110フィルムで振り返る、秩父鉄道日帰り旅
休みの日を使って、日帰りで秩父方面へ出かけました。
東京からだと西武線を利用するのがスタンダードですが、今回利用したのは秩父鉄道。
羽生駅から埼玉県の北部を東西に横断し、秩父の三峰口駅までの71.7㎞。
基本的に各駅停車のみ(ラッシュ時に急行がある)なので、全線通しで2時間弱でしょうか。
途中に玉淀とか長瀞といった観光名所が所々あるので、それらを巡りながらなら一日券を購入した方がお得かと思います(現在はデジタル版のみですが「秩父路遊々フリーきっぷ」があります)。
東京から東武伊勢崎線で羽生駅まで行き、そこから秩父鉄道に乗り換え。
ちょうど入ってきた影森行きのワンマン電車に乗ります。
なお、今回の写真は前回取り上げたカメラ”LOMOMATIC110”で撮影したものです。
LOMOMATIC110を持って旅した時の記事はそちらを参照。
途中駅でタイミングよく貨物列車が通りかかったのでパシャリ。
秩父鉄道は私鉄線では珍しく貨物列車の扱いもあり、古くから武甲山で採れた石灰石を運搬してしています(秩父鉄道の筆頭株主が太平洋セメントで、石灰石はセメントの重要な原料でもあります)。
まずは長瀞駅で途中下車。
秩父鉄道の駅の多くは開業当時(全通は昭和5年)からのままの姿で使用されているのが多く、こちらのホームも恐らくそんな感じでしょう。
長瀞駅の駅舎は開業当時からある木造駅舎。
ここから徒歩数分であの名勝へ向かいます。
長瀞岩畳。
何万年も前にできたらしい不思議な風景が全長6㎞にわたって続く。
流れているのは荒川、東京で見慣れているあの幅広い荒川がここではこういう渓谷の姿で流れています。
これが世界的に知られるようになったのは、明治時代にナウマン博士がここを訪れ、地質学的な価値を認めたから。
そのため、「日本地質学発祥の地」という二つ名もあるそうです。
長瀞岩畳名物の川下り遊覧船。
この日は中高生の遠足と思しき団体客を乗せてました。
船の上も気持ちよさそう。
秩父。
秩父のメイン駅、御花畑駅。
開業当時の外観を活かしながらもリニューアルされてましたね。
リニューアル前の方が味わい深くて好きだったんですけどね。
国の登録有形文化財指定。
秩父の町をぶらりと散策。
番場通りはレトロ建築が多めで、特にこのパリー食堂はもと料亭の現役。
こちらも登録有形文化財で、開業した昭和2年の建物。
左に見えるのは豚肉の味噌漬けが名物のお肉屋さん「安田屋」で、こちらは大正5年創業。
建物も当時のままなのでしょうかね。
パリー食堂で昼食も良かったのですが、今回は別に行きたいお店があったので、そちらへ。
「パーラーコイズミ」さんは昭和42年から続く純喫茶。
平日の昼間でもお客さんが絶えない一軒です。
ナポリタンとプリンアラモード、美味しかったですよ。
秩父はセメントだけでなく、秩父銘仙と呼ばれる絹織物の産地としても有名。
こうした土蔵を持った伝統的な店蔵も残ってます。
近くには花街もあったそうで、繁栄ぶりがうかがえます。
その花街の名残りを見せた一軒。
今も大事に使われてます。
花街の近くにあった古い銭湯。
「たから湯」とありますが、正面の看板が読みにくい(笑)
現役なのでしょうかね。
秩父の町を散策して、再び秩父鉄道に乗り込み、終点へ向かいます。
途中、影森駅で武甲山をバックに電車をパチリ。
終点の三峰口駅。
ホームに降り立つと、どこまでも線路が続いていて、これが終着駅なの?ってなります。
ここから先も鉄道を伸ばす予定だったんでしょう。
三峰口の駅舎。
こういう外観がいいんですよ。
こちらも開業当時からのまま。
ここからはバスで三峰神社へお参りというのがスタンダードですが、時間もないし、今回はパス。
その代わりに向かったのが……
秩父往還、贄川宿。
三峰口駅から歩いて15分ほどでしょうか、途中荒川を渡り、古い佇まいの街並みが残っているのを目にすることができます。
宿場町の雰囲気が色濃く見せてますね。
しかし、この贄川宿のもう一つの見所が……
かかし(笑)
贄川宿はまた、「かかしの里」として売り出し中で、所々にかかしが立っています。
町家の縁側に座って日向ぼっこしてるじいさん……と思ってたらかかしだった……ってのも。
宿場町から高いところにある広場にはかかしがいっぱい。
見ているとどこかシュールですw
今回は日帰りでしたが、それなりに十分堪能できました。
帰りに西武秩父駅近くの日帰り入浴に立ち寄り、再び秩父鉄道で羽生へ戻りました。
西武特急でひとっ飛びなんてのも悪くありませんが、秩父鉄道でコトコトゆっくり揺られながらの旅もいいですよ。
なお、休日にはSLも走っているので、休日に行くならそっちを狙ってもいいかも(SLは別料金の乗車券を合わせて買えば乗れますよ)。