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『草地は緑に輝いて/アンナ・カヴァン』②【634字】
『草地は緑に輝いて/アンナ・カヴァン』:安野玲訳〈交遊社〉──目次──.
1.草地は緑に輝いて.
2.受胎告知.
3.幸福という名前.
4.ホットスポット.
5.氷の嵐.
6.小ネズミ、靴.
7.或る終わり.
8.鳥たちは踊る.
9.クリスマスの願いごと.
10.催眠術師訪問記.
11.寂しい不浄の浜.
12.万聖節.
13.未来は輝く すばらしい新生活が始まる場所で.
2.受胎告知
ゆっくりと、現実を侵していく悪魔。ゆっくりと迫り来る恐怖、脅威、悪意、災厄、絶望、焦燥……《子供から女性への変容》。
【P-26】[l-4]「嘆かわしいこと。不愉快きわまりないわね」
・幼さのうちで沸き起こる変容を悟られてはいけない。
【P-29】[l-2]誰かといっしょのときは、その人を怒らせたり迷惑をかけないようにいつも一生懸命がんばっているつもりだ。なのに、うまくいったためしがない。たいてい怒らせるか迷惑をかけるかしてしまう。ひとりでいるほうがいいのだ。
・他者は己の世界を掻き乱す。後ろめたい自己は、常に内に鎖していなければならない。
【P-34】[l-9]「自分の手がまた自分のところにもどってきてほっとした。おかげで少しは怖くなくなった。
・《自身の心身の主導権は自己になければならない》、そうした確信こそが自己の芽生えであり、大人なるということだ。主導権を奪い取ろうとする他者は、世界のすべては敵。自分を守らんとする家族、お守り役……その看守を打ち倒さない限り、自由はない、悪夢は終わらない────。