「夢を見つける手伝いをするよ」ではなく「夢はなくても大丈夫だよ」でいたい
今日は「夢」の話です。
皆さんは子どもの頃「夢」ってありましたか?
私にとって夢と言えば、こちらの記事で書かせていただいたような「物書き」です。
でも、物書きになりたいというのは20代に芽生えた夢で、小中学生の頃の私には夢なんてありませんでした。
今度関わらせていただく場づくりに関連して、最近、小中学生のキャリア教育のことを調べたり、学校で取り組んでいる「キャリアパスポート」のことを娘たちと話したりしています。
聴いてみると、学校で「将来の夢を書いてください」と言われても書けない児童・生徒がいるようなんですよね。そりゃそうですよね、私も書けなかったし。
そして、教室ではさっさと書き終えて提出するひとと、なかなか書けずに遅れるひとが比べられます。書けない自分が比べてしまうんです。同級生と比べて「夢がない自分はダメなんだ」と自分を責めてしまうひともいるかもしれません。
でも、本来、夢を書けないことは悪いことでも劣っていることでもありません。
子どもの時点で「この仕事がいい!」と思っても、世の中の職業に対する知識・理解が十分でない中での印象です。
自分自身の「好きなこと」「得意なこと」も発展途上で、実際に職業を決める時期までにまだまだ変化します。
夢を書けることは悪いことではありませんが、書けたとしても「職業選択の材料」としては未成熟だということです。夢に向かってひたむきに努力することを否定はしませんが、やはり夢があることを殊更前向きにとらえる必要もないと、私は考えています。
夢なんてなくても大丈夫。
それよりもやるべきことから逃げずに向き合ったり(逃げるべきことからはしっかり逃げて)、好きなことや得意なことにアンテナを立てたり、誰かに愛情を注がれ誰かに温かい眼差しを向けたり、毎日を一所懸命に生きることの方が、何百倍も大切なこと。
少し気になるのは、夢がないことで「自分なんてダメなんだ」と思う子どもがいること。
本人の自己肯定感を下げたり、キャリアについて考えることにネガティブな印象を持つことは、望ましいことではありません。関わる大人だって、冷静に考えれば分かることですよね。
すぐに学校の現場が変わるのは難しいかもしれません。先生たちに余裕はなく、キャリア教育について考える時間の優先順位も高くなりにくいでしょう。
でも、そもそも子どものキャリア支援・キャリア教育は、学校の先生だけの仕事ではないはずです。
私たちにもできること/やるべきことがあるはずです。
ここでいう「私たち」とは「親」と「地域」です。
子どもたちのキャリア支援で、安易に「夢」を書かされたりするのではなく、今働いている大人たちがどうやって「好き」や「得意」を職業に結びつけたのかを聴いたり、自分の「好き」や「得意」を見出して育む方法を知ったりする時間を設けること。
もっと根っこで言えば、勉強する意味や働く意味を語り合ったり、「幸せって何だろう?」と考えたりする機会をつくるのは、親や地域の大人だからこそ関われることがあるような気がするのです。
だから、私が親として、地域の大人としてできることがあるはずですし、これを読んでいる誰もがきっと何かしらの関われる場所があるのではないでしょうか。
様々なひとたちが子どもたちの幸せを願い、それぞれの場所で子どもたちのキャリア支援に取り組んでいます。
そこに関わるすべてのひとたちに敬意を表し、応援のエールを送りながら、キャリアコンサルタントとしての私は、「夢を見つける手伝いをするよ」ではなく「夢はなくても大丈夫だよ」という立場でいたいのです。
皆さんは、如何お考えでしょうか。
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2021年2月に初の著書を出させていただきました。
主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という想いで、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
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また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。
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