短歌五首 ⑥5/24
転院を重ねるたびに紹介状は厚くなる私の歴史
(5月いっぱいで転院をする。紹介状もずいぶん分厚くなって、私の病気との歴史を象徴している。)
この度の紹介状は未だ見ぬ百万円の厚さなるかな
(百万円くらいの分厚さだろうか。百万円、見てみたいなぁ。)
受付で口論するクランケは生きづらさ一人背負い込んでいる
(薬の処方について、受付と患者が口論になっていた。患者が感情的になっている。人生の妥協点は人それぞれだが、少しでもこの患者さんが生きやすくなってほしい。)
病気と自分史のともに歩むを悔しがってもしかたあるめえな
(病気はアイデンティティになりやすい。悔しいけど、それも受け入れた先に何かがあると信じたい。べらんめえ調で自らを諭す。)
愛するものに殺されかけても誰も文句は言うまい五月晴れ
(愛するもの、愛する人に殺されかけている。身を滅ぼすほどの何か。でも何も文句はない。五月晴れは爽やかだ。)