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社員のおすすめビジネス書⑪

こんにちは、志高塾です。

本日は、社員のおすすめビジネス書をご紹介いたします。
8月24日にHPの「志同く」にて掲載された内容の再録となっております。

一冊の本から何を得て、何を思うのか。それは、きっと今の自分自身を反映しているはず。


三浦のおすすめビジネス書『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』

本はいつも書店で買うのだが、今回はkindleの読み放題にあったものを直感的に選んでみた。とにかく話し下手な自覚があるので、それを改善する必要があるとは常々思っているからだ。

本書の内容は日本で一般的とされる「形式的で中身のない」雑談を否定し、より世界のビジネスマンが行っている「意味のある」雑談にするためにはどうすればいいか、ということに終始している。意味のある雑談にするために肝心なのは、自己開示と相手への踏み込んだ質問だ。自分のことを知ってもらわなければ始まらないし、そこで有用な情報を提供できると思ってもらわなければならない。そして、相手が大切にしていることや求めていること、その日の調子などを知らなければ、最適な接し方ができるはずもない。

とはいえ、日本の形式的な雑談が全く意味を為さないとは思わない。天気や気温の話から入ったっていいのではないだろうか。初めからオープンにすることが必ずしも良いとは限らないのは、それこそ多様性である。「相手はどう考えているのか」「自分は相手とどういった関係になりたいのか」を考え、そしてその目的に即しているのであれば、手法はまた付いてくるのだろう、とも思った。

自身が活かしていけるのは、やはり「目的意識を持つ」という第一歩と、「自己開示」だろう。開示する自分にいつまでも自信が持てないのも原因の一つだとしみじみ痛感した。自信が持てる実力をつけること、そして見栄を張ろうとしないこと。それを自分に言い聞かせることにする。

竹内のおすすめビジネス書『仕事選びのアートとサイエンス 不確実な時代の天職探し』

昨今の社会、我々の平均寿命が延びている一方で事業は短命化している傾向がある。さらには人工知能の進歩は目覚ましく、このVUCAの時代においては複数回仕事を選ぶことや、副業を持つことは当たり前となっていくことが予想される。

日本は世界的に見て労働の生産性が低いということが指摘されているが、その原因として「人材の流動性」の低さが挙げられている。そこにはゴールを明確に設定してしまうキャリアデザインが問題として横たわっている。先行きの見えない世界では、自己による内発的な規定ではなく、偶然の出会いによってこそ「天職」が見つかっていく。

では「いい偶然」をどのようにして呼び込んでいくべきか。ある研究からはじき出された5つのポイントのうち、筆者が重視しているのは「好奇心」である。色々な人と交流すること、目の前の仕事で試行錯誤すること、そのような種まきをすることや多方向へアンテナを張ることは、いざやってきた「偶然」をキャッチする対応力へと転じる。また、自分の中に知識やノウハウを蓄えていくために有効なのはやはり読書である。これは階層的繋がりで理解を深めていくものと、横の広がりで知識の幅を増やすものという2つの方法に大別される。関連分野を固め打ちすることでそれぞれの内容が相互に結びつき、自身に強く定着するようになる。

タイトルからは汲み取れなかったのだが、本書は主に転職希望者をターゲットにしている。ただ、いわゆるハウツー本的な方法の提示ではないために、日頃の仕事の中身をより充実させるためにどうしようか、という思考の機会を与えてくれる。また、これから将来について考えていく高校生、大学生たちにとってもその土台になるエッセンスが多分に含まれているはず。

徳野のおすすめビジネス書『社会をよくする投資入門 経済的リターンと社会的インパクトの両立』

少子高齢化の加速により経済規模の縮小や社会保障制度の崩壊を懸念される昨今。投資による長期での資産形成が推奨されているが、すでに投資に関わっている人の大半は目標を「いかにコストを安くして、リターンを高くすること」に定めて、損失を恐れるあまり日々変動する株価に一喜一憂している。要は、お金を増やすことだけが目的になっているのだ。そして、短期的な評価ばかりに目を向ける投資家の動向は、彼らから資金を集める上場企業の利益追求の仕方にも大きな影響を与える。株主へのリターンを早期に大きくしようとすれば、自社のコスト削減のために地球環境や従業員の労働環境に多大な負荷をかけることに繋がるからだ。それでは、ビジネスが金融市場よりも広いはずの「社会」で生きる人びとの幸福に貢献しているとは言い難い。

本作の筆者は大学卒業後ずっと金融業界に携わってきたプロフェッショナルであるが、目の前の損得に振り回される株式市場の状況に違和感を抱えてきた。そんな鎌田氏が一年発起して立ち上げた資産運用会社が「鎌倉投信」である。そこで提供している公募型の投資信託「結い2101」では、知名度に関係なく、世界の持続可能性に責任を持ったビジネスを展開している企業を厳選し、その本質的かつ長期的な価値を理解している顧客を集めている。そして、鎌田氏が対象企業を見極める上で重視しているのが、現場に直接足を運んで話を聞くことである。女性管理職の割合や温室効果ガスの削減量のような一般公開されている数値での評価だけでは実態など掴めないからだ。「責任を持つ」とは、表面的な意味での結果を出すことではなく、自分自身および共にビジネスに関わっている人間や組織の行為が何に繋がっているのかを把握することなのだ。

節約や貯蓄以外の資産を増やす手段として投資に興味を持っている生徒は少なくない。彼らが実際に身を投じたときに、全方面に「良し」となる判断できる視野の広さを身に付ける上で参考にしてほしい1冊である。

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