社員のおすすめビジネス書①
こんにちは、志高塾です。
今週は、志高塾カレンダーにおける第1週目にあたります。
毎月この週の金曜日に、竹内、三浦、徳野の社員3人が、各々の読んだビジネス関連書籍を紹介してくれることになりました。
いずれの紹介文も、苦手意識を持つ人’が少なくないビジネス書を、ぐっと身近なものに感じさせてくれます。
徳野のおすすめビジネス書『オルビスという方法――顧客満足を生み出し続けるビジネスモデルは、こうして創られた』
自分が所属している集団、そして自身のあり方をもっと良くしたい、周囲から愛される存在になりたい。だから、あれこれ手を出してみるけどなぜか上手く行かない。一生懸命やっているつもりでいる分、現状に嫌気が差して投げ出したくなってきている。そんな人は今一度、「自分が何を目指しているか」という価値観にまで立ち戻ってみる必要があるかもしれません。
タイトルに「方法」とあるように、オルビスという化粧品ブランドが成長のために実施してきた取り組みの歴史を綴った1冊になります。しかし、本作が重視しているのは「何をするのか」よりも、組織で働く人々が「何を大事にしてきたか」という精神のほうです。(オルビスのメンバーはそれを「DNA」と呼んでいます)
そして、この企業を語る上で欠かせないのが、顧客満足度調査の通信販売部門で2015年から6年連続で1位を獲得していた実績です。(2023年度は2位ですが)全てお客様第一で仕事をすること。当たり前のように思えて実践するにはかなりの勇気が必要な価値観ですが、困難だからこそ本質を見極めて無駄を省くアイデアが創造されるのです。特に、通信販売への風当たりが強かったバブル期に「誠実さ」を追求しながら堅実に事業拡大していった1980年代と、安定期ゆえのマンネリズムを打破するために試行錯誤を続けた2010年代を比較してみると、「オルビスらしさ」とは何たるかが浮き彫りになるはずです。
三浦のおすすめビジネス書『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』
題にもあるように、本書は森岡氏が就職活動を迎える我が子に向けた文章を公表したものであり、その随所には娘を想う父の眼差しが散りばめられている。内容はビジネス書でもあり、父から子への愛情のメッセージでもある。
重要なことは「パースペクティブ(自身の知っている世界)を広げること」、そして「戦略を立てること」に大別できる。井の中の蛙は大海を知らなければ井戸か大海かという選択肢すら持てない。
その上で誰に、どんな自分を、どう知ってもらうか。「どんな自分」は理想の形であり、それを達成するためには努力するしかない。だからこそ、理想への努力が苦しくないよう、自分の「欲(やりたいこと)」を明確にする必要がある。好きなことすら努力できない人間は何においても努力できない。強みと弱点があるのなら強みを伸ばし、それを生かせる場所に身を置けばいい。力がつけば、「場所を選べる」「場所自体を変えられる」人間になる。
自身の強みを分析し、それをどうマーケティングするか戦略を立てる。さらに、強みとは根拠によって初めて客観性を得るため、そこには結果が問答無用で必要だ。人付き合いが苦手だという弱点を抱えながら、逆境の中でも得意な数字を用いた戦略を組み立てて結果を出し続けた森岡氏がどのような実績を残してきたか辿っていけば、その効果は明らかだろう。
竹内のおすすめビジネス書『あなたの会社、その働き方は幸せですか?』
本書は、社会学者で「女性学」の先駆者でもある上野千鶴子氏と、ライフネット生命の創業者であり、立命館アジア太平洋大学(APU)学長である出口治明氏の対談が中心となっています。ちなみに、APUには志高塾の卒業生がこの春進学しました。タイトルにもある「働き方」のありかたが、リアリスティックに見つめられています。
例えば、年功序列型の人事や定年制。出口氏の指摘は、それによって再雇用の形で意欲や能力のある労働者がより安い賃金で働いていることです。そして、ライフネット生命では定年制を廃止し、個人の能力や成績を引き続き評価しており、それと同時に従業員の健康診断や面談を行い、健康的な労働の持続を実現させています。
また、この2人は自身の経歴に関して、「流れるままにやってきた」と述べつつも、同時に「目の前のことと向き合い、やってきた」とも語っていました。上野氏の場合は、大学の講師をしていた当時、授業料に見合った講義ができているのかと自問し続けてきました。すべきことやできることを真摯に行っていくことが、会社を、社会をより良くしていきます。自分が働く環境において、何が問題であるのかを見定めていけば、立場に関係なく「どうするべきか」が浮かび上がってきます。そしてそれを改善していくために前向きに手を打っていくことこそが大切なのです。