ライフシフト的にライフシフト2の読書会をデザインする
2021年の年末。
ひょんなことから5週連続の読書会を朝活で実施することになりました。
↓こちらfacebookでの投稿
https://www.facebook.com/masashimada/posts/4392633524146607
この記事では、その「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」について振り返りながら、オンラインでの読書会を企画し、参加者と一緒に場をつくることや、やりたいことをプロジェクト型で実行するポイントなどを考えてみます。
休暇中だからか、長めの記事になってしまいましたが、よろしければ最後までお付き合いください。
そもそものキッカケは
『LIFE SHIFT 2』(アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン/東洋経済新報社)を買ったはいいものの、山盛りの積読、途中で挫折しそうなボリューム。これは私の意志を頼っていては、積読の標高を高くするだけになりそう。
だから「読書会」というスタイルで、読まざるを得ない状況にしてはどうかな~という妄想を投稿したのが上のFBの投稿です。
そんな私の投稿を見た、菊川小百合さんと廣瀬杏奈さんが一緒に企画・運営チームを組んでもいいよ、と声を上げてくださったことで、本当に読書会を実施できることに。(菊川さん、廣瀬さんには本当に感謝しています!)
ということで、急ではありますが、3人の企画・運営チームで相談し、読書会はこちらのバナーのような形になりました。
その名も
「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」
読書会であり、朝活でもある、そんな企画になりました。
特徴は、以下の5つです。
ここからは、簡単にこれらのポイントをご紹介します。もし今後、読書会などを企画するタイミングがあれば、参考になる部分があるかもしれません。(将来の私にとっても)
ポイント① 毎週土曜の朝6時
複数回にわたって開催するイメージだったので、平日の夜せよ土日の日中にせよ、最初から曜日と時間は固定するつもりでした。
私の中である程度毎日充実している=つまりは既に時間のやりくりは工夫されているようなひとが参加してくれるには、土曜日の早朝ではないかという仮説があったので、実験的に毎週土曜日午前6時~7時にしてみました。
参加者からはこの時間設定は好評で「この企画が終わっても、土曜日の6~7時は学びの時間にしたい」と言ってくれるひともいました(実際に参加できているひとたちの感想なので好評なのは当たり前ですが)。
もちろんライフスタイルは多様なので合わないひともいると思います。
ただ、概ね平日の9時~18時くらいを本業の稼働時間としているひとは、仕事も家族も、恐らくは趣味なども犠牲にすることなく「金曜の夜に早く寝る」ことだけで確保できる、新しい時間の源泉だったのではないでしょうか。
以前の私だったら、この時間がよさそうだと思っても、寝坊が怖くて実行できなかったと思います。昨年からの朝活習慣の賜物です。
ポイント② 1冊を5回で
今回、『LIFE SHIFT 2』を5回に分けて「みんなで語る」ことにしました。5回の内訳は以下のとおりです。
もちろん1回の読書会でこの1冊まるまるについて、参加者同士で語り合う場をつくることも技術的には可能です。
ただ、そもそも朝活をペースメーカーにしたかったので、毎週1週間かけて次の朝活で語る1章分か2章分、ページ数にして60~最大でも100ページくらいを読んで集まるスタイルにしました。
これにより『LIFE SHIFT 2』のそれぞれの章の内容に参加者が焦点を合わせてしっかり語り合えたので、本書に対する理解も深まりましたし、他者の考えに触れることによる相乗効果も強まった気がします(それでも各回時間は足りませんでしたが・汗)。
ポイント③ 講義よりおしゃべり
既に読了している企画・運営チームが参加者のために場をつくるのではなく、私たちも運営側も毎週、参加者と一緒に読んで本書への理解を深めていく立場でしたので、先生役のいない場になるのは避けられない条件でした。
そのため、3人の小グループに分かれて、その日のテーマとなる章について語り合うというシンプルなプログラムにしました。
3人という人数はなかなか絶妙でした。4人だときっと話し足りなくて、消化不良になっていた気がします。(本当は3人というのは、場を選ばないと怖い人数なんです、企画者やファシリテーターの立場としては)
他にも、小グループに分かれてからは基本はフリートークなのですが、「何を話したらいいんだろう?」と思う参加者のために、こんな問いを設定したり
初対面の参加者同士がスムーズにお話に進めるように、第1回と第2回は小グループでまず簡単な自己紹介をするようお願いしたり。
皆さんが小グループで話す前の「頭の準備」のために、こんなスライドを掲示したこともありました。
こんなふうに、ところどころで仕かけを施して小グループでのお話が深まったり、広がったりするのを支援していました。このあたりはワークショップデザイナーとしての技術を活かすことができました。
ポイント④ グループでの交流
