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踊る骨

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【あらすじ】 公園で5歳の幼女が行方不明になった。それから目に見えて変化していく17歳の大川雪柾。彼が幼女を誘拐した動機は、想像を絶するほどおぞましいものだった。 ※R15 エロ…
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【長編小説】踊る骨 プロローグ/高村亜美

 プロローグ 高村亜美  1  ■一九九六年 十月十四日 月曜日  すっきりと晴れわたっ…

島田幻史
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【長編小説】踊る骨 第1章/沢木未々

 第1章   1  ■十月十六日 水曜日  沢木未々は、テーブルに並べられたベーコンとホ…

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 第2章   1  ■十月十七日 木曜日  大川雪柾は堤防を軽快に走っていた。まだ朝の六…

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【長編小説】踊る骨 第3章/小野アリア

 第三章   1  ■十月十九日 土曜日  高村亜美が消息を断ってから五日が経過して事態…

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【長編小説】踊る骨 第4章/大川珠美

 第4章   1  ■十月二十日 日曜日  雪柾の母、大川珠美も、小野アリアと同様に、雪…

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6か月前
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【長編小説】踊る骨 第5章/再び、小野アリア

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島田幻史
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【長編小説】踊る骨 エピローグ/高村恵子

 エピローグ 「亜美ちゃん、おはよう。気分はどう?」  高村恵子はいつものように亜美の骨にむかって話しかけていた。左手の親指の第一関節から先の小さな骨だ。  彼女は亜美の両腕が助けをもとめるように青いシートを持ち上げていたという話を人づてに聞いたにすぎなかったが、その光景をありありと思い浮べることができた。  どんなに淋しかったことだろう。  どんなに恐かったことだろう。  まだ五つになったばかりなのに、それはあの子にとって、死よりも辛かったに違いない。  亜美が指を吸うこ