その場で「ソース」になる ~つながりだけで集まる読書会『すべては1人から始まる』~
2月9日(木)の夜、オンラインで『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』(トム・ニクソン/英治出版)の読書会を開催しました。
『すべては1人から始まる』は、人々が活動する場「クリエイティブ・フィールド」には必ずその活動を始める最初のひとり《ソース》がいること、クリエイティブ・フィールドにおける《ソース》の役割、クリエイティブ・フィールドに加わる人々への関わり方などを整理した《ソース理論》について書かれた本です。
企業には創業者がいて、NPOにもファウンダーがいて、そういった組織的なものでなくても、週末にフットサルをやろうと呼びかけるのも、あの人のためのサプライズパーティを呼びかけるのも、そこには必ずたった一人の《ソース》がいるというのがソース理論の考え方。
これを私は《言い出しっぺ理論》と理解しました。
私自身、これまでにいくつかのコミュニティや団体の《言い出しっぺ》になり、傷つくリスクを負いながら最初の一歩を踏み出した経験があるので、読みながらメッチャ頷いて、「あのとき、こうしておいたらよかったのかな~」と読みながら過去のアレコレを振り返っていました。
そんな本書のことを、月に一度出演させていただいている音声配信「大人の学びにきく(聴く・効く)みつまめチャンネル」で紹介させていただいたところ、聴いてくださったリスナーさんから「この本を読みたくなった」「この本を買った」といった声をお聴きして、それならと読書会を企画することになったのです。
ということで企画したのがこちらの読書会です。
つながりだけで集まる読書会『すべては1人から始まる』。
「つながりだけで集まる」というのは、イベント情報はSNSなどで一切告知なし。参加者は、元々この読書会の企画したメンバーからの直接お声がけしたひとだけ。ちなみに私はどなたにもお声がけせず、純粋にホストに徹することにしました。
どの参加者も、その場には声をかけてくれた誰かがいるので、初めて飛び込む場と比べると安心して参加していただけます。
また、声をかけた側は、対話したいと思えるひとに声をかけてくれたはずですから、ファシリテーターとして不安な要素もほとんどありませんでした。
実際に、チェックインや前半のダイアログのラウンドから終始、主体的に語り合い、聴き合う、とてもいい雰囲気の場になっていました。
今回の読書会は、この「つながりだけで集まる」の他にもプログラムで工夫したのが、オープンスペーステクノロジー(OST)の要素を取り入れたことです。
OSTはワークショップの手法のひとつで、あるテーマで集まった参加者が、自ら対話すべきことを決め、どの対話の場に参加するかを主催者やファシリテーターに指定されるのではなく自ら決めるという方法。
簡単に言えば「どんなテーマのダイアログの場が立ち、それぞれのテーマのダイアログに誰が参加するのか、それらを参加者自身が決めるワークショップ」です。
今回は、読書会でそのままOSTを実施したわけではなくて、その要素として、参加者の皆さんからダイアログのテーマを募り、4つのテーマを設定することができました。
参加者は、設定された2部屋×2コマの4つのテーマの時間割の中から、1コマ目と2コマ目でそれぞれ参加する部屋を決めてエントリー。
各部屋ではそのテーマを提案したひとが、どうしてそのテーマで話したいと思ったのか、その想いに耳を傾けるところから始まり、一人ひとりがテーマの「問い」に答えながら、徐々にダイアログに入っていきます。
そのテーマでみんなと話したいと思うひとがその部屋を立ち上げて、そこにそのテーマのダイアログに参加したいと思うひとが参加する仕かけなので、テーマを提案していない参加者にも主体的に参加してもらえた感触があります。
読書会の最後に参加者の皆さんにもお伝えしたのですが、今回のプログラムの肝となったテーマを提案して部屋を設定するという行いは、そのテーマのダイアログの《ソース》になるということです。
参加者の中には『すべては1人から始まる』を読んでも、ソースという概念にピンとこないひともいたかもしれません。
でも、この読書会の中で自らがソースになる経験をしたり、「傷つくリスクを負いながら最初の一歩を踏み出す」という誰かがソースになる瞬間を目の当たりにしたはず。
これが『すべては1人から始まる』の読書会で、OSTの要素を取り入れたいと思った意図でした。
今回の読書会をつうじて、参加者の皆さんにどんな価値をお届けできたか分かりませんが、「まだまだ話したい」「ぜひ第2回を!」といった感想も聴こえてきました。
参加者の皆さんが、この『すべては1人から始まる』という本にさらに興味を持ってくださっていたり、《ソース原理》の理解が深まったりしていたなら、プログラムデザインとファシリテーションを務めた立場としてホッとします。
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