キャリアコンサルタント試験 合格・登録までの流れ
先日、こちらの記事でもご報告しましたが、無事にキャリアコンサルタントの試験に合格し、現在登録手続き中です。
今日はキャリアコンサルタントという資格に興味がある人の役に立てばという気持ちで、最終的に試験に合格して登録手続きをするまでに、いつ、どんなことをするのか、全体の流れを整理してお伝えします。
養成講座申し込み(8月下旬)
6月から定額給付金のチームに配属され150時間/月を超える残業の日々もようやく出口が見え始めたお盆明け。
ふと「本務に戻ったら今より時間の余裕があるかもしれない。それなら今年度のうちにキャリアコンサルタントの資格を取ってしまいたい」と思い講座を探しました。
申し込んだのはパソナの「パソナ生涯キャリア支援協会」の講座。
他にもいくつか連絡を取ってオンラインでの説明などもお聴きしたのですが、年度内の試験に間に合う講座で空きがなかなか見つからず、たまたま空いていたこちらの講座に申し込みました。「空きがあればどこでも」と思ったりもしましたが、結果的にとても私にはフィットした講座でした。
養成講座開始(10月末)
10月末から始まった養成講座は完全オンライン。実はこれがとても助かりました。パソナの講座は、本来なら東京まで通学しなくてはいけないところが、一歩も外に出ずに修了することができたのは、時間の使い方、特に家族との時間を確保するという意味でとてもありがたかったです。
ほぼ毎週土曜日(週によっては土曜も日曜も、たまに祝日も)の10時~18時まで(昼休みは12時~13時)、合計みっちりと勉強しました。
私が受けた講座は午前中は、雇用統計であったりキャリア理論、面接技法などをテキストに沿って講義を受ける「知識講習」、午後は演習として実際に診断ツールを使ってみたり面接技法を学ぶ「技能講習」でした。
ちなみに養成講座が18時に終わったら、そのあとはお風呂や夕飯をチャッチャと済ませて、家族でゲームタイムにしていました。(ハマったのはドイツ生まれのカタン)
養成講座修了(12月末)
養成講座最終日は12月26日でした。本当に年末ギリギリ。オンラインだからというわけではありませんが、修了証はメールでPDFファイルが届きました。
ちなみに講座としては、オンラインでリアルタイムの「知識講習」「技能講習」合わせて76 時間、eラーニング型式で与えられた課題のレポートを提出するのが74時間、合計150時間で修了です。
レポートの74時間は目安で、実際はもっと手早く効率的に履修することが可能です。私は課題文を読んで、対象となるテキストを読み、テキストの中から解答にあたる箇所を抽出、加工して整えていました。
修了したときに書いた記事はこちらです。
対策講座(1月~2月末)
150時間の養成講座を終えたら、年明けからは対策講座が始まります。当然ですが対策講座は養成講座とは別に申し込みが必要で別料金。
当局の指導などもあり「養成講座の中では試験対策をしない」というのが、養成機関のスタンスのようでした。なので、極論すれば養成講座は本当に受講するだけで知識などが定着していなくても、対策講座を柱に試験対策をミッチリやれば合格は可能かもしれません。
但し、後述しますが養成講座をどのように受講するかが、個人的には試験対策の効率性を左右すると感じました。
対策講座は、①筆記対策(eラーニング+講義)と②論述(通信+講義)対策と③面接(ロープレ)対策です。
①筆記対策はeラーニングがメイン。eラーニングでは、600問ほどの頻出・予想問題が配信され、それをPCやスマホでひたすら解きます。講座によって方法は異なるかもしれませんが、私が受けた講座の600問は正確には600肢。
(イメージ)
クランボルツ(Krumboltz, J. D.)は、職業選択は学習の結果であって、過去に起こった出来事と将来起こるかもしれない出来事とを結びつけて解釈した結果であると考えた。【答:正しい】
(出典:第16回 国家資格キャリアコンサルタント試験 学科試験)
4択問題の一つひとつの選択肢についてのマルバツ問題が600個ということ。eラーニングに加えて、模試と最後の総まとめの講義の2回のオンラインでの講義もありました。
個人的には模試で合格点を下回り「ヤバい」と思ったのですが、「まだ時間がある」と思ってなかなか本格的な詰込みを始めなかったので、終盤にかなり焦りました。
