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【読書感想文】宝石商リチャード氏の謎鑑定

外国人イケメンと正義感あふれる大学生が宝石にまつわる謎を解き明かす、ほっこりミステリー。

キラキラの宝石、青い目の美形外国人、黒髪の熱血漢、ほんのりBL臭……
女子の大好物を色々詰め込んだ大人向けラノベです。

宝石の知識なんか全くなくてもムフフな感じでサクッと読めるお話でした。シリーズ化されている上にアニメになるのも納得。
こういうの好きでなんでしょ〜って感じ。
内容はもちろん面白いのですが、なんというか二次創作意欲を掻き立てられる作品でした。

そういうのがお好きな方は手に取ってみてはいかがでしょうか。

↓以下感想(ほんのりネタバレがあります。)↓

宝石の真の価値ってなんだろうっていうお話

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この小説の中で主人公たちが立ち向かうのは、宝石に隠された謎、つまり宝石の持ち主が抱えている謎です。

その謎を解き明かすとき、お金に換えることのできない「宝石の真の価値」が分かるというお話でした。

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わたしは昔々、ダイヤモンドの婚約指輪をもらいました。

そのダイヤモンドがわたしが唯一持っている宝石です。

当時は婚約指輪=(イコール)ダイヤモンドという認識だけで深く考えてなかったのですが、ダイヤモンドが選ばれているのには深い理由があって、

・世界で最も硬い宝石で傷が付きにくいため「固い絆」を表している
・大切な物を守り災いから守ってくれるパワーを持っている
・無色透明で「純粋無垢」な愛の形を象徴している

などなど……色んな意味があるようです。
(この辺の宝石の知識は小説の中にたくさん出てきます。)

こんな感じでそれぞれの宝石にそれを持つ人が幸せになるように、様々な意味や言葉が込められています。

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また宝石にはそうのような意味の他にも、人の「想い」が込められています。

わたしの婚約指輪には、

旦那さんが一生懸命働いてお金を貯めてくれたことだったり、
指輪を探し回って、疲れて果ててケンカしたことっだり、
初めて薬指にはめてもらった時の喜びだったり……

色んな思い出が詰まっています。

そういう小さな思い出が一つ一つ刻まれていき、人の「想い」となっていくのではないでしょうか。

宝石ってそういう目に見えない「想い」を目に見える形で残す手段なのかもしれません。

身に付けた時に不思議と力が湧いてきたり、贈ってくれた相手のことを愛おしく思ったりすることができるのって、宝石に込められた「意味」や「想い」のおかげなんだと思います。

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よくジュエリーショップの広告なんかで、永遠の輝きが〜うんたらかんたら〜と言う言葉を目にしますよね。

何気なく見ていたのですが、それって本当のことなんですよね。

例え宝石の持ち主が死んだとしても、人から人へと受け継がれてその宝石は一生残っていきます。

叩いても壊せないし、焼けても残るし、埋めてもチリに還ることはないから。

文字通り「永遠」に存在していくんです。

持ち主の人生や想いを背負いながら。

宝石と共に歩んできたその人の歴史こそが宝石の真の価値なのかもしれません。

おわりに

このお話を読むまで、宝石を知りたいという気持ちは正直全くありませんでした。

だけどこのお話の中で宝石の奥深さをリチャードに教えてもらってから見方が少し変わりました。

長きに渡って多くの人を魅了しているのには訳があるんですね。

宝石を遠い存在なんて思わずに、もう少し知ってみると世界が広がるかもしれません。

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