腐ったチームに火をつけた話
あいさつしない、人の悪口ばっかり、自分の仕事さえしてたらいい、他人を助けるなんて何のため?給料上がらんのに何で頑張るの?何を言っても響かない、そんなチームのリーダーになったらどうしますか?もううんざりですよね。こんなチームをまとめる僕の身にもなってくれよ!ってリーダーでさえ腐ってしまう恐れがあるのです。腐るスピードは本当に食べ物が腐り始めるのと同時に周りも腐敗させます。
なんて、冒頭からネガティブな言葉ばっかりですみません。僕の過去の経験を元に、チームを蘇らせるなんて大きなことは言いませんが、火をつけることに成功して、ちょっとだけ前向きになれるお話をできればと思います。
ポイントは5つ。これをおさえて頂ければと思います。
■とことん尽くす
部署異動に伴い、問題チームで有名である絶望的なメンバー5人のリーダーとなり仕事を進めていかなければならなくなりました。5人は僕よりも社歴が圧倒的に長く、僕はひよっこです。当初不安でいっぱいでしたが、「個性を活かして世界に貢献できる人を増やす」という僕個人のミッションがありますので、何とかしたいという思いで頑張ろうと決意しました。
まずは、僕の言うことを聞いてもらうようにしなければいけません。何かやろうと思っても完全に話を聞いてくれなければ何も始まりません。リーダー就任と同時にやったことは、信頼関係の構築です。当たり前なんですが、全てのプライドを捨てて教えてもらう気持ち、相手を尊重する気持ちを持って接していかなければいけません。
「僕はみなさんの仕事の細かいことは分かりません。今の仕事のやり方を教えてもらえますか?そして普段みなさんが抱えている不安や不満、問題点を教えて下さい。そしてしんどい、めんどくさい仕事であるほど僕に振ってもらっていいですか?」
そう伝えると、みんなキョトンとして、「へーやれるもんならやってみたら?」(言葉では言われてませんが)そういうならお願いしよかな。みたいな感じでした。
ややこしい発注業務、在庫確認、メーカーとのやり取り、他部署との調整など、まぁいう通りにやってたらしんどい!大変!泣きたい!そんな気持ちでした。
まぁ、そこであきらめないのが僕なので大丈夫なんですが、「なるほど!めっちゃ大変ですやん!こんな大変な仕事してMさんすごいですね!」っていう感想を伝えました。「そうやろ?できない奴を相手にするの大変やねん」ってちょっとだけ話を聞いてくれるようになりました。ここがポイントですよ。相手に共感するのです!それは実体験に基づいて共感という注釈付きです。口だけで大変ですねとか言っても全然ダメなんです。一緒に汗を流して、わかる~!ってならないとダメです。このパターンで他のメンバーも同様にやりました。
何が大変かって、この最初の段階が一番しんどかった記憶があります。だいたいここでくじけてしまうのですが、踏ん張り所はこの一番最初の共感を得るためにとことん尽くす!という所だと思います。
そうやって共感するのと同時に本質的な問題点や改善箇所のアタリをつけていきます。共感を得ながら情報収集するって感じですね。
■あなただけに伝えたい
次の段階は、こちらの情報の伝え方です。
しま:Yさん、他のメンバーにはまだ言ってないんですけど、今度こんな案件があって、うちに振られるみたいですよ。
Yさん:あー?そんなん無理やで。Tにやらしとけや。
しま:でもこれはチームで考えることなんで、みんなでやろうと思ってるんです。
Yさん:ふーん、おれなら◇◇するけどTはできるかなー?
しま:できますって!
しま:Tさん、まだ誰にも言ってないんですが、今度こんな案件がうちにくるらしいんですけど、◇◇したらうまくいきそうなんですけどどうですか?
Tさん:大変やなぁ、◇◇したら見通しは立つかもね。
しま:じゃー◇◇でいきましょうよ!今度の会議それで発言して下さいね!もちろん僕がサポートしますんで!
で、チーム会議でTさんが◇◇というのを発言して、Yさんが「お?」ってなりました。前からそう思ってた発言が出てTさんが主担当ならちょっと手伝おうかみたいな感じになりました。もちろん僕がほとんどフォローするのですが、会議でいきなり案件をぶつけたらどうなってたか想像できますよね?
相手に秘密の情報(ホントは全然秘密でなくてもいいんです)を先に教えてあげるというスタンス、僕はリーダーとしてあなたを信用して相談してるんですよっていう気持ちを伝えることが大切です。そうなると、相手も実は、、、みたいなことを教えてくれたりもします。
相手の心をくすぐるような、小さなことでも「あなただけに伝えてるんですよ、特別に意識してますよ。」っていうのが伝われば良いと思います。
■小さな気付きをおおげさに
これは子供のように扱って下さい。(笑)ちょっとしたことでも、「○○して下さったんですね!ありがとうございます!」「えー!こんなとこまで気にかけて下さったんですね!」とか、大げさにほめて下さい。ただ、アンテナをしっかり張っておかないと気付けませんので、見つける力はつける必要があります。ただ、それも他のメンバーから情報収集をして、大変な仕事をしているのを理解してあげるっていう気持ちがあればできるはずです。これは知らんやろーっていう細かい仕事に気付いてあげる。重箱の隅をつつくのは良いポイントにしておきましょう。
■どうせできないと思うけど
次に、ちょっと怖いやり方になりますが、挑戦して欲しいことがあります。無理にこの手法は使わなくてもいいのですが、ちょっと手ごたえを感じた所で使う方がいいかもしれません。相手によっては全然通用しなくて反発をくらいます。「Mさん、こんな大きい仕事があるんですが、いつも大変そうなんでどうせできないと思うけどできますか?」とふっかけます。(笑)うまくいけば「何言うてるねん!それぐらいできるわ!」ってなります。(笑)
これはある程度相手のプライドを傷つけないように、信頼関係ができていないと怖いです。ただ、どうせできないと思ってるので、期待してません感を出した上で、自分が全部する覚悟も必要です。もしできなかった場合は仕事を与えた自分に責任があると思って下さい。責任は上司です。その際、「すいません、キャパオーバーの仕事を与えた僕が失敗でした。今後他のメンバーに振るのでもう関わらなくていいです。」この一言でもう一回やるからちょっと待て!と言われたこともあります。その場合は最後のチャンスとして再チャレンジしてもらっても良いと思います。これもタスクの期限や失敗がどこまで許されるかにもよりますので、ちょっとテクニックがいりますね。
■周りにアピールする
最後にすることは、メンバーの頑張りをさらに上の上司、または関係者、はたまた社長までに、こんなことしてくれてますよ!っていうアピールをしっかりすることです。これはものすごく大切です。相手に対して感謝の言葉をかけるのはもちろんなのですが、それ以上に効果があるのが第三者によるほめ言葉です。こんな改善してくれたんやね!とか、ここを助けてもらったのはMさんなんですね!ありがとうございます!って思ってもみない人から言われるとめっちゃ嬉しいモノです。なので、色んな機会に仲間をほめちぎりましょう!間違っても愚痴や文句を言ってはいけません。
というわけで、5つのポイントを抑えてチームがちょっとだけ変わって仕事がスムーズになったというお話でした。人間そんなうまくいくわけないわ!って感じられるところもあると思いますが、何か皆さんのヒントになって頂ければ幸いです。その後のチームがどうなったかはまたどこかでお伝えできればと思います。
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それでは今日はこの辺で!チャオ!!
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