よい子は模試の前から、しっかり勉強してください。
ちなみに私は3月7日が本番だったのですが、2月21日の学科の総まとめ講義のあたりからようやくeラーニングに取り組み、模試とeラーニングの総ての肢の正誤を根拠も含めて頭に叩き込みました。
筆記試験対策期間は約2週間の激短期集中型です。
ただ、これが可能だったのは養成講座を受講しているときから、講座の内容の理解に努めていたからではないかと思っています。真面目に受けていたよかった……。
②論述対策はメールで課題が配信され添削される通信教育方式とオンラインでの講義でした。筆記対策と面接対策の狭間に落ちて、優先順位がなかなか上がらなかった論述対策。
でも、論述対策は面談の構造と展開の理解につながるので、早めにコツを掴めるように取り組むと、面接対策が楽になると思います。
③面接(ロープレ)対策ですが、私が養成機関にお金を払って対策講座を受講して、最も元を取ったのがこのロープレでした。これももちろんオンラインで、受講生が3人一組となり、3人でキャリコン役、クライアント役、審査役を務めて実施します。
キャリコン役は、養成機関が用意した二十数種類のクライアント設定の中から1つを選びクライアント役に演じてもらい、15分間のロープレを行います。終了後は審査役の進行で5分間の口頭試問の練習。最後に5分程度でクライアント役と審査役からフィードバックをもらいます。
15分間の実技と5分間の口頭試問というのは、本番と同じ時間設定です。
これを3人が役割を変えながら90分間で1セット。
平日は夜間に1セット、土日は日中に4セットできるのですが、平日は3日間、土日は4日間、合計19セット開講している中で、目安で5セット以上参加するよう促されますが、私は15セットくらい参加したと思います。講師も自分の実技を見てフィードバックをくれるので、それが非常に参考になりました。
加えて、養成機関の配慮で受講生同士が自由に集まってロープレができる時間帯もつくってもらって、そちらにも直前まで参加して自分なりの面談の下地をつくり、弱点などの傾向も理解するよう努めました。但し、ロープレは数をこなせばいいというものでもないので注意が必要。
実は私はこの面接の実技、初めてやったときはボロボロでした。
確か、養成講座の最後の「技能講習」が実際のロープレだったのですが、コロナ禍で新卒で入った会社が完全オンラインでの就業となってしまい悩んでいるクライアントで、何を訊いたらいいかまったく分からなくなったんです。頭の中が真っ白。残り時間が5分もあるのに無言になってしまって、嫌な汗をかきました。
「これはヤバい」と思って、今一度養成講座で教わった技法をおさらいしたり、積極的に対策講座のロープレに参加して、徐々に自信をつけていきました。
筆記・論述試験当日(3月7日)
正確には学科試験と実技試験のうち論述試験を同じ日に受験します。午前中が学科試験、午後に論述試験です。
前日に妻からハンドクリームや缶バッジのお守りを借り、娘たちからは鉛筆と消しゴムを借りて、試験会場でのメンタルの支えにしました。
このあたりのことは、こちらの記事をご覧ください。
実際のところ、筆記試験を受験している最中は「コレ、絶対にヤバい!」と思っていました。多くの受験生と同じように「コクラン(Cochran, L.)って誰だよ!」と問題用紙にツッコミを入れていました。
また、午後の論述も、対策講座で練習してきた形とは出題の仕方が少し変わっていて、悩みながらも理解し、組み立てましたが時間はギリギリだったと思います。
いずれにしても、この学科と論述が終わったことで、かなり追い込まれていた精神状態が少し緩和され、気持ちが非常に楽になりました。あとは筆記と論述の点数が少しでもよくなるように、善行(いい行い)を積み重ねようと心に誓って試験会場を後にしました。
実技試験(面接)(3月20日)
東京会場だったのに千葉の大学まで行くことになった筆記試験とは異なり、実技試験は(ほぼ)地元の大宮で受験できたのが何より助かりました。会場の共済会館は、仕事で何度も使ったことがあったので(ほぼ)ホーム。
集合時間に待合室で受付し、あっという間に最初の組で呼ばれてあれよあれよと本番。
女性のクライアント役で、細かい内容は省きますが、ロープレの練習をしてきたときの手ごたえと比べて、あまり話してもらえない、元気がないようなクライアントだったので正直少し焦りました。
