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自作品

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自作品を入れてあります。種類は様々。
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#短編小説

夢一夜

 こんな、夢を見た。
 夏目漱石のパクりとか言って怒らないで下さい。
 見たんだからしょうがないんだもん。でもごめんなさい。

 長い間つきあっていた恋人との結婚がようやく実現に至った。
 つきあい初めの頃の情熱は少しずつ薄れていき、何度も起こった諍いにも疲れ始めていた、そんな頃だったけれど、それでもプロポーズは、それまでの辛さがすべて消えてしまうほど嬉しかった。

 父に報告をした。
 低く唸っ

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上弦の月

上弦の月

 受け月に願いをかけると叶うと聞いたのはどこで誰からだったか。
 誰にも言えない願いを、掬い零さず受け止めてくれる月だという。

 上弦の月の中でも、皿のように薄く真っ直ぐに冴えた月が、受け月と呼ばれるのだという。しかしこの月が、夜空に姿を見せるのは、一年の中でも実はそれほど多くはないらしい。
 偶々夜空に浮かぶ日に、雨も降らず雲もかからなければ見えるその月に、願いをかける。
 そのとき誰かに見ら

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薬と毒

薬と毒

 その夜、女はどばどばと涙と鼻水を流しながら、男と言い争っていた。

 男にとっては「理屈に合わない要求」が、女にとっては「耐えがたい苦痛」が、積み重なった末の、最後の一つが引金となった結果だった。

 暮らし始めて間もなく、男は女に、薬と毒の話をしたことがあった。
「薬と毒は、別種の何かではない。ある物質が人の身体に入ったとき、プラスに作用すれば薬、マイナスに作用すれば毒と呼ばれる。プラスになる

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枝豆

枝豆

 休日を共に過ごしたその日暮れ、男と女は、適当に目についた、小綺麗な居酒屋に入ることにした。

 男は、テーブル席を希望した。
 そこまで混んでいなかったのか、個室の四人席に通された。
 二人は腰を下ろし、昼間歩いて疲れた足を休めた。
「酒はどのくらい飲めるの? ビールは飲める?」と男が女に訊いた。
「そんなに強くはないけど、全然飲めないわけじゃないですよ」
 大学入学以降、あちこちで訊かれ続け、

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涙香

涙香



「それじゃ、行ってくる」
 早朝の駅のホームで、男は女の頬にキスを一つ残し、東京行きに乗り込んだ。
 女は右手を軽く振りながら、軽い微笑でそれを見送った。

 若い頃、様々な職を渡り歩き、一時華やかな業種にも身を置いたことのある男は、さほど美形でもなければ若くもないけれど、不思議とどこかあでやかな男だった。
 この男でなければ、こんな人目を引くような気障な真似はさせないのに。 
 女は、列車

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【二次創作】オペラ座の怪人異聞(追記あり)

『オペラ座の怪人』二次創作です。

 オペラ座の怪人のラストで、初回はボロ泣き、何度見ても辛さが減らず、可哀相で可哀相で、個人的にパラレルを作ってしまいました。
 こういうことをするのは、初めてのことです。拙い文章ですが、折角書いたので、この際、載せといてみようかと思います。

 あの舞台のラストは、美しい終わり方だったと思っています。
 あの物語の終わらせ方は、あれしかない、とすら思っています。

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