見出し画像

【しまね女子ブログ】我が家のおせち

こんにちは。大田市五十猛町在住の西原貴美です。
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月ということで、今回は我が家の「おせち」について。

その昔、20代の頃は、おせちは母が作ってくれるものでした。自分で作ることなど考えたこともなく、出てきたものを食べる。気楽なもんです。
それが、10年前に娘が産まれたことをきっかけに心境の変化があり、なぜだかこどもには自分が作ったおせち料理を食べてもらいたいと思うようになったのです。料理をするのは元々好きだったし、これを機に私も作ってみるか、というわけで娘が1歳の年から少しずつ見よう見まねでおせちを作ってみることに。
 
また、それと前後して自分の店(食堂)を持つことになり、SNS などで自宅のおせち料理を投稿していたところ、ありがたいことに「食べてみたい」という声をいくつかいただくようになりました。今では品数も増え、自宅用に加えて、お店用にもおせちを作って販売しています。

おせち こちらは去年販売したお店のおせち1人前。鹿肉猪肉たっぷりの18品目。

伝統的な品目も数種類は入っていますが、基本的には家の近くで採れたものや、大田市産、島根県産のものを使って、我が家らしいオリジナルなおせちを作っています。
参考までに、今年のメニューがこちらです。全18品目。

雁喰豆の塩煮 柚子釜
田作り
椎茸の含め煮
津田カブのマリネ
柚子人参
大あなごの西京焼き
大田産水蛸の柚子塩麹漬け
巻かない伊達巻
はんだ牛蒡と人参の酒粕煮
鹿モモロースト
猪モモの焼きハム
猪肉のテリーヌ
燻製チーズとナッツ
鹿肉のオイル漬け
猪肉のサラミ
干し柿と胡桃
鹿ハツの燻製
金柑の白ワインコンポート
栗と薩摩芋と南瓜の茶巾絞り
 

まずは、なんといっても「はんだ牛蒡」。
江津市で自然栽培で農業をされている反田(はんだ)さんが作られているゴボウ。
我が家では、なくてはならない食材のひとつ。皮剥きアク抜き不要、生でそのままかじる事ができて信じられないくらい甘くて味が濃いのです。収穫時期の夏〜冬にかけて、家でも店でも大活躍なのですが、もちろんおせちにも。煮物にテリーヌの具材に、幅広く使わせていただいています。本当に、本当に美味しいゴボウです。

はんだ牛蒡 反田さんの自然栽培土付きゴボウ。本当に美味しい。

 
それから、ハムやテリーヌ、リエットに使用している猪肉。
こちらは、邑智郡美郷町の「おおち山くじら」さんのもの。
生け捕りにした猪を処理施設まで運んで施設内でと殺、放血しておられます。罠の種類によっては、専属の技術者さんが現地まで足を運び、生きているのを確認した上で、と殺、放血を行うそう。徹底した品質管理で、とても良い状態の猪肉を販売しておられます。仕事上、今までに色々な場所で様々な状態の猪肉を見てきましたが、本当にこちらのお肉は綺麗で美味しくて、安心して調理ができます。こちらの部位ごとの細かいリクエストにも応えてくださって、本当にいつもお世話になりっぱなしです。

猪肉 猪のモモ肉。この後、オーブンで加熱して焼きハムに。

 
次に、大田の大あなご。
こちらに引っ越してくるまでは全く知らなかったのですが、島根県のアナゴ類の漁獲量は全国でも上位で、そのうちの半分が大田市内で水揚げされているそうです。
そうなのか!どうりでスーパーでもやけにアナゴがたくさん並んでいると思った!
ということで、大田市に住んでいる者としてはこの食材を使わない訳にはいきません。身がふっくらしていて美味しいので、冷めても美味しい西京焼きにしています。
 

柚子と金柑 大田市内の生産者さんのもの。柚子は種無しで果汁たっぷり。

金柑と柚子は、10月に「私の好きな場所」で紹介させていただいたス
ーパー、グッディーさんの産直コーナーで購入。その他の野菜は自宅の畑で作っているものや、大森町の SUZUKI FARM の鈴木さんのものを使っています。

津田カブ 鈴木さんの津田カブ。松江市の津田地区で昔から栽培されていたカブだそう。
甘くて良い香り。色もとても綺麗です。

猪サラミに使っている干し柿は自家製で、栗と南瓜はご近所さんからいただいたもの。(詳しくは、11 月の「秋の味覚とご近所さん」に書いています。 )
そして、薩摩芋は美郷町の無農薬栽培のシルクスイート。伊達巻に使った卵も、美郷町の田中さんの放し飼い卵です。

猪サラミ 「おおち山くじら」さんの猪肉を使った加熱サラミ。自家製干し柿入り。
南瓜 ご近所さんにいただいた白皮南瓜。ホクホクで甘くて美味しい。

 
特別なこだわりがある訳ではないのですが(はたから見れば、こだわりしか無いように見えるのは重々承知の上ですが)、ここに住んでいる以上は、出来るだけ家から近くの、顔の見える生産者さんから、安心できる食材を仕入れさせてもらいたいと思い、塩や醤油等の調味料も可能な限り県内産のものを選んで使用しています。
 
もちろん、なんだかんだ言っても「美味しいのが一番!」であることは間違いないのですが、そうやって探して辿り着いた食材たちは、どれもこれも本当に美味しいものばかりなので、急がば回れとはこのことか、と。
つくづく美味しいものに囲まれて幸せだなあと嬉しくなります。
 

最後に。ここ島根県大田市ならではの「おせち」や「お雑煮」については、まだちゃんと調べられていないのですが、きっとあるはず。こちらも興味が尽きません。
これからも、引き続き色々と探索しながら、「我が家のおせち」のかたちを追求していけたらいいなあと思っています。

今回もお読みいただきありがとうございました!


▼過去の記事
《vol.1》江戸末期に建てられた古民家と出会う
《vol.2》引越しと改修 床を貼り壁を塗る
《vol.3》とある夏の日 食堂店主の朝から晩まで
《vol.4》私の好きな場所
《vol.5》秋の味覚とご近所さん
《vol.6.》秋の草花あそび

◆◇◆━━━━━━◇ プロフィール ◇━━━━━━◆◇◆

【名前】西原貴美(にしはらたかみ)
【居住市町村】大田市五十猛町
【UターンorIターン】Iターン
【移住前の居住地(都道府県)】岡山県
【年代】40代
【お仕事】料理人 / フレル食堂店主
【好きなこと】犬、植物、本、ごはん、煎茶道、着物
【Love shimaneとしてひと言】
海と山との距離、町の大きさ、気候。その全てが、私にはちょうどよくて住みやすい。特別なことはないけれど、季節ごとの五十猛での日々の暮らしを綴ります。

いいなと思ったら応援しよう!