デジタルマーケティングの鉄板施策との向き合い方
Reproでマーケティングコンサルタントをしている嶋と申します。今回は鉄板施策といわれる事例を正しく活かすためのお話です。
デジタルマーケティング業界で鉄板施策といわれる施策がいくつかありますが、とりあえずやってみたら効果が出なかった(むしろCVRが下がったなんてことも…)という経験がある方も多いんじゃないでしょうか。
私は駆け出し時代、とりあえずカート落ちやってみる→効果が出ない、ランキングを上部に移動してみる→効果が出ないといったことをがっつり経験しました…w
なぜ鉄板施策なのに効果が出ないのか
結論はシンプルです。
鉄板施策たりうる「前提」を理解できていないから
事例(How)だけが一人歩きしてしまい、本来セットであるはずの対象ユーザーや条件を考慮できていない、というのが効果が出ない原因です。そして、この現象はマーケティングの常識と呼ばれるような法則でもよく見られます。
例:パレートの法則(2:8の法則)
言わずと知れた、顧客全体の2割にあたる優良顧客が売上の8割をあげているという法則
本来は「長期間で見たとき」という前提があるが、その部分が理解されていないことが多い(短期でKPI数値を追っているときに、自社の比率って5:5くらいじゃない?と感じたことのある方もいるんじゃないでしょうか?)
この「前提」について、WebマーケのThe鉄板施策「カート落ち」を例に解説してみます。
「カート落ち」「カゴ落ち」の前提を考察する
「カート落ち」「カゴ落ち」が効く理由は大きく分けて2つです。
カート追加自体忘れていたユーザーにリマインドを行うことで再検討を促せるから
カート内の商品を認識しているユーザーへ検討の起点を提供できるから
この場合における「前提」は下記となります。
1.の前提
カート追加自体忘れている可能性の高いユーザーを対象とする
リマインド系の文言を使う
2.の前提
カート内の商品を認識している可能性の高いユーザーを対象とする
行動の起点となる文言を使う(※リマインド系は使わない)
これらの「前提」を踏まえて「カート落ち」を実施するとこうなります。
「カート落ち」「カゴ落ち」施策が成功した事例
1. カート追加自体忘れていたユーザーにリマインド
条件
再訪&セッション開始時
文言
「カートに商品が残っています」「前回検討していた商品が残っています」など
2. カート内の商品を検討しているユーザーへ検討の起点を提供
条件
セッション内の商品詳細閲覧回数XX回
文言
「カートに〇点の商品が入っています」「カートの商品が〇点以上あります」など
まとめ
シンプルに書くつもりが気付いたら1,500文字を超えていました。ここまで読んで下さった方々、本当にありがとうございます。
事例や法則は「前提」を理解したうえで使っていくことが重要です。先述した通りマーケティング業界は特に事例、法則(How)だけが独り歩きしていることが多いので、しっかりと「前提」を意識して向き合っていきたいですね。
今回取り上げた「カート落ち」もしっかりと「前提」を考えて設計を行うことで成果に繋がってきます。逆に「前提」を考慮できていないとWebサイト見始めた途中で「お買い忘れはございませんか?」と空気を読まないメッセージが出てきてしまいます…。(ないよ!と心の中で叫んでサービスの信頼度が減ってしまう)
また、今回は簡単な事例としてWebマーケの「カート落ち」に限定しましたが、サービスの「カート落ち」はメール、LINE、アプリでのアプローチも複合して考える必要があります。(Webサイトに戻ってこない人も呼び戻すことができるため)
普段は複数チャネルでのコミュニケーションを設計する仕事をしているので、もしサービスについて悩んでいることがあれば相談してみてください。DMお待ちしています!
最後に、モチベーションに繋がるので少しでも良い部分があれば「スキ」で反応してもらえると嬉しいです。とても喜びます。
それでは!
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