今回の「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」は、全5回、告知から終了後の「余韻」も含めると、1カ月半~2カ月近くの企画です。その間、私たちは「企画・運営チーム」と「みんなで語る朝活の参加者」として過ごします。
この期間を一緒に過ごすことになるので、企画・運営チームと参加者、そして参加者同士のつながりを育てたいと思って、いくつかの仕かけを施しました。
その一つがFacebookグループ。イベントのステータスが「参加」になっているひとには、このグループにも参加していただきました(「興味あり」のひとはグループには招待しませんでした)。
Facebookの「イベント」の機能と「グループ」の機能を同時につかって交流を生み出す試みです。
あとは、「放課後タイム」(と参加者の方が名付けてくださったのですが)として、毎週各回終了後に希望者だけ残って、おしゃべりをする時間を設けました。
その回のテーマについて話すこともあれば、そこから展開してテーマから離れた話になったり、互いの仕事やプライベートのことを話したり。
結果。何も講じない場合と比べれば企画・運営チームの負荷は高くなりましたが、参加者の中から「また参加したい」という声が出てきたり、「今度は企画・運営側で関わりたい」と言ってくれるひともいたり、ある程度の手応えはありました。
ポイント⑤ チームで企画・運営
記事の冒頭でも書きましたが、今回の企画は、私のFacebookでの投稿を見た、菊川小百合さんと廣瀬杏奈さんが一緒に企画・運営チームを組んでくれたおかげで実現しました。
お二人とチームとして企画・運営することになり、「これはとても『LIFE SHIFT』的だな~」と感じてこの企画をスタートしたのを憶えています。
『LIFE SHIFT』1作目でも2作目でも共通しているのは『WORK SHIFT』でリンダ・グラットンが予言した、「組織に所属するのではなく、プロジェクト単位で仕事をするスタイル」で働くスタイルの存在です。
自分ができること(専門性・スキル)と設定された課題、そして条件(期間・場所・報酬等)などをかけ合わせて、自ら携わる仕事をプロジェクト単位で渡り歩いていく。
今回の「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」の企画・運営チームが、まさにそのスタイル。プロジェクト単位でつくられたチームであることに加え、役割分担でも菊川さんと私は互いに進行とテクニカルサポートでフォローし合い、廣瀬さんは見事なグラフィックレコーディングで場に貢献し合う関係性は、互いに自分ができることを組み合わせて価値を生み出すチームでした。
チームの立ち上げ方、チーム内でメンバーが主体性を発揮しやすくなる働きかけなど、今回はいろいろと試行する機会をいただけたのが、私にとってはとても大きな「無形報酬」でした。
LIFE SHIFT的な取組の試行
ポイント⑤の続きのような話になりますが、今回の「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」は、その企画そのものがとても『LIFE SHIFT』的な取組でした。
それは、企画・運営チームの在りかただけではなく、多様な参加者が学び合う場を主体的につくる様子であったり、そこでの出会いが「足場」となって「ありうる自己像」を豊かにしたり、ここで得られたひととのつながりや経験が「無形資産」になったり。
と、理屈はいろいろあるのですが、この記事のカバー画像にもなっている、廣瀬さん作のグラフィックレコーディングを見てください。
最終回では、リフレクションの時間をつくり、
これらを考えた参加者から出てきた言葉がグラフィックレコーディングの中に書き込まれています。
これを見ると、そしてご自身のリフレクションの結果を話していた皆さんの顔を思い出すと、この企画にどういう意味があったかどうかは一旦脇に置いて、参加者の皆さんは有意義な時間を過ごしてくださったんじゃないかなと、私は少し頬がゆるみます。
ほんと、年末の慌ただしい時期ではありましたが、思い切ってやってみてよかったです。
参加してくださった皆さん、そして一緒にチームとして企画・運営を担ってくれた菊川さん、廣瀬さん、本当にありがとうございました。
今回の参加者の皆さんとはまた新しい学びの場をつくっていけたらと考えていますし、今回の企画・運営チームのお二人とも何か新しい挑戦ができたらいいな~と思っているのですが。
上の1月1日の記事でも書いたように、こんなことを考えています。
まさに今回の「『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活」での経験を活かして、こんな場をつくっていきますので、ご一緒していただける方や興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。
一緒に楽しいことを仕かけていきましょう。
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2021年2月に初の著書を出させていただきました。
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そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。
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