにを達成しなければならないのか、そして意志の力をどの行動に注ぐべきなのかを常に考え、決断していくことが大事です。

なぜ分かっていても、意志の力を注力することができないのか

そこには、スマホに代表されるデジタルデバイスの影響があります。
お手軽に楽しめるデバイスを持っていることで、簡単に娯楽を得ることができるようになったのです。そして、問題なのが、簡単に娯楽を得られる道具は、意志の力を減耗させてしまうということです。スクリーンタイムが確認できる人は見ていただければ分かると思いますが、そのデバイスにはしかも飽きが来ないのです。
意志の力が削られてしまっても、人間はそのことを正当化することができます。
部活が忙しい、祖父、祖母の家に行っていたので時間がなかった、家の手伝いをした……等々、言い訳はなんでも良いです。要するにやらないことを正当化できれば良いわけです。そして、正当化している限り、意志の力が上手く使えていないことを問題にはできません。
強い意志というのは強いパワーを持っていますから、使うのはしんどいです。だから、小刻みに垂れ流す、ということになってしまうわけです。
しかし、信念を持って使うことができれば、大きな未来へとつながっていきます。
意志の力は、小刻みに減らす誘惑に打ち勝ち、奮い立たせていかなければいけないものです。
至るところに娯楽の溢れている現代では、ここの差というのは大きくなってくるような気がします。

自分は本当はなにをしたいのか確認してみよう

夏休みの宿題一つとってみても、自分の意志の力について確認できるので、子どもたちにはぜひ夏休みの機会を利用して、考えてみてほしいと思います。
特に、長期期間というのは、自分の今までとこれから、について考える最適なチャンスです。過去、今、の延長線にしか未来はありません。自分はこれからなにを達成したくて、そのためには今はなにをすべきなのか。人間は放っておいてたらサボる生き物です。だからこそ、自分の意志の力をどこに注ぐべきなのか考えてみると良いかもしれませんね。

夏休みはまだあります。ここまでの過ごし方を振り返って、残りの期間を意志の力を上手に使って、有意義に過ごしてほしいと思います。

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