ただ、私は練習のときから比較的口頭試問が得意で、自分の不足したところや15分間の後の展開などでキッチリ説明できたのがよかったようです。
あとは筆記と論述の試験のあとと同じように、点数が少しでもよくなるように、善行(いい行い)を積み重ねようと心に誓って試験会場を後にしました。
すると、駅までの道の途中でキャリアコンサルタント試験の受験票を持って、スマホを覗き込みながら、明らかに道に迷ってる風の女性を見かけ、一瞬通り過ぎたのですが「善行を積み重ねよう」という下心を思い出し、会場までの道をご案内しました。彼女は合格できたのかな~。
合格発表(ネット)(4月16日)
実技試験後、1か月間近く合格を祈って善行を重ねる日々を過ごし、いよいよ試験実施機関のホームページで合格発表。
https://www.career-shiken.org/
職場でお昼休みに確認して、自分の受験番号があることを確認しましたが、「何か間違いがあるかもしれない」と思って、合格通知を見るまでは安心できないと疑っていました。
でも、一応妻には速報で「合格したっぽい」と連絡しましたよ。
合格通知(4月17日)
ホームページだけじゃ安心できないと思い、合格通知はいつ届くんだろうと待っていたら、あっさり翌日に届きました。
ええ、筆記試験がギリギリでしたYO!
でも、これで晴れて合格。
試験対策から卒業できることになりました。
こちらが合格報告の記事です。
めっちゃ浮かれて、めっちゃ昂ってますね、文章が。読み返すとちょっと照れ臭い。
登録申請(4月26日)
(キャリアコンサルタントの登録)
第30条の19 キャリアコンサルタント試験に合格した者は、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿に、氏名、事務所の所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けて、キャリアコンサルタントとなることができる。
(職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号))
キャリアコンサルタントは名称独占資格なので、資格のない者が名乗るのは禁じられています。そして、名乗るためには登録が必要です。
ということで、合格通知を受け取ってから書類などを準備して、大型連休前に登録申請をしました。(この記事を書いている5月11日現在、登録手続き中です)
申請に必要なのは以下のものです。
①キャリアコンサルタント登録申請書(本体)
②キャリアコンサルタント登録申請補⾜書類
③住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)
④収入印紙(9,000円/登録免許税)
①②は登録機関のホームページからダウンロードします。③はマイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機で出力可能※です。④は郵便局で発行してもらえます。
※お住いの自治体によっては対応していないところもあるかもしれません。その場合は役所で交付してもらう必要があります。
そろそろ登録証が届くかな。
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さて、国家資格キャリアコンサルタントの試験に合格するまでの道のりを時系列順に書いていったので、かなり長い記事になってしまいましたが、これでこの資格を取得するまでの全体の流れをご理解いただけたのではないでしょうか。
2週間で攻略した超ド短期筆記試験対策や論述・面接対策の具体的な勉強法などについては、また別途試験対策の記事を書きたいと思います。
今日のところはひとまず養成講座から合格後の登録手続きまでの流れをご紹介しました。
キャリアコンサルタントの資格取得を検討している皆さんの参考になればうれしいです。
★ご報告★
おかげさまで初の著書を出させていただきました!
主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
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