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会社員での新規事業とスタートアップの新規事業の経験から当事者感が全然違うと思う話

現在、転勤族の夫と結婚し、新卒から勤めた会社を退職後、フリーランスになりました。
その中で、自分の人生を見つめ直し、自分に何が出来るのか、自分の強みは何なのか、世の中に価値提供出来ることはどんなことかを日々考えながら模索する毎日です。

今日は新規事業についてのお話。

現在、一緒に仕事をしている企業さんで新規事業の構築をしています。
わたしは会社員時代にも、新規事業の立ち上げの部署にいたことがあり、そこで感じていた感覚と今の感覚の違いがすごく面白いなと思ったので、その違いについて考えたことを書いてみようと思います。

また、フリーランスになって一緒に働く会社さんはほとんどがスタートアップの会社さんです。
スタートアップということで、まだ会社として仕事の進め方やマニュアルやルールなどがしっかりと固まっておらず、走りながら考える、いい方向を模索しながら仕事を前に進める、ということが多いです。

これも一つの新規事業(会社全体が新規事業みたいな感じ)だよなと思うことが多いので、そちらも交えつつ考察してみようと思います。


会社員での新規事業部署の立ち上げ

わたしは会社に在籍していた頃、最後に異動になった部署が新規事業の立ち上げ部署でした。

それもちょっと特殊で、外部の大手企業から生まれた社内ベンチャーと共同出資をして、1つの会社を立ち上げるということをしたのですが、その一部の業務を担うという形で部署が一つ出来上がりました。

わたしはそれまでは、めちゃくちゃ平凡にルーティン作業多めの普通の部署に所属していて、特に何の刺激もない平凡な会社生活を送っていたのですが、ここでとてつもない価値観の変容が起こります。

その辺りのことはこちらの記事で書いております。

とにかく、仕事のやり方や会議の進め方、関わる人や巻き込む人など、何もかもが変わり、毎日同じことをすることが一度もない1年間くらいを過ごしました。

これはこれで今の自分を作る土台のような経験になり、とてもいい経験をさせてもらったなと、今になっては思います。
この時の感覚が、今のフリーランスになって自分で仕事を取ってきて、自分の頭で考えて、自分の提供できる価値でお金を頂いて、いかに効率よく働くのかということに繋がっているような気がします。

今一緒に働かせてもらっている企業様や、今までに関わってきたスタートアップの会社や、個人事業主の方、経営者の方、みんな同じような働き方をしていて、今の働いている環境はどれも新規事業を進めるときと同じような感覚です。

資本力と使えるリソースとその成果

やっぱり何か新しいことをするには、スピードとエネルギーと根気強さが必要だな~としみじみと思うわけですが、改めて会社員時代の新規事業部での経験を振り返ってみると、今自分が抱えている課題感や問題と少し違うよなと思うことがあります。

わたしの会社は、そこそこ資本力のあるいわゆる大手企業に属される会社でした。

その上にさらに資本力のある親会社が存在します。
要は資金に余力がある状態での、新規事業の立ち上げでした。

さらに一緒に出資をしたパートナー企業様は、更に資本力の強い、超大手企業。どちらも資金に余裕があるのです。

一方、今一緒に働いているスタートアップの会社は、急成長しているものの、決して資金にゆとりがあるわけではない状態。スタートアップなので当たり前といえば当たり前なのですが、使える予算に限度があり、使えるリソース(人やステークホルダー的なもの)にも限度があります

その状態で事業を進めていくので、どう考えても大手資本の資金力がある方が強い気がしてしまいます。
何を持って強いというのか難しいところですが、有利な状態にあると言えると思います。

でも、今フリーランスになって一緒に働く人達を見ていると、限られたリソースでものすごく効率的に働いているのは、どう見てもスタートアップで働く人達。そして実際に大きな成果をあげているのも、スタートアップで仕事をする人たちなんじゃないかなと思います。

現在の関わる人達の働き方や思考力の高さは、毎日「素晴らしいな~こんな人たちと一緒に働けてありがたいな~」と思いながら働いています。

会社員時代にわたしが価値観の変容を覚えたあの感覚から更に、もっと強い価値観の変容がフリーランスになってから起きています。

会社員時代の新規事業部では、毎日ひいひい言って働いていたつもりでしたが、ある程度好きなように予算が使えて、出張も長期間行けていました。
経費も成果がどれだけ出ているかしっかりと検証や後追いを行わなくても、新規部署というだけで承認は緩かったし、特定の分野の話を聞きたいと思えば有料のセミナーを会社のお金で受けることが出来たし、会社の名前を出せば関係各所の方と、直接合ってお話を聞かせてもらうことも出来ました。

一方今の環境は、経費を使おうと思えば、どれくらいの効果が期待できるのか、成果がちゃんと出て投資額(経費額)が回収されたのか、回収されない場合次回はどうしたらより投資効果が大きくなるのか、そんなことまで考えて事業を進めます。

この投資は大きな投資でなくても、例えば営業が出張に飛行機で行くのか新幹線でいくのか、席は自由席なのか指定席なのか、それくらい細かいことでもかなり詳細に効果測定します。

最初は驚いて、「え!!!細か!!!ケチか!!!指定席一択でしょ!!!」とか思っていましたが、こういった小さな積み重ねが本当に大切。

コツコツ経費を削るということももちろん大切なんですが、それ以上にこの考え方自体が大切なんだと思います。

要は、「少ないコストやエネルギーで利益やパフォーマンスを最大化させる」という考え方が日頃から染み付いているということ。

今回例として、交通手段を出したのですが、売上や利益を上げるということに対して、この考え方を日頃から持って取り組んでいるということがすごく大切なんだと思います。

制限がかかることで生まれる当事者感

会社員時代ももちろん、一生懸命仕事には取り組んでいたのですが、やっぱりどこかにゆとりや余力があったんだなあと思います。

自分は会社に雇われているのだから、この事業がダメだったとしてもクビになるわけではないし・・・

事業が赤字でも、他の部署が黒字になっているから会社からの給料やボーナスはちゃんと貰える・・・

会社も最大限のバックアップをしてくれて、長期で回収するつもりで経費を使わせてくれる。

この環境に身を置いていると、いくら同じ新規事業を立ち上げるといっても、向かう姿勢が変わってきてしまいます(その時はそう思っていなくても)。

その事業をどうにかしようという、エネルギー量が全然違う。
それについて考える時間も、考える深さも全然違う。

人を巻き込む力の強さも、説得する熱量の多さも、働くチームの団結力も、何もかもスタートアップの作る新規事業に負けているなと思います。

やはり、人間追い込まれて本気がでるんでしょうね(笑)
必死感というか、当事者感が違うという感じです。

本気を出していると思っていても、どこかに保険的に守られているものがあるうちは、逃げ道がある状態で全力投球する必要がなくなるのかもしれないですね。

それを会社員時代には分かっていなかったんですよね。

追い込んで追い込んで、それで絶対に結果が出るというわけではないし、やっぱり資金力があることが有利には変わりないと思うのですが、やはり当事者感とか自分の思考がフル回転するのは、制限がかかっている状態なんだと思います。

フリーランスの働き方もまさに、スタートアップの新規事業のような感覚に近い気がしています。

大きな資本力がない分、自分が使えるリソースを最大化していくことが大切ですね。
制限のかかった状況は、実は思考がすごく回っていいアイディアや、自分のパフォーマンスを上げてくれる気がします。

その状況をうまく活用して楽しみつつ、自分自身の価値をどんどん上げていくことが出来ればいいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


シンバ🦁

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